カテゴリ: 攻略記事

インペリアル2030をここ最近、よく回している
ここ3か月で20戦くらいやっている
COVID-19に伴う自粛の関係で、身内固定の3人戦でしかできないのだが、このゲームに限っては固定メンツだとよく機能する
理解が深まり、メタが回り、深く楽しむことができる
いくら回しても同じ展開とはならないし、今のところ飽きる気配がない
3年前に出会ってから、いまだにマイベストゲームであり続けている

回数を重ねた結果、ノウハウやメタのようなものが蓄積したので、備忘録と思考の整理がてら言語化を行う

ルール記載は行わないので、未プレイの人にはやや読みにくい記事となっている
本記事の「マック・ゲルツ」のタグから、インペリアルのルール紹介の過去記事などに飛べると思われるので、適宜参考にされてもいいかもしれない

imp2


〔1〕総論 
 (1)サイクル
 (2)初動 
  ①スロー:工場建設から
  ②ファスト:輸入から
  ③サクリファイス:投資から
 (3)スイス銀行
〔2〕各論
 (1)推奨ルール  
  ①中国+EU
  ②ロシア+ブラジル
  ③インド+アメリカ
 (2)支配国ドラフト
 (3)自由オークション
〔3〕結語:魅力
pic586346

IMPERIAL 2030(2009)
Designer Mac Gerdts
Artist Alexander Jung
Publisher PD-Verlag + 7 more

〔1〕総論 

(1)サイクル
6か国がロンデルを1周するまでの総アクション数を1サイクルと呼ぶ
だいたい1国家あたり3~4アクションなので、20アクションで1サイクル
投資マスをまたぐたびに株券購入チャンスが来る各プレイヤー、1サイクルあたり2回ずつ株券購入できる
(6回の機会を3人で分配するので)

早くて4サイクル、遅くとも5サイクル目にさしかかったあたりで終了トリガーが引かれる
ゲーム全体を通しての株券購入回数は各プレイヤー8-10回程度
imp6

(2)初動

各国の第1アクションは、
・工場建設
・輸入
・投資

の3択
(徴税、移動、生産は現実的な選択肢ではない)
それぞれの選択肢について、よくなされる序盤数手を記載する

①スロー:工場建設から
・工場→生産→移動→生産→移動→徴税
一番安定感のあるスターティングだ
工場から入って6アクション目で徴税する
筆者は、特に強い狙いがない場合は基本的にこのかたちをとる
もし隣国と殺し合いが起きていなければ、徴税で11-12パワー出ている
徴税以降は、4個目の工場建設
その後は5,6エリア支配キープしながら、できるだけ早くロンデルを回す
徴税によってコンスタントに国庫に金が入ってくるはずなので、2サイクル目からは投資アクションで金を抜いていく
国庫もプレイヤーも潤いやすく、資金面で事故りにくい長所を持つ

pic596379

②ファスト:輸入から
輸入→移動→工場建設→生産→移動→生産→(移動)→徴税
第7アクションの移動はスキップ可
輸入から入って、7-8アクション目で徴税する
スローが定石なら、ファストはメタ的な速攻にあたる
最初の2アクションだけ①と異なる
この方法の最大のメリットは、第2アクションで3コマを移動させられる点にある
スローだと第3アクションでの移動となるので、1手早く動ける
1手早いおかげで、隣国よりも先に拡大することができる
インペリアルは先攻が絶対的に有利なゲームなので、この1手の差はなかなか大きい
また、徴税までに移動を3回やる場合、最初の徴税から13パワーくらい出る

メリットは多いが、最大のデメリットは国庫に金がたまりにく点だ
推奨ルールだと国庫には11ドル入っていて、2つ工場を作るのには10ドル必要
3ドルを輸入に使ってしまうと、足りなくなってしまう
国庫に金を入れるために、
・自国の株券を買い足す
・他プレイヤーに株券購入を持ちかける

などやる必要がある

③サクリファイス:投資から
筆者の知る限り、投資から入ると勝率がかなり落ちてしまう
・国庫の金が枯れてしまい、工場建設や輸入が打ちづらくなる
・最序盤の盤面の取り合いが1手遅れてしまう

この2点がただただ致命的だ
後述する自由競りのルールならワンチャンありかもしれないが、推奨ルールだと活躍が難しい動きだと思われる



(3)スイス銀行
支配国がゼロになるとプレイヤーはスイス銀行ルールを付与される
自分が株を持っているすべての国に対して、投資アクションマスで強制ストップをかけられる
一度やればわかるが、非常に強力なルール改変能力だ
体感として、スイス行となったプレイヤーの勝率は5割近くあるようにも感じる
とても強力な分、スイスに能動的に行く手段がない

スイス送りにしていいパターン:

原則として、自分の支配国家が3か国以上に増えるときだけだ
3か国ないし4か国支配できるなら、相手にスイス能力を渡しても優位に立てる

スイス送りにしてはダメな場合:
あなたの支配国が2か国にしかならないとき
具体的には、トップが4か国支配していて、あなたとドベが1か国ずつ持っている場合
ドベの国を奪うと2か国支配ができるが、
・4か国支配できているトップ
・スイス能力をゲットしたドベ

に対して、2か国支配のあなたのポジションはかなり悪い
スイスは、体感2.5か国支配くらいのパワーがある

スイスに送られてしまった場合:
筆者の場合はゲームの最終サイクルまでスイスから出ない
ギリギリまで粘るようにしている
3人戦の場合スイスプレイヤーは株券の購入可能枚数が4倍に増える
(1サイクルで普通2枚買える、スイスだと8枚買える)
自分にインヴェスタータイルが回ってくるタイミングでは3回連続で株券が買える
連続購入のタイミングであれば、株券のアップグレードを行うのもアリだ
本来なら株券のアップグレードをしてしまうと、利率の良いタイルをマーケットに流してしまい、それが他プレイヤーの手に渡ってしまう
スイスプレイヤーであればすぐ買い戻せる
アップグレードによるデメリットが実質なくなる

スイスから復帰するタイミングは状況による
1位候補の国を奪ってそのままトップゴール、というのが理想的な筋書きだ
ただ終盤は6か国とも焦っているので、トップゴールに送り込むためにお金を多く払ってロンデルを4マスとか5マス進めないといけない場合もある

2、3ドル程度なら払って問題ないが、8ドル以上などになる場合は、支配権をヘタに奪わない方が賢明な場合もある

pic1374054


〔2〕各論

3人戦でのルールは、筆者らの場合、以下の3通りから適当に選んでプレイしている
(1)推奨ルール
ルールブックに従って、
 ①中国+EU
 ②ロシア+ブラジル
 ③中国+アメリカ
のどれかを持つ

(2)支配国ドラフト
上の6か国をロチェスタードラフトする

(3)自由オークション
6か国の株券を1回ずつ買う

それぞれの方法の特長、考え方のコツなどを以下に記載する

(1)推奨ルール  
ロシア+ブラジル
アメリカ+インド
中国+EU
のどれかで持つ
各プレイヤーは9ドル+9ドル+2ドル+2ドルの4枚の株券2ドルの手持ち資金でスタート

2030において9ドルというのは結構な大金だ
なので、各プレイヤーは、
「9ドルをつぎ込んでいる自国のどっちかを国力トップ(×5)にしたい」
「伸びなかった国も、×3とか×4くらいまで引き上げたい」

という欲望を持つ
そういうルールデザインになっている
また、他国の乗っ取りは最序盤は起こらない
だいたい第2サイクル以降、ゲーム中盤から生じてくる
乗っ取りには最低12ドルかかるが、序盤はそれだけの大金を作れないからだ

担当国ごとの考え方をおおまかに記載する

 
①中国+EU
  
中国:
最も動かしにくいが、とても重要な国だ
このゲームでは中国・ロシア・インドで絶対にケンカが起こるようにデザインされている
中国・ロシア・インドの未来は、
①中国・ロシアで協力、インドを潰す
②中国・インドと協力、ロシアを潰す
③中国が孤立、ロシア・インドが協力

の3つしかない
(3か国の大同盟も成立しうるが、本記事ではその可能性は無視する)
中国プレイヤーとしては③のシナリオだけは避けたい

ロシアかインドのどちらと組むかだが、筆者の場合はロシアプレイヤー、インドプレイヤーが、
・その国を本気で伸ばしたがっているか
・陣取りが上手いか
を見る
メタ要素だが、
・プレイヤーが
やる気を持っているか
・意志を遂行するだけの
ゲームセンスがあるか
を重視している
より意志と能力が高いプレイヤーの株券を買う
低い側のプレイヤーとは、積極的に敵対はしないように留意しつつ、中盤以降もし隙を見せるようなら、工場を踏んで殺しにかかる

中国はゲーム中唯一、3基の戦車工場を持っている
インペリアルにおいて戦車は発言権だ
版図の切り分け方について、中国は他のどの国よりも強いイニシアチブを持っている

旧版のオーストリア=ハンガリーの役回りだ
もし中国が長く判断保留してしまうと、戦況は複雑になり主導権を失ってしまう
ゆえに、ある程度早くロシアかインドを早めに敵国とみなして、立場を決めてしまった方が場を動かしやすい


EU:
攻守ともに優れた優秀な国だ
・アフリカへのアクセスの良さ=攻撃力
・工場の攻撃されにくさ=防衛力
とても強い国だからこそ、6番目に動くという最大のデメリットも課せられている
ちょうど良く調整されている

動かし方:
EUの初動はファスト、
輸入からの速攻が有効に機能する
北大西洋をロシアやアメリカと取り合うので、早めに動くと機先を制することができる
ただ、スローで入っても大きな問題はない

中国+EUの考え方の1例:
中国は安定して勝たせにくいので、EUを本命気味に持つ
ロシア-中国間は平和路線で行って、北アジアのエリアを多少譲る
ロシアの欲望をユーラシア方面に向けさせることで、EUを動きやすくする


②ロシア+ブラジル
ロシア:
動かしにくく、華がない国だ
旧版インペリアルのロシアとポジションや性格はかなり似ている
旧版でロシアとイギリスがとても強かったせいか、新版ではロシアとアメリカはかなり能力を落とされている


ロシアはユーラシアを中国と取り合う
北大西洋や太平洋から北米を狙うルートもあるが、その場合EUとアメリカと事を構えることになる
北側に押し込められやすい地勢ゆえに、1番手に動けるというメリットを持っている

1位を取りに行けない場合は多いが、どのゲームでも堅調に×3~4を狙えるパワーは持っている

序~中盤に5,6エリアをキープしたら、あとは静かにロンデルを高速で回して支配を維持するだけで×3~4くらいに達する
中国との同盟関係が作れていれば、平和的に素早く国力を上げることができる
日本、韓国、モンゴル、ウクライナ、日本海と、他プレイヤーが干渉しづらいエリアを十分数持っているのが最大の長所だ

ロシアをやるうえで重要なのは、中国との関係決定だ
①中国株を買って友好となるのか
買わずに敵対を貫くのか
の2パターンしかない
中国にちょっかいをかけられるのはロシアとインドだけ
インドは中国攻めに戦力を割くよりも、海軍力を伸ばしてアフリカや外洋を取りに行きたくなりがちだ
ゆえに、本気で中国と戦車バトルをやり合えるのはロシアだけだと思った方がいい

ロシアで中国を叩かないのであれば、中国株を買うと良い
ロシアー中国が平和となると、中国はロシアより早く伸びる可能性が高いからだ
筆者の場合、もしロシアで中国に甘く接するなら、最終的に中国を奪うよう計画する

逆に、中国株に一切手をつけず、圧をかけ続けるのもアリだ
そうなると、モンゴル―カザフスタンあたりの情勢が不安定化する
領土キープのために割く手数が増えるので、ロシア・中国ともにややスローダウンする


ブラジル:
守りが固いが、やや攻め手を欠く
動かしやすいが、地味な展開となりやすい
ブラジルをやる上で唯一のタスクはアメリカと話をつけることだ
ブラジル・アメリカ両方にとって、陸軍侵攻の危険があるのはお互いだけだ
両国ともあまり強い国ではなく、利害も完全に一致しているので、ブラジル―アメリカ協定は問題なく成立するだろう

陣取りに関しては、アフリカ南部に早急に戦車を送りたい
アフリカを2エリアくらい取れるとずいぶんと楽になる
アフリカ、中南米、近海のエリアが取れていれば×3~4に持っていくのは難しくない

ブラジルは
インドを攻撃可能というのも特記すべき特長だ
もし中国とインドが友好になってしまうと、中国の庇護のもとインドが爆伸びしてしまう
そうなったインドを叩けるのはブラジルだけだ

pic2738971
インドを抑え込むブラジル


ロシア+ブラジルの考え方の1例:
どちらも守りに寄っており、安定感はある
ただ、1位を積極的に取りに行くのに適した国ではない
最初は両国ともスローで、様子見から入る
自国買い足しはあえて行わず、12ドルで乗っ取られる無防備でさらしておく
ただし、他プレイヤーからの乗っ取りに備えてコマを場に出しすぎないようにする
コマを多く出した状態で乗っ取られると、買収者に多くの選択肢を与えてしまうことになるからだ

そうやって放置しておくと、普通はどちらかの国が乗っ取られる
たとえば、中国プレイヤーがロシアを乗っ取ってくれた場合
ロシア―中国間は平和になったと見て良い
なので、中国株を逆に買いながら、ブラジルを使ってインドを叩きに行くなどする
ブラジルでインドを見てあげると、中国を伸ばしやすくなるからだ

こういう風に、
・乗っ取りを誘う
・乗っ取ってきたプレイヤーの意図や利害関係を利用する
・同盟関係を作って動かす

でやっていく



②インド+アメリカ

インド:
最も高リスクで、爆発力がある
動かしていてもっとも楽しいし、華がある国だ

筆者らの卓だと、×5でトップゴールするか、×2などで終わってしまうか、極端な結果となる印象がある

インドは対中国がすべてだ
対中関係がうまくいけばすべてが回る
対中成功パターンは、

①中国プレイヤーにインドを買ってもらう
②ロシア―中国間で戦端が開かれる
③インドが先手を打って中国を陸軍侵攻する
④中国を買収する

の大きく4つある

中国プレイヤーにインドを買ってもらう
相手依存だ
中国側がもし自国買い足しを好む場合、話し合いや交渉の余地はないだろう

ロシア―中国間で戦端が開かれる
ロシア―インドで同盟が成立すると、ロシアと中国がやり合ってくれる可能性が高まる
推奨ルールの場合、インド+アメリカと、ロシア+ブラジルで持っている
ブラジル―アメリカは交渉がまとまりやすいので、その流れでインド―ロシアもまとめやすいかもしれない

インドが先手を打って中国を陸軍侵攻する
確実性が高いが、コストの重い選択だ
かなりのヘイトを買う
インドはこれから先、本国に防衛目的で戦車を駐留させ続けなくてはならない
戦車を生むために生産アクションを余分に踏む必要がある
さらに、戦車が余分にストックするおかげで、国庫に金がたまりにくくなってしまう

中国を買収する
確実性が高い方法だ
あなたが中国のコントロール権を持ってしまえば、話し合いや交渉は今後必要はない
ただ、けっこうな資金を投じることになるので、そういう意味でのリスクは大きい
インドを買い足す余裕はないので、他プレイヤーに
インドを奪われる可能性も高い
さらに、一度買ってしまった
中国をある程度伸ばさないといけない、という新たな責任も発生する


対中国さえ片付けばインドの未来はバラ色だ
・アフリカ
・オーストラリア
・東南アジア
・中東
植民地について、最も多くの選択肢を持っている


アメリカ:
守りは最も固いが、狙えるエリアが少なすぎる
旧版インペリアルのイギリスと同じ海洋国家、シーパワー枠
旧版のイギリスは、
・工場破壊のされにくさ
・マップ全体の植民地の少なさ

がかみ合ってかなり強かったが、2030では大きくナーフされている
今回のアメリカはただただ弱い
6エリアのキープをもし目標とするなら、
・北アメリカの4マス(アラスカ、カナダ、ケベック、メキシコ)
・カリブ海
・太平洋
・アフリカのうちの2マス(北アフリカ、ナイジェリア)
の8エリアくらいしか候補地がない
それらをEU、ブラジルと仁義なく取り合うことになるので、陸軍力の低いアメリカではなかなか荷が重い

アメリカで陣取りを頑張るなら、初動はファストで行くと良い
初手輸入で船船戦車を作る
船船をカリブ海と北大西洋に浮かべる
ブラジルより先にカリブ海を、ロシア・EUより先に北大西洋を押さえることができる
アメリカ以外の国にとっては、海の1,2マスの支配は大して意味がないが、アメリカにとってはとても価値がある
またテクニックとして、最序盤にフィリピンや日本などの孤島エリアを狙いに行くのもいい
孤島に入った戦車をどかすのはかなり労力を食うので、長期支配が見込める

2030を複数回やっていくと、メタゲームにおいてアメリカは、買い手にメタ的に軽んじられる、という長所を帯び始める
9ドルで支配している国のコントロール権を奪うには12ドル払う必要がある
アメリカに12ドルは正直出したくない

筆者にとっては、

・徴税の直前(徴税ボーナスを奪う)
・船や戦車が豊富にある(ブラジルやEUにちょっかいをかける)
という好条件が重なって、ようやく買収候補に入る
買収されにくさから、買い足しせずとも長期間コントロールできたりする
そのあたりにちょっとした強みがある

アメリカは戦車工場が1基しかない関係で、戦車を適宜輸入で買う必要がある
輸入には国庫の金が必要だが、支配エリアが伸びにくいことから、国庫があまり潤わない
国庫に金を入れるコツとして、船コマを早めに対消滅させると良いかもしれない
インペリアル2030において、対消滅は基本的にリスキーだ
多人数マルチだから、対消滅に関与しなかった第3国が相対的に利益を得てしまう
ただ、アメリカに限って言えば、防衛力の高さから、コマをある程度潰しても工場に王手をかけられるリスクがない
なので、早めに仮想敵国を作ってしまって、小さく小競り合いをし、適宜対消滅をやっていくと良いと思われる


アメリカ・インドの動かし方の1例:
インドを本命にしたい
中国方面との関係は慎重に
アメリカは捨て気味に動いて、ブラジルにちょっかいをかけさせる
ブラジルがアメリカとやり合えば、アフリカ方面が手薄になる
インドがアフリカの取り合いを制しやすくなる



(2)支配国ドラフト
ロチェスター(カタン方式)ドラフトで、2か国ずつ取る
推奨ルールと同じように、22ドルを株券に使い、2ドルを初期資金とする
筆者らの独自のハウスルールで、ルールブックに記載されていない
あまりバランスが良くないヴァリアントだと思われる

このヴァリアントだと、
・ロシア+中国
・中国+インド
・アメリカ+ブラジル

など、隣国同士で固め持ちができたプレイヤーが伸びやすい

もし相手に良いかたちで持たれてしまった場合、1人で崩すのはかなり厳しい
他プレイヤーと協調・共闘する必要がある

反対に、うまく固め持ちできたなら、自国の株券を買い足して、防衛的な投資をやると盤石に伸ばしていける
よって、総じて、コントロール権の奪い合いが生じにくい場となる
ただただ殴り合う多人数マルチみたいな状況が生じやすい
筆者は陣取りよりも株券の駆け引きの方が得意なので、このルールでの勝率はかなり低い


(3)自由オークション
陣取りよりも株券要素が強まるルールだ
これはルールブックに記載されているヴァリアントだ

まず、全プレイヤー24ドル持つ
適当に親を決めて、親を時計回りに2回ずつ回す
ロシアから順に、各国につき1回だけ株券を買う権利がある

このルールでは、特殊な意図がない限り、全プレイヤーが2、4,6ドルの利率の良い株券を買いあさることになる
利率の良い株券はほぼほぼ買って損をしないからだ

逆に、9ドルや12ドルの株券はコストパフォーマンスが劣るので、あまり買われない
強く支配できるというメリットがあるが、デメリットもとても大きい

上記の特徴から、どの国も安く支配される
そのため、序盤からアクション権の乗っ取りが生じかねない荒れた場となる

最も留意すべきなのが、自国という概念が推奨ルールよりも希薄となっている点だ
推奨ルールだと、
「9ドル払ってしまっている自国をある程度伸ばさないといけない」

という義務感をプレイヤーは抱いてくれる
9ドルの足かせ、負債はゲームを安定化させる効果を持つ
この負債によって、プレイヤーの基本方針が可視化される
「お前の株券の持ち方からして、こういう意図を普通は持つ、だからこういうことを一緒にやろう」

というような交渉や会話のきっかけがつかみやすくなる

このヴァリアントルールは推奨ルールと比べ、いささか自由度が高すぎる
ゆえに、プレイヤー同士での意図の読み合い・コミュニケーションが困難だ
意図が読めない以上、展開の予想もより困難となる

予想が難しい場では、リスクヘッジ気味にポートフォリオを持つのが無難で強力な選択となる

筆者の考え方:

序盤はあまり何も考えず、利率の高い2,4,6ドルの銘柄を買っていく
マーケットに残っている銘柄は、安いものは思考停止で買ってしまって良いと思われる
ちなみに、もし全員がこの方法を取ると、ゲーム開始時点で6ドル以下の銘柄は全てなくなってしまう

また、推奨ルールよりもひんぱんに投資アクションを踏むよう心掛けている
できるだけ早く手元に15‐20ドルくらいを作るのを目標とする

推奨ルールとこのヴァリアントで、投資アクションの強弱が大きく変わる

推奨ルールでの投資アクションは、序盤にやるのは命取りな、とてもリスクの大きいアクションだ
・その国の拡大が1手遅れる
・国庫から金が抜けて弱体化する
二重の意味で自国を弱くしてしまうからだ

9ドルで買っている場合は、自国がある程度育ってくれないと話にならない
だから投資アクションはプレイヤーにとってリスクが高く映る

このヴァリアントルールだと、支配国を乗っ取られるリスクが高い
よって、自国を伸ばそうとする方がかえってハイリスクな選択となる
確実に資金を得られる投資アクションの方が、相対的にローリスクな選択となる
奇妙な逆転現象が起こっている

15-20ドルを作ってからは中盤だ
そこからは多様な展開が生じる
本命の国を決めて、強く投資する必要がある
状況によってさまざまだし、プレイヤーの数だけ考え方がある
筆者の場合は、基本的に自国の買い足しは狙わず、相手国のコントロール権を奪いに行く
・徴税直前
・コマが多く場に出ている
・国力が相対的に高い(10以上、15以上)
上記の条件を多く満たすほど、乗っ取るメリットが大きくなる

注意点として、あなたが投資アクションを多くやっているなら、他プレイヤーにもある程度キャッシュが入ってしまっている
なので、相手からもまず間違いなく乗っ取りを食らう
そこはもう不可避なものとして覚悟する必要がある
pic935224


〔3〕結語:魅力
交渉、陣取り、資金管理
各要素のバランスが良い

このゲームを楽しむうえで、全要素に秀でる必要はない
たとえば筆者は陣取りが大してうまくないが
交渉と資金管理をしっかりやることで勝利に近づくし、快感が得られる
逆に筆者の同卓者は、交渉や相乗りの曖昧なインタラクションは不得意で、殺るか殺られるかのダイレクトな陣取りがとても上手い
そういうタイプだと、自国株を強く買って買収合戦を拒否すれば、単純な陣取りの駆け引きだけを楽しむこともできる

運要素がゼロなのに、実力者が絶対勝つとも限らない
多人数マルチなのに、直接的な殺し合いがない
キングメーカー問題が生じない
イヤな気分にならない
おおまかな定石はあるのに、絶対的な正解はない

本当に美しく、完成度が高い

pic1027166


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

イメージ 1

クランズオブカレドニアの戦略について以下に記す

【記事作成の経緯】
ここ半年でクランズオブカレドニア(以下クランズ)を20ゲームほどプレイし、蓄積した非言語的な思考の整理をしたくなったため

【目的】
備忘録としての意味合いが強い
時間を置いてプレイする際に「こういう風に打つゲームだったな」と思い出すための個人的な助けとして記載する
また、本記事は予告なく修正/非公開化/削除する可能性がある


【属性】
・プレイ回数は20戦前後、全氏族を2,3回ずつ触った
・点数はだいたい130~170点
・人数は3人>2人>4人
・卓の勝者の得点はだいたい150~170点くらい

【想定している読者】
・クランズを2,3戦やったことはあるが、勝ち方がいまいちわからない
・もっとうまくなりたい

【想定していない読者】
・クランズは未プレイ
 →攻略記事なので不適と思われる

・150点くらいは余裕で取れる
 →たぶん筆者よりお強いので、おそらく読んでも得るものがあまりない


【構成】
(A)共通の考え方(総論)
(1)2種のアクション
(2)1,2ラウンド目
(3)3種の資源
(4)初期配置
(5)港タイル
(6)接続数
(7)3ラウンド目
(8)4、5ラウンド目
(9)加工系出し切りガチャ
(10)勝利点タイル

(B)氏族の選び方(各論)
(1)牛乳マン
(2)加工マン
(3)漁師マン
(4)ホップマン
(5)ウイスキーマン
(6)商人マン
(7)三角州マン
(8)3人マン
(9)契約タイルダブルマン


――――

イメージ 2


Clans of Caledonia (2017)
Designer Juma Al-JouJou
Artist Klemens Franz
Publisher Karma Games + 8 more
See Full Credits


(A)共通の考え方(総論)

(1)2種のアクション
このゲームは全部で8アクションから好きなアクションをやっていくゲームだ
アクションはおおまかに3通りに分かれる
 ・土地の拡大(生産能力の向上)
 ・契約の達成(勝利点の獲得)
 ・調整(道具の改良)

ここでは調整アクションは取り上げず、このゲームのアクションをエンジン/勝利点の2つに大別して捉える
構造としては、ドミニオンとおおまかに似ている
基本的に、
・序盤はエンジン重視=土地の拡大
・後半は勝利点化=契約の達成
これにつきる
以下、全5ラウンドを序盤・中盤・終盤に分けて論じる

イメージ 3
クランズは5ラウンドのゲーム
テラミスティカもガイアも6ラウンドであるが、5ラウンドはちょうど良い長さであると感じる
やりたいことはおおむねやれたけど、もうちょっとやりたかった、というくらいの

(2)1,2ラウンド目
土地の拡大だけをやればいい
ゲーム開始時にもらっている資源は全部売ってもいい
とにかく1つでも多くコマを出そう
出しさえすれば、最終的に大きな利益になる

契約タイル:
安いコストのものを取りたい
理想としては、肉以外の契約で第2ラウンド開始時に1個目を達成できると良いペース
第3ラウンド開始時での達成でも決して遅くはない
「あと1個で契約が達成できる」というような場合、どうしても資源を買いたくなるが、序盤の資源購入は基本的に悪手
特に第1~2ラウンドはやらない方が無難だ(氏族によって例外はある)

筆者の指針をまとめると、
・開始時の契約タイルはできるだけ低コストに
・第1ラウンドに生産する資源は取った契約タイルに合わせて
・早ければ2ラウンド目のはじめ、遅くとも3ラウンド目のはじめに契約達成

契約タイル達成に走るのは4,5ラウンド目から
早くとも3ラウンド目からでいい
それまではエンジンの構築に専念したい


(3)3種の資源
エンジンといってもいくつか資源がある

契約タイルに書かれている資源以外は、何を生産するべきか
それを以下に記す
クランズにおける資源は、
現金、羊毛、牛乳、チーズ、パン、小麦、ウイスキー
と実に7種ある
初見だと面食らうかもしれないが、あまり複雑なゲームではない

生産手段に着目して、
・チーズ系(牛乳/チーズ)
・麦系(小麦/パン/ウイスキー)
・現金系(森マン/山マン)

の3種に分けることができる
氏族によって、「麦系の生産は得意だが、それ以外はいまいち」といったように得意/不得意がある
基本は、その氏族が得意な資源に特化して生産を行った方が良い
ただ、羊(羊毛)のみは例外で、これが得意と言える氏族はほぼない
また、氏族によっては、全種類をまんべんなく作る方が立ち回りやすいものもある
そのあたりは各論で詳しく触れる

あとは、相手氏族と特化させるものをかぶらせないことがとても重要である
相手とかぶらないように、相手があまり作っていない資源を優先して作るのはとても大事だ
もし複数プレイヤーが同じ資源を作りまくると、市場価格が暴落して、双方が損をする

例:
相手プレイヤーがウイスキー特化で来る場合
ウイスキーはたいてい3~4ラウンド目には底値となる
また、盤面にはウイスキーマンのウイスキーコマが多く並ぶ
この状況では、ウイスキーは隣接ボーナスを用いて買うようにすると、利益を最大化できる

具体的な計算:
底値のウイスキーと岩マンの比較:
ウイスキーの底値=6~7金
改良された岩マン=8金収入
コマを出すためのコスト:
1ウイスキー=麦コマ1/2個+ウイスキーコマ1個=10+11=21金程度
1改良岩マン=岩マン1人+改良1/4回=12+2.5=14金程度


上は一例で、どんな資源であろうと、大量生産するものがかぶると動きづらい
現金でもそれは同じで、山マン特化が2人以上出てくると、買いアクションがたくさん行われる
そのせいで全体的に資源の物価が上がってしまい、買いアクションを打ちにくくなる
逆に、その他資源を生産しているプレイヤーは動きやすくなる


まとめなおすと以下
・その氏族が得意としている資源を生産しよう
・相手が量産しそうな資源は避けよう

もし迷ったら、契約タイル置き場にあるタイルをみて、必要数が多い資源を作ろう

イメージ 4


(4)初期配置
猛烈に話が前後するが、ゲーム開始時の配置についてもいくらか記す
おおざっぱに論じると、ゲームマップの
・まんなか
・はしっこ
の2択となる

以下の条件に多く合致している場所ほど良い土地といえる

・港から近い (はしっこ)
・相手に封鎖されにくい (まんなか)
・隣接ボーナスが欲しい (まんなか)
・接続数を伸ばしやすい (まんなか)
・安い土地が多い (まんなか)

「港を取りたい」という理由のみがはしっこ派で、あとはまんなか派である
これについては相手の出方による部分も大きく、なんとも言い難い
はしに寄せすぎると身動きがとりづらい
かといって港タイルはとても強力なので、できればいくつか序盤に取れるようにしたい
筆者は「1個は港タイルを取るために少しはしっこに寄せて、もう1個は気持ちまんなかで広く取る」という折衷的な置き方をすることが多い


(5)港タイルについて
とても強力だ
タイルにもよるが、だいたい10金分程度の価値を持っている
例外はあるが、基本は早いラウンドで取ってしまいたい
第1ラウンドのうちに取れるとベストだ
はじめから55金よりも多くもった状態でゲームを始めることができる

この手のゲームでスタート時の資金が多いことは、この上なく有利に働く
どれだけ有利であるかを、以下に記す(関心ない場合飛ばし読み推奨)

【複利のゲーム】
クランズやテラフォなどの拡大再生産のゲームは、複利のゲーム
クランズは開始時の資本金×1.4程度
テラフォは資本金×1.1程度
一定の倍率で複利を毎ラウンド蓄積していく
たとえばクランズの森マンは7~8コストで、毎ターン4金が湧く
8コストで4金収入を得る=×1.5 の複利
テラフォの温度上昇の標準プロジェクト=14金で1収入得る=1.07 の複利
(テラフォの場合、カードはほぼ例外なく標準プロジェクトよりコスパが良い
×1.1~1.2程度の複利となるように設計されている)
クランズは5ラウンドのゲームなので倍率がとても高く、テラフォはやや倍率が低い
とはいえ、構造は同じだ
港タイルは額面上10金価値にすぎないが第1ラウンドに取れると最終的に20金分以上の価値を持つ


(6)接続数について
港タイルは序盤のキモだが、接続数も無視できない
中盤までには接続数を増やしておきたい
氏族と盤面にもよるが、1,2船舶輸送力は必須だろう
2,3ラウンド目までに5~6接続くらいは最低限取りたい
それくらい増やせていると、1位は無理であっても、中位に食い込むことは十分できる
終盤は基本的に契約タイルの履行を優先するべきだが、半端にお金が余った場合は、接続数を増やすことにお金を使うと良い

(7)3ラウンド目
これまでは1~2ラウンド目に考えることを中心にみてきた
第3ラウンドは転換点だ
ここからはコマは基本的に出さない
ただし、基本系(牛・小麦畑)と加工系(チーズ・パン・ウイスキー工場)の数を同じにしておくのは大事だ
そういう細かい調整のためであれば、第3ラウンドであっても1個か2個はコマを出しても良い
とはいえ収穫はあと3回しかなく、最後の収穫物は契約に使えない
実質2.5回程度しか収穫はないと考えるべきだろう
ここから先は契約タイルの履行に専念するべきであり、足りない資源は作るのでなく、買うと良い


(8)4、5ラウンド目
最後の2ラウンドは契約の時間だ
契約に関係のないアクションは一切行わない
それくらい割り切って動こう

契約タイルは、自分の作った資源を要求するものを最優先に
ただし、もしコットン、シュガー、タバコのどれかが高騰しているなら、多少手をゆがめてでもそれを取りに行くのもいい
このあたりは状況による
ギリギリを攻めると、相手の動きによって達成が難しくなる
いくらか余裕を持たせて契約履行を狙うと事故りにくい

(9)加工系出し切りガチャについて
加工系のコマを4つ出し切ると、契約タイルをランダム引きして確保することができる
筆者らはガチャと呼んでいる
狙えるなら狙っていくと良いと思われる
運要素がとても強いので軽視されがちだが、勝敗を決することも少なくない重要なボーナスだ
タイミングとしては、場の契約タイルが減ったラウンド終盤などに狙うと良い

(10)毎ラウンドの勝利点タイルについて
ガイア/テラミスティカと同じく、毎ラウンド、勝利点を得るための条件が開示されている
もし150点取るとしたら、勝利点タイルで得られる点は1ゲーム中30点程度
100点近くを契約タイルが占める
勝利点タイルはたいして重要ではない
すごくおおざっぱな私感だが、勝利点タイルはテラミ:ガイア:クランズで7:6:3くらい重要度は下がってきていると感じる
ただし、後述する氏族を選ぶときにはある程度参考となる
「ワーカー数の条件があるから、現金特化しやすいこの氏族を選ぼう」といったように

イメージ 5


(B)氏族の選び方

これまでが総論
後半は、各9氏族を、以下の小項目にわけて記していく

効果
・タイプ (現金系/チーズ系/小麦系)
・合う港タイル
・合う勝利点タイル
・基本の動き
・評価

(1)牛乳マン/Clan Cunningham
イメージ 6

効果:収穫フェイズで、牛乳1個を8金で売却しても良い(上限なし)
タイプ:現金系
港タイル:基本資源1個を捨て、3個を得る
勝利点タイル:特になし

基本の動き:
1ラウンド目は何も考えずに4牛を出す
チーズ工場は建てない
牛乳は2~3金であれば買っても良いが、買ってまで増やすメリットは乏しい
それ以外は、相手が資源系なら岩マンを出し切って現金特化
終盤には毎ラウンド100金近い収入が出てとても楽しいだろう
相手も現金系なら、麦系の資源に寄せよう
どんな場合でもチーズをけっこうな数買う必要があるので、商人コマは4~5個は必要になるだろう

評価:
強さ:★★★★☆
使いやすさ:★★★☆☆
好み:★☆☆☆☆
安定した強さはある
個人的にはあまり好みではない
単純に強いが、手の自由度が低い
「自分の力で工夫して勝った」という充実感は覚えにくい
初心者に勧めやすいかというと、なんとも言えない
参考までに初プレイの方3名の感想は以下
「イマイチしっくりこない」
「何をするべきなのかはとてもわかりやすかった」
「周りの人から安く牛乳買いまくれて、超気持ちよかった」
チーズ系の契約が達成しづらいというハンデがあったり、牛乳を買うべきかの判断が簡単ではない
初心者に強く推奨できる氏族ではないかも、と感じている

(2)加工マン/Clan Campbell
イメージ 7

効果:加工系のコマを安く出せる
タイプ:チーズ系/小麦系
港タイル:コマの置き替え可能
勝利点タイル:コマ数×1勝利点

基本の動き:
契約タイルをみて麦系かチーズ系かを決めよう
決めた資源を2~3個生産できるようにするのが3ラウンドまでの目標
麦畑や牛コマは値引きされないので出したくないが、序盤はちゃんと出した方が良い中盤からは、小麦や牛乳は隣接ボーナスなどを使って買えるととても良い
加工系出し切りでの契約タイルガチャを引きやすいので、狙っていくと良いかも
港タイルの「コマの置き替え可能」ととても相性が良い
置き換えで牛や羊などを出していきたい

評価:
強さ:★★★☆☆
使いやすさ:★★☆☆☆
好み:★★★☆☆
ある程度のパワーはあるが、安定して高得点を出すのは難しい
港タイルの「コマを置き換え可能」が出ているならかなり積極的に取って良いが、そうでないならちょっと使いづらさが目立つだろう


(3)漁師マン/Clan MacDonald
イメージ 8

効果:ワーカーが漁師となる
タイプ:現金系
港タイル:特になし
勝利点タイル:ワーカー数×2点

基本の動き:
安い土地コストでたくさんワーカーを出せる
漁師コマ同士を隣接させられないのを忘れやすい
ルール上森や山には絶対侵入できないので、途中動きづらくなることがたまにある

1~2ラウンド目は何も考えず、漁師ワーカーを5,6体出してしまってよいだろう
ただし、漁師ワーカーは8体出したとしても32金しか稼げない
序盤のうちにもう1本収入源を確保する必要がある
チーズ/パン/ウイスキーどれでも良いだろう
あとは接続数については、確固たる記述がないが、船舶輸送力でつながっているブロック数で見てよいなら、とても多く確保できる
1位を狙っていくと良い

評価:
強さ:★★★★☆
使いやすさ:★★☆☆☆
好み:★★★★☆
ルール無視系の氏族なので、扱いが少し難しい
ただ、とても事故りにくく、安定して点数は伸びやすい
・港タイルを取るパワーがある
・低コストで32金の安定収入が取れる
・接続数トップを安定して狙える
といった点が理由として挙げられる

(4)ホップマン/Clan MacEwen
イメージ 9

効果:契約履行時、小麦を9金に換えられる(ホップの数だけ、最大3個まで)
タイプ:小麦系
港タイル:契約タイルガチャ
勝利点タイル:特になし

基本の動き:
難しい
最弱候補の一角といって良い氏族だと思われる
場にホップがらみの軽い契約タイルが2,3枚並んでいるなら、選んでもいいのかもしれない
また、契約タイルの回転が良い4人戦がもっとも適しているだろう

1,2ラウンド目で小麦を4個以上つくる体制を作ろう
その後小麦が常に3個くらい余るように、パン工場やウイスキー工場を少し建てる
弱い契約タイルを複数達成していく

評価:
強さ:★☆☆☆☆
使いやすさ:★★★☆☆
好み:★★★★☆
4、5回プレイしたが、安定して150点以上が出せる段階に至っていない
デリケートな運用が求められるわりに、爆発力がないのだ
牛乳マンの下位互換という評価になってしまう

ただ個人的には、この氏族の「工夫をしないと使いこなせない感じ」はとても好きだ
「ビールを作っている」というフレーバーも好ましい
初めての人にインストするときはよく用いる
ホップマンはダウンタイムに思考することが多いので、筆者にとってちょうど良い
現状では評価できないが、拡張タイルなどが入れば伸びる可能性はある

追記:
ホップマンは、最序盤から契約タイルを多く獲得するのに長けた氏族だ
筆者は序盤は契約タイルを無視したやり方を取りがちなので、そのあたりがかみ合っていない可能性がある


(5)ウイスキーマン/Clan MacKenzie
イメージ 10

効果:ウイスキー生産時3金得る ウイスキー熟成可能
タイプ:小麦系
港タイル:上級資源1個を捨て、3個を得る
勝利点タイル:特になし

基本の動き:
1ラウンド2ラウンド目の終わりまでに、4小麦4ウイスキーを生産できるようにしよう
序盤はウイスキーを売っていこう
中盤以降、ウイスキーが底値となったら貯蔵するのもあり

評価:
強さ:★★★☆☆
使いやすさ:★★★☆☆
好み:★★★☆☆
バランスが良い氏族だ
ウイスキーを作ろう
そのために小麦畑も作ろう
作ったウイスキーは売ってもよいし、貯めてもよい
わかりやすく、ほどよく考える要素もある
とても初心者に勧めやすい
フレーバーとしてもスコットランド風であり、わりと好みである
貯蔵に関しては、筆者は我慢があまりできない性格なのでほぼやらない
ただ、貯蔵をする方が最終的な点の伸びにつながることもけっこうあるはず


(6)商人マン/Clan Stewart
イメージ 12

効果:商人コマ5個+船舶輸送力1でゲームを開始。売買するごとに1金を得る。
タイプ:バランス
港タイル:特になし
勝利点タイル:特になし

基本の動き:
とにかく多種のコマを置こう
この氏族以外の全氏族は、何かしらに特化させないと点が伸びないが、商人マンに限って言うと、全資源をバランスよく作ることが勝利につながる
たとえば1羊、2ウシ、1チーズ、2小麦、1パン、1ウイスキー
みたいなかたちで2ラウンド目の終わりを迎えられると理想的だ
序盤は作った資源は1個ずつ売って、お金を稼ごう
中盤からは状況をみながら、安い資源を買って契約タイルを履行していきたい


評価:
強さ:★★★★★
使いやすさ:★★★☆☆
好み:★★★★☆
ポテンシャルは高いが、強みを十分に活かすのは少し難しい氏族だ
メリットがわかりやすい氏族なので、初心者に渡したくなるが、初プレイの人にはちょっと使いにくいかもしれない
商品の売り買いよりも土地の拡大の方がクランズでは重要だ
この氏族を持っていると「商品を安く買える」ことに気を取られ、序盤から商品をたくさん買ってしまいかねない
商人マンよりは、土地拡大にアシストがついたウイスキーマンや三角州マンを勧めた方がクランズの魅力をわかってもらいやすいと筆者は考える
個人的な好みとしては、とても好ましく思っている
商人マンを使いこなすには商品の売買に長ける必要がある
隣接ボーナスや契約タイルなど、多くの要素に習熟すると、高く点を伸ばすことができる

(7)三角州マン/Clan Robertson
イメージ 13

効果:三角州の拡大コスト‐3 (2人戦だと‐2)
タイプ:チーズ系
港タイル:特になし
勝利点タイル:特になし

基本の動き:
この氏族とホップマンに限ってのみ、最序盤に1~2枚契約タイルを達成しに行くのもアリだ
肉中心の安い契約タイルがあれば、積極的に達成しに行こう
三角州に牛や羊を置いて、屠殺して、を繰り返すと良い
牛を自然と出すことになるので中盤以降はチーズ系に向かいやすいが、小麦や岩マンを建てるのも全然あり
ただ、三角州を肉系以外に使っても大きく損するわけではない
トータルで20金くらいの恩恵を得られることが多い

評価:
強さ:★★★☆☆
使いやすさ:★★★★★
好み:★☆☆☆☆
三角州マンを真に活かすには、序盤に契約タイルを達成しに行く必要がある
ただ、前半じっくり→後半スパートの本記事型のスタイルでも、ちゃんと伸びてくれる
メリットがとてもわかりやすく、効果も発揮させやすい
また、三角州を増やす関係で、自然と接続数も伸びる
初心者にとても勧めやすい氏族だ

(8)3人マン/Clan Fergusson
イメージ 11

効果:スタート時ワーカーを3体配置する。
タイプ:現金系
港タイル:現金など
勝利点タイル:はしっこのコマ、ワーカー数×2点

基本の動き:
4人戦で真価を発揮する氏族だ
陣取りがシビアな卓では真価を発揮するだろう
だいたい1~2港を自分だけで独占することができる
港は前述したように、序盤の加速力に直結するので、相手に使わせないのはとても強い
接続数も増やしやすい
ただ、他の氏族と違って拡大再生産のアシストはついていない
現金/チーズ/小麦のどの方向に行くかは、自分で決めていく必要がある

評価:
強さ:★★★★☆
使いやすさ:★★★☆☆
好み:★★★★★
・勝利点タイルがはしっこのコマのものが出る
・使いやすい港タイルが多く出る
・4人戦
上記条件を多く満たしていれば、取りに行って良いと思われる
長所を活かすと、コントロール/ロック系の動きになる
地味だが筆者はとても好きだ

(9)契約タイルダブルマン
イメージ 14

効果:契約タイルを2枚確保できる。
タイプ:とくになし
港タイル:契約タイルガチャ
勝利点タイル:とくになし

基本の動き:
上振れが大きい
タイルのめくれによって大きく左右される
ハマれば強く、伸びるときはとても伸びる
理想と考える流れは以下
・第1ラウンドで2枚確保
・第4ラウンド開始時までに最初の2枚を達成
・第4&5ラウンドで3回ダブル取りをやる
 →8枚契約でフィニッシュ
とにかく序盤は焦らないのが大事だ
全氏族のなかでもっともスロースターターであると筆者は考える
最終的に8枚契約できれば、150~170点は出せる
加工系出し切りガチャも狙えるなら狙っていきたい
資源はバランスよく作るのが無難だが、ガチャのためにチーズ/パン/ウイスキーのどれかに思い切って寄せてしまうのもあり


評価:
強さ:★★★☆☆
使いやすさ:★☆☆☆☆
好み:★★★★★
考える要素がとても多く、終盤に一気にスパートを駆けるタイプ
筆者の好みである
港タイルの契約タイルガチャととても相性が良く、そのタイルがあるなら選ぶ価値は十分ある

――――

イメージ 15

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コンコルディアの戦略覚書を記す

イメージ 1


(0)記事作成の経緯/想定している読者
(1)勝ち方
(2)エンドトリガーの引き方
(3)3つの基準
(4)序盤(1~2サイクル目)
(5)中盤(2~4サイクル目)
(6)終盤(5サイクル目~)
(7)後記


(0)記事作成の経緯/想定している読者
コンコルディアはとても楽しい中量級ゲームだ
筆者はインペリアルカヴェルナクランズオブカレドニアがとても好きなのだが、それらはやや重い
1日に2回も3回もやるのは時間・体力的にちょっとキツい
思考の長距離走やトライアスロンと形容できる
それと比較してコンコルディアは少し軽めだ
思考の中距離走と言ってもよい
1プレイは慣れれば90分程度と、あまり長くないわりに、ゲームを終えたときの満足感はかなり高い
勝った際は「逃げ切った、やり切った」と思える
逆に、追いつけずに負けた際は「もうちょっとやれることがあった、もう少し長くやりたかった」と思える
初期セットアップ、カードのめくれも適度にランダムであることも相まって、リプレイ性はとても高い

イメージ 2
プレイ人数が増えるほど不確定要素が増え、豊かな展開が生まれる

けっこうな回数プレイして、
「こういう指針を立ててプレイすると楽だ
余分な思考スペースを使わずさくさくやれる
疲れないで走れるぞ」
というコツみたいなものを得た
ゲームの構造についておおまかな理解を得た
本記事は
・長考や思考疲れが気になる
・コンコルディアを手軽に何回も回したい
というプレイヤーにとっては有用であると考える
コンコルディアという中長距離走を無理のないペースで楽に行うためのコツを言語化し、記録しておくのが本記事の目的である

また、記事後半では
・どういった部分が、なぜ面白いと感じられるのか
・コンコルディア拡張マップ群の作られ方
などについていくらかの考察を加える
なお、筆者は4~5人戦のプレイ経験がとても少ないため、本記事では2~3人戦にしぼって記載する
プレイ人数によって戦略の強弱が大きく変わるゲームだと筆者は理解している

こういう人にはお勧め:
・コンコルディアでの勝率を上げたい
・もっと手軽に何回も回したい
・ゲームの構造や設計に興味がある

こういう人には勧めにくい:
・プレイしたことがなく、単にルールを知りたい
・攻略の方法は自分で考えたい
・競技レベルでゲームを追求している


※用語
拠点=プレイヤーが属州に置くコマ
1サイクル=護民官を打って手札を回収するまでの5~8アクション程度のひとつの流れ
※サルサ拡張については本記事では取り扱わない
※以下の記事を参考とした


イメージ 3


―――――

イメージ 4

Concordia(2013)
Designer Mac Gerdts
Artist Marina Fahrenbach, Mac Gerdts, Dominik Mayer
Publisher PD-Verlag + 12 more


(1)勝ち方
コンコルディアはターン制でなく、トリガー制のゲームだ
2つある条件のどちらかが満たされるとゲームが終わる
規定ターンは存在しないが、2~3人戦ではだいたい20~30ターンくらいでゲームが終わることが多い
トリガーを引くとタダでコンコルディアカードという7勝利点のカードがもらえる
とても良いカードだ
またトリガーを引いたプレイヤーは、たいていの場合資源を使い切った状態でゲームを終えることができる
最も得点効率の良いタイミングと言って良い
エンドトリガーを自分で引きに行く
これを大目標とするべきだ
ただし、エンドトリガーを引けば必ず勝てるとは限らない
とはいえ、もし相手に楽にトリガーを引かれてしまうとまず勝てない
相手にもしトリガーを引かせるとしても、
「ほんとはこのタイミングではまだ終わらせたくない、もっとカード買いたかった、資源が無駄に余ってしまった」
というようなちょっと嫌なタイミングで引かせる必要がある

イメージ 5
終盤ではトリガーを引くタイミングの奪い合い・駆け引きがしばしば生じる

(2)トリガーの引き方
先行逃げ切りを狙うのがもっとも手堅い
コンコルディアは相手の邪魔はあまりできないゲームだ
リソース管理の巧拙を競うレースゲームと言ってもよい
もし序盤~中盤に独走を許してしまうと、多くの場合そのまま走り抜けられてしまう
裏を返せば、独走態勢を一度つくってしてしまえばそう簡単に止められることはない
デザイナーのゲルツは意図して潰しあいや妨害ができないようなゲーム設計にしている

エンドトリガーとは、
・15拠点を建てきる
・カードを買いきる
のどちらかだ
ここでは15拠点を目指す戦略を記す

【カード購入のトリガーの難しさについて】
カードでのトリガーは、少なくとも2~3人戦では積極的に狙いに行くべきではないと筆者は考える
不確定要素が多すぎるからだ
やや余談となるが以下に記す
まず、過半数のプレイヤーがカード買いに走らないとカードがめくれきるようなことにならない
2~4人戦だと、最低2人以上のプレイヤーで協力して精力的にカードを買い集める必要がある
1人だけカードを買いまくったとしても、トリガーはまず引けない
さらに、最終局面の残りカードが3~4枚になると、ほぼ間違いなく場が膠着する
「これ、誰にトリガーを引かせるんだ…?」というカードを買わない我慢比べが始まってしまう
以上の点から、カード買い切りのトリガーはとても安定しづらい

※4,5人戦の場合
1人あたりのカード枚数が減る
また、マップの1人あたりの拠点数も減る
拠点を建てるコストは増え、逆にトリガーまでのカード枚数が少なくなる
その場合は、15拠点建て切りよりも、カードが先に枯れる可能性がある

2~3人戦の場合は、基本的には15拠点の建てきりを目指していく方が容易だ
相手や状況に左右されず、勝ちを目指すことができる
この記事では、
都市数を15拠点にまで増やし、早期決着を目指す
これを先行逃げ切り型とよび、この戦略について詳述する



(3)3つの基準
コンコルディアは全員が同じアクション数を持つ
アクションによって手元に資源を集め、変換し、消費する
1アクションあたりの効率やパワーを高めていくゲームだ
アクションの種類は以下の3つに大別できる

・生産=長官とMINERVA系
・調整=商人
・消費=元老院、建築家

筆者は、
・生産=いちどに15金分以上稼ぐ
・調整=自分の生産しにくい資源を2資源以上手に入れる
・消費=いちどに4資源以上使う (2~3拠点ORカード2枚)


この3つの基準を持っている
中盤以降に3基準を満たして行動しつづけられたなら、もし相手に勝てなかったとしてもOK、よくやった
筆者はそういう風な、自分との戦いのようにこのゲームを捉えている

以下、序盤、中盤、終盤に分けて各論的に考えを言語化していく


(4)序盤(1~2サイクル目)

①全体の目標
中盤以降には上の3基準を満たしたい
そのための足固めが序盤だ
3基準を満たす上でのボトルネックは生産
逆に生産さえできれば、消費と調整はプレイヤーがきちんとできさえすれば、まあどうにかなる
さしあたって生産能力の向上が喫緊の目標となる
1アクション15金分以上の生産能力を、序盤のうちに用意する必要がある
15金以上というと、絹+絹+何か
とにかく、自分が強く生産できる属州を最低2個は確保したい


②拠点をどこに建てるか
第1アクションは建築家か、先手番が建築家を打ったなら外交官を打つと良い
もしスタート地点から2マス圏内に絹都市があるなら、思考停止でそこを取って良い
最善であるかは状況によるが、低くとも80点くらいの正解であると思われる
1拠点だけでもOKだが、もしレンガ都市の2拠点を取れると最高に理想的だ
もし絹がない場合、最低でもワイン都市を確保したい
それもできない場合はなんでもいいから2拠点つくろう

2アクション目は長官で、今拠点を建てた属州の資源を取ると良い
もし他プレイヤーに自分がやりたい属州を選ばれたら、他の絹かワインのある属州を選ぶとよいだろう

③商人アクション
3アクション目はたいていの場合商人アクションとなる
本記事の15拠点建設型のプレイングの場合、
ワインはバンバン売る
レンガを買う
という動きになる
売るために必要なワインを作りたい
また、多種類買うのがかなり難しいので、レンガのどちらかも作って行きたい
基本的にこのゲームでは、いつも何かしらの資源は不足する
資源5種あるうちの2,3種しか生産できない上に、2種しか売り買いできないからだ


④他人の相乗りについての考え方
長官を打つと、属州にある全プレイヤーの拠点から資源が得られる
相乗りのインタラクションがここにはある
しかし、それはコンコルディアの醍醐味ではない
2~3人戦においてはそのウェイトはとても低く、相乗り要素はほぼ無視しても良い

まず、相手に相乗りされた場合
「相手プレイヤーに資源が入るとちょっとイヤだなあ、長官打ちたくないなあ」と思えなくもないが、それよりも「自分が15金分以上の生産ができているか」だけをみるべきだ
できているなら思考停止で長官を打ってしまってよい
(ただし2人戦に限っては、相手と自分の得る利益の差を重くみるべき)

逆に、他プレイヤーが強く支配している属州に相乗りするべきか
それは状況による
相乗りのメリットは、
・アクションを打たずに1資源をもらえる
デメリットは
・もらうタイミングが相手依存となる

コントロール不能な不確定要素が増える
おまけとして考えるのはとても良いが、戦略の中心に組み込む価値はないと筆者は考える

イメージ 6
4人戦のガリアマップ
4~5人戦ではマップが手狭であり、意図せずとも相手との相乗りが常に生じる


⑤長官の活性化アクションについての考え方
長官によって全エリアをactiveにすると、ボーナスで何金かがもらえる
これについても悩んでしまいやすい部分だが、以下のように考えるととても楽である
「自分が今後15金分以上生産できなくなるようならすぐに活性化する
そうでないなら、活性化アクションが15金程度の価値を持つまで活性化はしない」

もし自分の強く支配している属州がなくなれば、10金程度で打ってしまって全然OKだ
8金だとちょっと弱いかもしれない
未使用の強い属州がまだ残っているなら、急いで活性化アクションを打つ理由がない

これも、
「相手に活性化を打たれると損かも」
「むしろ、自分が活性化を打たされたから損したのか」
というような掘り下げはしなくて良いと思われる

おそらくコンコルディアはそういうたぐいのゲームではない
基本的には、わざと相手の邪魔をしても勝ちが狙えるゲームではない
「自分が毎アクション15金分以上生産しつづけるにはどうしたらいいか」
それだけを見ていれば良い

⑥先手番・後手番についての考え方
先行逃げ切り型を狙う場合、筆者の体感では2~3人戦では2番手がもっとも動きやすい

【2番手の場合】

①外交官で先手番の建築家をコピーし、2拠点建設
②長官で資源獲得
③商人で資源調整
④建築家でもう2拠点建設
⑤長官で資源獲得
⑥護民官OR元老院議員
という流れを取りやすい
全てのアクションを3基準を満たしながら行い、かつワーカーを出しながら護民官を打つこともでき得る

この1サイクルで2回建築家を打ち、4拠点建てられるととても理想的だ

【1番手を取ってしまった場合のケア】
初手建築家は自分で打たないといけない
もし1サイクルで2回建築家を打ちたい場合、相手の建築家をコピーして外交官で打つ必要がある
この2回目がいつ打てるかがちょっと安定しない
相手が建築家を打ってくれるのは、最速でおそらく4ターン目になる
自分は先手なので、5手番目でコピーするとしたら、

①建築家
②長官
③商人
④?
⑤外交官(建築家コピー)

と4アクション目の一手が余ってしまう計算になる
この一手が難しい
3基準を満たしたアクションを行うのはかなり難しく、何かしら妥協する必要がある
以下のような選択肢がある

・自分の拠点がない属州で長官アクション
・農夫や石工などのキーカード(詳細後述)を先に取るために元老院アクション
・いっそ護民官アクションで早期に3ワーカー目を出す

など、動き方が分岐していく
絶対的な正解はおそらくない
状況や他プレイヤーの意図に合わせていく必要がある

⑦カード購入のタイミング
元老院議員アクションをいつ打つべきか
基本的に、第1サイクルは元老院を打たなくてもOKと思われる
だいたい5~6拠点くらいつくると生産能力が安定してくる
それまではただ盤面のことだけを考えればよい
それ以降は、拠点を増やしても生産能力は頭打ちで、勝利点行動をみる余裕が出てくる
生産力が安定したあとで、余力をカード購入に回していくと良い


ただし例外はあり、元老院で最序盤に優先して買ってもよいカードもある
農夫石工
マップの広さや、都市の配置にもよるのだが、これらは手をゆがめてでも先に確保して良いとても強いカードだ

※参考
農夫
コスト 食料+レンガ
効果:自分の食料都市数×1の食料を得る
勝利点:自分の食料都市数×3点
石工
コスト 食料
効果:自分のレンガ都市数×1のレンガを得る
勝利点:自分のレンガ都市数×3点

先行逃げ切り型と農夫石工はとても相性が良い
食料都市とレンガ都市は配置コストの安さから建てやすいからだ
あまり工夫せずにカード1枚で12~18勝利点程度出せることも多い
雑な強さがある
もし初期の売り場に追加コストなしで並んでいる場合は、他プレイヤーの狙いにもよるが、ある程度手をゆがめてでも買いに走るのはアリだ
ただ、第1サイクルで元老院を打つと拠点の展開が遅れて、序盤どうしても失速してしまう
序盤に後手に回ると中盤の盤面を取る力も弱まり、ひいては終盤のトリガーレースにも影を落としかねない
そのあたりの兼ね合いはとても難しく、こうすべきという明確な答えを筆者は持っていない
あとは、広いマップであるほど、レンガ都市と食料都市数の割合が少し増えるというのも覚えておいてもいいかもしれない
広いマップでは、農夫と石工が相対強化される
詳細は記事後半の拡張マップについての考察で記す


(5)中盤(2~4サイクル目)

①拠点数トップの維持
中盤以降は、相手プレイヤーの残り拠点数を常に確認する
自分がいちばん多く出しているという状態をキープしたい
前半は2~3個の属州に固め置きして生産力を高めていたが、中盤以降はそういったことはあまり気にしなくて良い
とにかく低コストで買えるマスに適宜配置する感じで良いと思われる

②カード購入
ここからは拠点のバラまきと同じくらい、カード購入のウェイトが大きくなってくる
どのカードを買うべきか
おおざっぱに言って五十歩百歩だ
中盤以降にカードを買うときは、「最終的に10勝利点以上になってくれそうか」だけを考えればよい
手持ち資源で10点価値のカードが2枚買えるなら元老院は積極的に打っていく
12点など、高得点はいらない
先行逃げ切り型の場合、とにかく1アクションの効率を高めた状態で回すので手一杯で、カード購入の良し悪しにまで頭が回らないことが多い
2枚合わせて20点あれば理想的だが、場合によっては15点程度の組み合わせでも、まあ買ってしまってよいだろう


余力があるのでカードについて多少掘り下げる
コンコルディアでは一般的に、
マルス/MARS/植民官
メルクリウス/MERCURIUS/5金商人
が手堅く強力であるとされている

一般にRedditやBGGでよく言われるメルクリウス、マルス、その他カードの特徴を以下に列記するので、適宜取捨選択されて参考にされても良いかもしれない

メルクリウス/5金商人:
・安定して10点が出る
・コストが高くない(1ワイン)
・5金商人というアクションが結構強い
・外交官で積極的にパクっていきたい

マルス/入植者
・1麦というとても安いコストは魅力
・あまり手間を要さずに最大12点出せるのは強い
・先行逃げ切り型の場合、だいたい4~5人で1枚8~10点で終わることが多いかも
・5金+ワーカー数分のお金を獲得 というカード効果も地味に使いどころがある
・3人戦以上でマルス特化狙いの相手プレイヤーがマルスカードを3,4枚と多く集めようとしている場合は、1~2枚は積極的にカットしていきたい


建築家/JUPITER
序盤に1枚建築家を持てると、相手に左右されずに1サイクルで2回建築家を打つことができる
とても動きやすい
ただ、JUPITERの勝利点は先行逃げ切り型と大して相性が良くない(レンガ都市を多く作るので)
とはいえ、安く取れるなら積極的に取って良いカードだ

外交官/長官/SATURNUS
カード効果は強くも弱くもない
サテュルヌスの得点はマップの大きさにもよるが、15拠点建て切る場合は10点前後出せることがほとんどだ
先行逃げ切り型との相性はとても良い
安く取れるならあまり考えず取ってしまってよいと思われる

農夫・石工以外のMINERVAカード
染め手ができそうなのであれば取りに行くのはあり
10点出せるなら取って良い
15点くらい出るなら追加コストを払ってでも取りに行って良い
特に絹系の織屋はとても相性が良い
ちょっと頑張れば15点が出せ得る強力なカードだ
2人戦なら織屋が買えるところに来る前にゲームが終わる可能性もけっこう高い
3人戦でも相手プレイヤーによるところが大きい
戦略の中心に入れるのではなく、買えそうなら買う、くらいの位置づけとなる

執政官/JUPITER
活きるのはカードの競合が起きやすい4~5人戦だろう
2~3人戦では激しいカードの奪い合いは起きづらく、執政官を有効活用できる場面はあまりないように思われる

③護民官と総ワーカー数について
あまり思考がまとまっていないが、持っている指針を列記する

・第1サイクル終了時の護民官でできればワーカーを出したい
(移動力が2と3では大違いで、2移動力では2拠点建設が危うい)
・最終まで最低3人いればどうにかなる
4人はとても理想的
・うまく回るなら5人出しちゃっても良い
・6人は出しすぎかも
・ただし、たまたまマルスを2枚以上取れている場合などは6人を狙ってもよい

④出すべきは船か人か
人は1個の属州を占有する能力に長けている
強い属州を作るためには不可欠だ
序盤は人から出すと良い

反対に、船は少ない歩数で複数の属州に移動し得る
船が多いと「空いているマスに1個だけ置く」みたいな中盤以降にやりたいムーブがやりやすい
船は中盤以降に増やすと良い


イメージ 9

船か入植者のどちらかがとても強い、というようなマップはあまりない
むしろ、相手が入植者を増やしているなら自分は船、という風に競合を避けた方が効率の良いマネジメントができるかもしれない


(6)終盤 5サイクル目~

まとまった考え方や明確な指針を持っていない
筆者は終盤のヨセがあまり上手くない
たぶん本当は
・相手の取ったカードをカウンティングする
・おおよその粗点を計算する
・勝ちが固そうならトリガーを引きに行く
・点数的に厳しそうならカード購入を優先する

といろいろやるべきなのだが、そこまで読むことはできないし、また長考してまで勝ちにこだわるプレイヤーでもない
一般論だが、相手が資源を生産した直後に自分が資源を使い切ってトリガーを引きたい
そうすると、一番点数の差が大きい状態でゲームを終えられる可能性が高い


(7)後記

以下、いくつかの考えをまとめておく

①プレイ人数とカードデッキについて

筆者は「勝利点10点以上あればどのカードを取ろうがだいたい変わらない」と考えているが、それは2~3人戦が主であるからだと思われる
2~3人戦の場合、各種のカード枚数が少ないので、特化型の戦略があまり機能しないのだ
反対に4~5人戦の場合、頑張れば「マルスを5枚手札に集めて60点取る」みたいなこともできるようになる

大人数でのゲームでは、カード購入の戦略性はさらに増すと思われる

参考データ:枚数と1人あたりの枚数
2人戦=15枚 7.5枚/人
3人戦=21枚 7枚/人
4人戦=26枚 6.5枚/人
5人戦=30枚 6枚/人


②1年前とくらべての個人的な評価の変化
1年前はかなり低く評価していたが、現時点ではとても高く評価している
それについていくらか掘り下げる
上記『対談レビュー:コンコルディア』において、昨年筆者は本作品をとても低く評価している
自分の書いた記事の振り返りは、気が滅入ったり恥じ入ることが多いので普段はあまりしないのだが、ここでは例外的に再度取り扱う
上記記事をサマライズすると以下のような主張を行っていた

対人インタラクションが減っている(特にインペリアルと比較して)
・相手プレイヤーと駆け引きしている感がない
・勝利点がどう取れているかが明白でなく、直感的でない
・ゲーム全体の盛り上がりに欠ける

総じていうと、今では見立てが悪いと考えている
拙記事は内容に誤りはないものの、視点がまったく適切でなかったと評価している
コンコルディアはレースゲーム
・どれだけリソース管理を巧くやれるか
・誰がいちばん早くエンドトリガーに指をかけられるか
そういった技巧を競い合うゲームだ
筆者はゲルツの最高傑作はいまでもインペリアルだと考えるが、コンコルディアには別な魅力がある

90分で終わり、十分な満足が得られる
インストも難しくない
トップは逃げ切れた満足感を得る
下位プレイヤーも「もう少しやりたいことがあった、今からちょうど良いところだったのに」と肯定的な気持ちで終わりを迎えられる
とても扱いやすい中量級だ
スプレンダーやセンチュリーがしっくり来た人に「少し重いのはどうだろう」と水を向けるときにとても適している
リプレイ性も低くない
各拡張マップの没入性もとても高い


③拡張マップの構造について
各拡張マップの都市数を微妙に変えるために、都市タイルをA~Dという4種に分けている
小さいマップはB,C,D、大きいマップはA,B,Cという風に、使い分けている
基本を出したときに、すでに多種の拡張を出せる余地を持たせていたのだろう
とてもうまい設計だと感じている
ゲルツのインタビューでは、
「最初から拡張マップの案はあった
幸いコンコルディアが評価されて、多数の賞を受賞したので、翌年から各種拡張の制作に手を付け始めた」
という旨の発言があった

参考データ:都市数と種別
A:7枚 基本5枚+レンガ+食料
B:8枚 基本5枚+レンガ+食料+道具
C:10枚 基本5枚+レンガ+レンガ+食料+道具+ワイン
D:5枚  基本5枚
イメージ 7
タイルの構成
Cタイルが使われている場合は酒商が16点カードとなる、というのは覚えておいて良いと思われる(ワイン都市が4つとなる)


④拡張マップの個人的な好みなど
2019/5時点で日本で流通しているのは、以下の10マップ
・基本(地中海世界/イタリア半島)
・エジプト/クレタ
・ブリタニア/ガリア
・ゲルマニア/コルシカ
・サルサ拡張(ビザンティウム/ヒスパニア)

マップ拡張については、基本版で面白いと感じる人であれば、買ってまず損はしないと思われる
拡張マップはどれもとても面白く、目新しく、美しいので
筆者はサルサの2マップのみ未プレイだが、個人的には、エジプト/クレタマップの付録のカード売り場のミニ拡張がとても好きだ
既存のカード売り場と差し替えることで、売り場の必要資源を替えることができる
絹織物でなく、ワインを要求するマスが増える
この拡張によってワインの相対価値が多少高まる

またマップでいうと、手狭なものが好みだ
コンコルディアの希薄な対人インタラクションが改善され、とても自分好みの味に近づく
クレタマップとコルシカマップがとても気に入っている

イメージ 8
画像はコルシカマップ


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


その他の技術カードの個別レビュー
イメージ 1
画像はロール・スルー・ジ・エイジズというゲーム
TTAのダイスゲームアレンジ、記事作成者未プレイ
有名ゲームのダイスゲーム化、カードゲーム化っていうのはよくなされますが、これは面白いんでしょうか

ビル・ゲイツ
「640キロバイトあれば、だいたい何をやるにしても十分だ」

総論:
・建物
・政治体制
・青技術
・黄色カード
・イベント
の順に論じる

で、建物カードから


建物はアップグレードしていくわけだけど、
・時代Aのまま行くのではなく、最低1回はアップグレードする

建物の種別にもよるが、
・時代I→時代II というような、1時代分だけのアップグレードは効率が悪いからやらない

というのが考え方の原則になる
以下、それぞれの種別に分けて、
・最も取るべき時代の種別
・取るとしたら何アクション費やすべきか
・ゲームエンドまでどこまでアップグレードするべきか

を論じる

農場系
時代Iの灌漑(かんがい)が一番価値がある
灌漑は2内政アクションは使わない
1アクションでならわりと取る
ただ、他にやるべきアクションがあるなら流す
灌漑を取るくらいなら、個人的には時代IIの交配まで待ちたい

農場には2ユニットだけ置きたい

時代IIのあいだには
・黄トークンの植民地を2トークン分程度
・偉業の「大西洋航路」
・技術の「交配」
のどれかは確保したい
っていうか、どれかはやらないと食料事故が起こる

時代IIIでは、毎ターン1増員できるくらいの余裕を持ちたい
具体的には7~8食料生産を確保できると良い
最低でも2ターンに1度の増員ができるくらいは確保しよう

鉱山系
時代Iの鉄」は最優先で取りたい
ただ、科学点5点は、序盤では重い
鉄が取れない展開もある
鉄が取れないのが何が辛いかって、資源力が足りないことよりも、汚職が置きやすくなることだ
青トークンをきっちり使い切るプレイングが求められ、ややきゅうくつな打ち方となってしまう

結論から言うと「鉄」が取れない場合勝利はかなり難しくなる
もし鉄が取れなかった場合は「石炭」は3アクション使ってでも取りに行く
(そこをカッティングされたら、完全に勝ちの芽が潰れてしまう)
石油は滅多に取らない
時代IIIでは文化点を取ったり偉業を建てたり戦争したりで忙しいので、鉱山施設を建てる余裕がない
しかも、時代IIIにもなると黄色カードが4資源もたらしてくれるので、アップグレードの意味合いはやはり薄い

訳注:2人戦で相手が2枚目の鉄を取らなかった場合
大チャンスなので、石炭を積極的にカッティングしよう
石炭は2枚あるので、いずれ確保されてしまうが、2~3ターン資源事故を起こさせたまま状況を進められると、大きなアドが得られる
自分は2人戦での鉄は、1枚目・2枚目とも1~2アクションで取ります

研究所系 
時代Iの「錬金術」は最優先で
2アクションで取るが、3アクションは使わないかな
時代IIの「科学的手法」は、錬金術が出せているなら取らない
アップグレード効率が悪いからね
ただ、時代IIの終わりに出てきて、「相手方もコンピュータを取りたがってるな」と思えるときは、保険のために取ることもある
最終盤までコンピュータが取れないと、かなり盤面が事故ってしまうからね

時代IIIの「コンピュータ」に対しては、3アクション使ってでも取る
コンピュータに3ユニット置けていれば、テスラがいれば9資源、シドなら9文化点が追加で取れる
この「コンピュータ」を活かすために組んできたのが本記事の戦術なので、最優先ですね
コンピュータが取れたら、建設の影響や科学の影響といったイベントカードも出せると点が伸びる

訳注:2人戦でも「コンピュータ」は2~3アクション使います
ここで多くのアクションを使えるようにするための布石として、政治体制カードの「立憲君主制」か「共和制」を出せているとベスト



寺院系
時代Iの「神学」は取るのはありかも
幸福度は2あれば十分
ただ、使うとしても1アクションまで
時代IIIの技術がないから、終盤のイベントカードで得点にもなりにくいし、基本は軽視してよい

訳注:記事作成者は時代IIの「組織宗教」が好みです


競技場系
時代Iの「パンとサーカス」はある程度コスパが良いから、アクションに余裕があれば取るのはアリ
これ1枚あればゲームエンドまで大丈夫

図書館系
錬金術/コンピュータでいくのが本記事の方針なので、図書館は取らない
両方取るには手数が足りないからね
研究所系は科学点を、図書館は科学点+文化点をもたらす
役割が被ってるからね
ここで手数を使うと、軍事力の分のユニットとアクション数を使って図書館を建てることになってしまう
戦争をやらない卓だと、取る意味はあると思う、が、好戦的なプレイヤー相手には隙が大きすぎる
モーゼなどを取っていて、人口に余裕があるなら取る意味は一定ある

劇場系
時代Iのドラマはかろうじてアリ
時代Iの終盤に流れてきて、「人が余ってて、宗教施設かドラマかどちらかに人を置いときたい」という状況の時ならアリ
文化点を生んでくれるのはそれなりに偉い


戦士系
時代Iの「剣士」が最も価値があるかな
事故防止としての安定度が高い
騎士や砲兵の方が私は好みだが、騎士が取れなかった場合は戦士は絶対に確保したい
軍事力の序盤の上げ合いで差をつけられ、取り返しがつかなくなる

剣士は3資源2軍事力と、コスパも良い
最初から持っている2資源1軍事力の戦士からのアップグレードも、たった1資源でできるからかなりやりやすい

もっとも大事なのは、剣士を取ると戦略カード事故にも対応しやすいということだ
戦士系だけのカードしか取れなくても、歩兵を出せていれば軍事力を8くらいにまでは上げられる

騎士系

時代Iの騎士は恐ろしく使い勝手が良い
最序盤では中世軍のキーカードになり、中盤でも戦略の要に
終盤までそのまま使えてしまう
ただ、中世軍とファランクスが取れなかった場合は、取るだけ無駄になってしまう
戦略カードによって剣士でいくか騎士でいくか決めよう
剣士を取っておいて、時代IIの「騎兵」が来るまで待つのは全然あり
もし騎士系の良い戦略カードがピック出来ているなら、2アクションまでは使う

砲兵系

砲兵は1アクションで取れる状況なら、たいてい取っておく
今の戦略カードとかみ合っていなくても、取る
時代IIでドローできるカードは砲兵を用いるものが多いから、取っておくと受けが広くなるんだ
戦略の柔軟性を高めるために、砲兵をキープする
砲兵は場に出さないままゲームエンドまで行くこともけっこうある
ただ、その場合でも手札で腐ってしまったと考えるよりは、
・使う必要がなくてよかった
・敵の砲兵カードを1枚握りつぶせた
と考えるべきだ
かなり重要なカードなので、けっこうな取り合いになる

空軍
本記事の戦術では必須級
3アクションでも絶対取るべきだ



以上が建物系カード
次は政治体制系のカード

政治体制カード系

総論として、
青技術は時代I
政治体制は時代II
で最後まで行きたい
最後に科学点が余れば時代IIIのを取るのはアリ


君主制(I)
5-3アクション

イマイチかな
これを取るなら青技術の「戦争経験」と「司法コード」を取る
何がイマイチかって、君主制のまま最後まではいけないっていうこと
もう一度アップグレードが必要なんだ

ただ君主制にも利点はあって、3個目の錬金術ユニットを作れるということ
ただ、4科学点もあれば時代Iのあいだは十分で、それ以上あっても余してしまう

他にやるべきことがないターンで、3科学点で革命を起こしてしまう、というのは有用だと思う
こういう風に、限定的な状況では使いうるカードかな


神学政治(I)
これはひどい
文化点と幸福度と軍事アクションが付く
本記事の戦術とは噛み合わない
モーゼを取っている場合は、取る価値がないわけではない
モーゼで人口が増えると、序盤の幸福度がキーになるから
ただ、神学政治を取ると、このカードについた幸福度ありきで動いてしまうのが難点
「捨てたときに減る幸福度を補うための施設」を作ってからスイッチしよう

立憲君主制(II)
6-4
TTAの政治体制カードではベスト
みんな大好き立憲君主制
6内政に4軍事
攻守秀でた良カード
2アクションは使わないと取れない

訳注:2人戦だと政治体制カードは1枚ずつ入ってます
立憲君主制は、3アクションで取る人が大半ですね
立憲+ナポレオンを相手に取られると、相手の戦略カードの引きが相当悪くないかぎり勝てません


共和制(II)
7-2
立憲君主制を取れなかった場合は取った方が良い
軍事アクションが足りず、内政アクションのブーストをかけられるので、ナポレオンやロベスピエールと弱点を補いあえる
逆にニュートンとはやや相性が悪い(ニュートンもアクション数を浮かせる能力なので、めちゃくちゃ内政アクションばかり余ってしまう展開になる)

時代IIIの政治体制カード
総じて取る価値はない
時代IIの立憲も共和も取れなかったら、取るしかない
あるいは科学点が余って仕方がないときもアリ
そうでないといきは、コスパが悪すぎる
時代IIIに入ってアクション数がいまさら増えても、残りターン数が少なくてペイできないからね
政治体制カードよりは、直接文化点か軍事力につながる技術を取りたい

軍事系青技術
戦争経験が一番好きだ
序盤の3つ目の軍事アクションがあれば、序盤の立ち上がりで優位に立てる
ここで失速しないことが、ゲーム全体を通じて最も重要だ
戦争経験+立憲君主制+ナポレオン で6アクションあるので十分
立憲君主制が取れずに共和制になってしまったら、II技術の「軍事戦略」を取る
可能そうなら時代IIIの「軍事理論」を取ってもいいが、運にもよる

本記事の戦略で行くなら、軍事アクション数は、時代Iは3アクションあれば十分だが、時代IIIでは最低4アクションはほしい

内政系青技術
司法コードはそれなりに強い
ただ、どのカードもコストが恐ろしく高い
効果も非常に強力だが、コストも高い

時代Iでは
・錬金術
・騎士
・鉄
を出す必要があるから、司法コードにまではなかなか手が回らない
アリストテレスを取れていたら出す余裕がかなりあるだろうから、狙っていこう

時代IIの「司法システム」が、いちばん取りやすい
本記事の戦略で行くなら時代IIは他に取るべきカードが少ないし、科学力も増えてるからね
ただ、「司法システム」が時代IIの序盤に出てくれるともかぎらない


植民系青技術
まあ、微妙ですね
科学力が序盤に多くキープできたなら、取るのはアリ
ぜいたく品です
時代Iか時代IIのものは取ることはけっこうある
これが取れていたら、1ユニットの解体だけで植民地が取れることはけっこうあるから


建設系青技術

時代Iの偉業を建てるなら、アリかもしれない
時代Iのものは、研究所→錬金術のアップグレードを2資源コストでできるようになる
これはそれなりに強い
時代IIかIIIのものなら、余裕があれば取ることは取る
コンピュータなどを建てるときの資源の節約になるからね



ロベスピエール
「卵を割らないことには、オムレツは作れない」


黄色カード総論:
他のカードよりも効果は弱いが、極めて重要
勝つためにはどの黄色カードを取るべきか知っておく必要がある
内政アクションが1,2回余っているときに取っていく感じ
1枚の黄色カードに2アクション使うことは滅多にないが、「ここでどうしても食料が欲しい」とか、どうしてもの場面では2アクション使うこともあるかな

食料を即座に得る
まあ強い
特に食料基盤にリソースを割かない本記事とは、戦術単位での相性が良い

技術カードを出す際に科学点を得る
TTAの黄色カードでは最強
何が強いって、科学点をくれるだけじゃなくて、1内政アクション浮くのが強い
カードゲームにおいて手数の圧縮とドローアシストは絶対的正義
2内政アクションで取っても、1アクションで取ったのと同じ働きをしてくれる


偉業を少ない資源で建設
時代Aでは2資源の節約ができ、同時代のカードの中では1アクションでいちばん大きな資源をもたらしてくれる
時代I~IIIでは、偉業をあまり取らない派だから、僕は取らない

訳注:
自分はけっこうピックしますね
1アクションで取れるなら、とりあえず取ってしまうことが多いです

人口増加したあとに食料得る
これもまあ強い
さっきの科学カードと同じで、内政アクションの圧縮になるのが偉い

都市建設を少ない資源で行う
これも良い
使い道がすぐある場合は、1アクションなら取っておく
特に時代Aのこのカードがあれば、初ターンに研究所を2つに増やせるので、大変良い

資源を得る
内政アクションの圧縮は出来ないものの、汎用性が非常に高いのは評価のポイント
このカードを手札にキープしておけば、青トークンを消費しない「ヴァーチャル青トークン」みたいな感じで使える
汚職予防として上手く使おう

軍事アクション1と資源を得る
時代II,IIIでは極めて有用
時代Iのもそれなりに強い
軍事アクションがつくので、内政アクションを軍事アクションに転換できている感じになる
逆ハンムラビ+ホメロスの資源ブーストも乗った、っていう感じ
内政アクションのコストはバカにならないので、時代IIで取るのはけっこう判断に困るが、立憲君主制などを出せているならどんどん使っていきたい

科学点を得る
時代Aの1点は取る価値はない
時代I~IIIのものは強いと思う
2アクション使うときもある

農場か鉱山を資源安く建設
第1ターンに鉱山を1個増員するだけだから、私の戦術とは噛み合わない

軍事力が劣っているときに資源得る
これは取るべきではないし、取れるような状況を作ってはいけない

訳注:僕は2人戦だとけっこう取ります
取らざるを得ないくらい、まだ軍事力を増やすのがヘタなのかもですが
何が強いって、時代I~IIでシーソーゲーム的に軍事力を上げ合うタイミングがあるんですよ
13-11で勝っていたのが、相手があげて
13-14に、逆転。 また自分のターンにあげて
15-14に、再逆転。 みたいな
そういうときにこのカードを使うと、少ない内政アクションでかなりの資源アドが得られます。

即座に文化点を得る
これは取ってはいけない



軍事イベント:(戦略系以外の軍事カード)
多いので、重要なカードに少しだけコメントする

蛮族 
文化点が高くて軍事力低い文明が罰を食らう
このカードがあるのもあって、序盤の文化点上げは失策だと思っている

市場の発展 
即座に2資源か2食料を得る
これをどっち取るか問題
これはTTAを何十戦もやってるとみんな議論する
本記事の戦術では、食料の方がシナジーが高い
資源力は「鉄」を取って高められるからね
ただ、ここで資源を取ればそのターンのうちに偉業が建つ、ってときは資源を取る

訳注: 対戦相手を見るに、体感では8:2くらいの割合で資源が選ばれています
訳者としても、資源を取ることの方が若干多いです


宗教の発展/戦争経験 
余ったワーカーがいるとき、寺院か戦士を0コストで建てられる
これが時代Aであるからこそ、余剰ワーカーを置いておく必要がある
.

移民 
幸福度がもっとも高い文明は1人口得る
時代IIに出るので、時代IIのうちに幸福度はしっかり上げる必要がある
だからこそ「パンとサーカス」とか「神学」といった時代I技術を取るように勧めている
時代Iのうちに準備しないと、イベントに間に合わないからね

肥沃な領土 
食料と黄色トークン×3
最も強力な植民地だ
これだけの数の黄トークンを序盤に取れると、文明を相当動かしやすくなる

イコノクラスム
リーダーを破棄
このカードが手元に来てないってことは、他プレイヤーが引いたということだ
ナポレオンかクックがいつも標的にされる

禁じられた土地
黄トークン多い
これも重要
黄トークンを多く取れる植民地はぜひ1つは取りたい

国境開放協定
同盟カード 
お互い+1軍事アクション
互いを攻撃する際、+3軍事力
リスキーなカードだ
攻撃しても自動でキャンセルがかからない

訳注:
BGAの野良3人戦だと、チャットで「私はあなたに攻撃されないかぎり攻撃しません」と打つと、だいたい受諾してくれて、同盟期間中に攻撃を受けることは少ないです
このやりとりをしたうえで、面識のない相手を殴ってくるプレイヤーはあまりいないと思います
あとは殴り合いになっても泥沼で、第三者を利するだけですし
BGAの場合は途中で投了/退出することもできるので、あまり序盤に1プレイヤーを叩きすぎると、途中で抜けられるリスクも生じます

ネズミ
食料をすべて失う
このカードは重要で、もしドローできたなら良いタイミングで使っていきたい
自分だけ食料をちゃんと使えている状態で発動したら理想だ

反乱
不満労働者がいたらディスアド
時代Iのカードでは唯一不満労働者に対してペナルティを与えるカード
これもピックできると強い
これを持っている=時代IIになるまで不満労働者のまま持っておいても大丈夫
ってことだから
ふつうは時代I~IIで幸福度を整える必要があるんだけど、これが取れたときは、時代IIのあたまくらいまで、幸福度は整えないで進めるようにしている


科学協力
2科学点安く技術を出せるが、その際に相手から1科学点もらう
なかなか扱いの難しい同盟カード
科学力が自分が上回っているか、同等のときでないと結んではいけない
相手の方が科学力が高いときに結ぶと、相手のターンに自分の科学点を使われて、技術カードを微妙に出せない低さの科学点しか残ってないまま自分のターンが過ぎる
で、また相手のターンに使われ
という無限ループに入ってしまう
これはすごくみじめだ

戦略的領土
軍事力+軍事カードをもたらす
これも黄トークンの次に差し込みがいのあるカード
これを取って戦略カードや襲撃カードをさらに引いて、手をまとめていきたい



交易ルートの同意
プレイヤーは資源1の代りに食料1を使える
プレイヤーBは食料1の代りに資源1を使える
(各ラウンド1回だけ)
まあ使い得なカードだが、僕はプレイヤーBの立場がやや有利だと思う。
資源の方がやや得やすいし、また、資源をうまく使いきることで、汚職が発生することも防げる
ただまあ、そうやって人口を増やしていると、「増えた人口をどう使うか」っていう問題も生じてくるわけだが

プレイヤーAは、モーゼ(食料コストを1少なく人口を増やせる)を取っている場合はかなり有用だと思うよ



まとめ
レオナルド「多くの人間は、私の仕事を価値のないものとみなすだろう」

これが軍事/科学/資源重視の戦術
この戦術こそが正しいとは思わない
たとえば、初手鉱山の増員をこの戦術は取っているが、初手で農場の増員をするロードマップも、研究が進めばもっと強力なのかもしれない
ドローできた戦略カードや状況によって、取れる戦略も変わってくる
同じ様な狙いのプレイヤーがいたら、カードのピックが難しくなるので、狙いを変えた方がいいかもしれない
序盤でモーゼを取る形になったら、食料+幸福度のやりくりにもっとリソースを割かないといけなくなる

とはいえ、読んでくれてありがとう
あなたにとって、次のゲームに活かせるアイディアが得られたなら幸いだよ

Eugene Hung
eyhung@gmail.com

――――




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

前回記事の続き
BGGにあったTTA(旧版)の戦略記事の翻訳

今回記事から個別カード解説
リーダーカードの解説を本記事では行う
イメージ 1
リーダーカードのナポレオン
TTAのなかでも1,2を争うキーカード
敵に取られると無茶苦茶プレッシャーを感じるが、自分が取ってもいつも活躍してくれるとは限らない

―――以下本文―――

今回から個別カード論
これも僕の私見が大きいし、これが絶対ってわけではない
たとえば僕はシェイクスピアを低く評価しているけど、打ち方によっては強くもなるとは思う
シェイクスピアとハリウッドのコンボが強いっていう主張もあるかもだけど、ここでの打ち方とシナジーがない
軍事-科学―資源を優先する僕の戦術とは相性が悪いので、低評価にしています



書き方:
★★★★★ 2~3アクション使ってでも取るべき
★★★★☆ 1アクションなら取る価値高い 2アクション使うかは状況次第
★★★☆☆ 基本不要 1アクションなら取っておいても良い場面はある
★★☆☆☆ 滅多に取らない
★☆☆☆☆ 取らない
☆☆☆☆☆ 取ってはいけない



カードを種別で論じるなら、もっとも重要なのがリーダーカード
どのカードをピック出来るかで、おおよそ取る戦術が決まってくる
取ったリーダーを活かせる、立てられるプレイングをすれば自然に文明を発展させられる
リーダーがもたらしうるアドをしっかりとれるかが勝負のカギとなる

リーダーカードは、取って出すのに2~4アクション使うが、そのアクション分以上の働きを必ずしてくれる

たとえばホメロス
彼はだいたい10点前後の文化点と、1~2資源をもたらす
それに対して時代Aの黄色カードは6点しかもたらさない
クックは4文化力以上の出力を持つことが多いが、同時代のオペラは3文化力だ

ただ、それだから「クックを取れ」「ホメロスを取れ」と言っているわけではない
それぞれのリーダーが、それだけのアドをもたらしてくれる

そして、僕の私見では、リーダーごとの強さはまったくバランスが取れていない

じゃあ、1つずつ見ていこう

【時代Aのリーダー】

ユリウス・カエサル ★★★★★
1軍事アクション追加 1軍事力追加
僕のイチオシだ
2軍事アクションを3に増やすというのは、ドロー力を1.5倍にしてくれる
これだけのドローアシストをしてくれるカードが弱いわけがない
子のゲームはカードゲームであり、ドロー力は正義だ
時代Iは7~8ターンあるので、カエサルがもたらしてくれるカードは6~7枚
時代Iのデッキの48枚のうち、僕の戦略とシナジーがあるのは10枚くらいある
すごく雑な計算をすると、カエサルはだいたい1~2枚追加で良いカードを拾ってきてくれる計算になる
カエサルの力を借りて中世軍、ファランクスをぜひ引きたい

軍事カードのハンドの上限を2枚から3枚に増やしてくれる
これも大きい
かなり柔軟性が高まる

1軍事力ついてくる
これはおまけ程度だが、軍事力の優勢を取りやすくなるのは嬉しい
イベントカードでやや利益を被りやすくなる

カエサルによってイベントカードを多くドローできる
その中で自分にアドをもたらすカードを使えばいい

たとえば反乱「全プレイヤーは人口1を失う」はディスアドが大きい
これはモーセとかを取っていて人口に余裕があるプレイヤーが打つべきカードだ
カエサルを取っている場合は打たずに捨て札にしよう
軍事力が高いプレイヤーにアドをもたらすイベントを出していこう


アリストテレス★★★★☆
技術カード出すたびに科学点+1
ユリウスと双璧をなす
まあ強いですわ
アリストテレスは、何人プレイでやっても絶対誰かピックしてる印象
科学力が不足しがちな時代に、科学点をもたらしてくれる
痒い所に手が届く最高のリーダーだ
アリストテレスは人気のあるリーダーだし、他記事で考察が進んでいるから、ここではあえて書かない
(訳注:他記事から引用するなどして加筆の可能性はある)

「はたしてアリストテレスをピックするのに2アクション使う価値があるのか?
はかなり論争の種になっている
序盤の内政アクションは大事だし、他にもある程度有用なリーダーカードはあるからだ
僕は、取るとしたら1アクションで取るかな
(訳者はカエサル、アリスト、モーセのどれかを1アクションで取ることが多い)
この辺は好みだと思う
カエサルの方が好みだけど、アリストテレスはかなり強力だ
ただし、アリストテレスを取ったときでも、錬金術を作って科学力を増やすことを忘れてはいけない
科学力のブーストは、あればあるほど強いわけだし。

モーゼ ★★★☆☆
1食料少なく人口を増やせる
人口がバンバン増やせるので、使ってて楽しい
ただ、あきらかにユリウスやアリストテレスには劣る
モーゼを取ってしまうと、上で描いたロードマップ(6ユニット増員して、どうのこうのっていうやつ)から外れていきがちになる

モーゼのおかげで、早い段階で人口を追加で2,3ユニット持てるようになる
その人口を使って劇場とか図書館を建てることもできるようになる
戦略の幅が広がるから楽しいは楽しいが、散漫なプレイになりかねない

僕の個人的好みだが、余剰人口はそういった楽しい建物に費やすのではなく、軍事ユニットとして使う方が好きだ。
ただ、活版印刷(時代Iの図書館)に限ってはアリかも
科学力をもたらしてくれるから、錬金術が取れなかった際は、科学力のブーストとして狙うのはアリだ(人口が余ってるわけだしね)
モーゼは大体6~7食料分の働きをしてくれる
2アクションにしては十分すぎる活躍だ。
ただ、モーゼを取ると、序盤から幸福度のことも考えないといけなくなる
モーゼ+空中庭園
という形を取れれば、それが理想だ
神学政治、神学、パンとサーカスのどれかを使うのもアリだ
(モーゼ+空中庭園+サンクトペテルブルク+ミケランジェロのコンボが決まると非常に強い
本記事の軍事科学プレイとは別方向に行ってしまうが、決まると決定的なパワーを持っている)

ホメロス ★☆☆☆☆
戦士が1文化点もたらす
毎ターン1資源分の軍事アクション用の資源を得る
まあ弱いと思う
序盤の文化力は、やっぱり重要じゃないからね
資源が1浮くっていう能力も、せいぜい1,2回しか発動しないし
10文化点+2資源 と考えても、まあイマイチ

ハンムラビ ☆☆☆☆☆
+1内政アクション
-1軍事アクション
取ったらダメなレベルだ
内政アクションが増えるのは強いと思うよ
ピラミッドとかも僕好きだし
ただ、ハンムラビを一度取ってしまうと、軍事力を増やすのが一気に難しくなる
TTAにおいて、早く下した決断が勝ちにつながることはないが、ハンムラビに手を出してしまうのはかなり負けにつながりやすい悪手だ
僕たちの卓では、「ハンムラビ=新人殺しのトラップ」としてよく知られている。

アレクサンダー☆☆☆☆☆
各軍事ユニットが+1軍事力をもたらす
これもだめだ
軍事力の増え方はカエサルより多いが、軍事力しか増えない
軍事力だけ高くても、侵略カードが打てないと意味がない
それなら、ドローリソースを増やせるカエサルの方が絶対強い
もしハンムラビとアレクサンダーしか残されてなかったら、僕はどっちも取らないな
2アクション使うだけのアドすらないと思うから

訳注:
元記事の著者とやや意見が異なります
僕はカエサル、アリスト、モーゼのビッグ3がなくてアレクサンダーしか取れない場合は、1アクションなら全然取ります
ホメロスより優先して取ります
好みだと思います
時代IIに入るまでだけだが軍事的優勢をキープできる、という点はメリットがあると思います


【時代Iのリーダー】

クリストファー・コロンブス
序盤に出た場合:★★★☆☆
終盤に出た場合場合:★★★★☆
植民地カードを1枚無償で獲得
遅く出た方が強いコロンブス
できれば、時代Iの終わりごろにプレイして、時代IIの強力な植民地をそのまま自分のものにしたい
で、用無しになったらすぐ時代IIの新しいリーダーを迎え入れられたら理想的
ただ、運がけっこう絡む
コロンブスをピックできても、まともな植民地カードが引けずに腐ってしまうことは、わりとある
とはいえ僕の戦略では、軍事アクションはわりと多めに持って、ドロー数を多くしているので、植民地が来ない事故は起きにくくなっている
その点でもシナジーがあると言えるかな

フリードリヒ・バルバロッサ ★★☆☆☆
1内政アクションで、1食料1資源少なく軍事ユニットを新たに編成
カエサルを取れているならあえて取らない
カエサルほどは強くないが、弱いリーダーではない
バルバロッサの長所は、植民地カードを取りやすくなることだ
ユニットを解散したあとに、容易に再増員ができるからね
バルバロッサを取って、植民地カードをデッキに仕込んでいく戦術はけっこうアリだ
実際、時代Aでカエサル、アリストテレス、モーゼのビッグスリーをピックできなかった場合は、時代Aのリーダーはスルーしてバルバロッサを取ることは多い
バルバロッサは軍事アクション数を増やしはしないものの、内政アクションで軍事ユニットを作ることで、間接的に軍事アクション数を浮かしている
そういった形でドロー数を増やせるのも強みだ。

レオナルド・ダヴィンチ ★☆☆☆☆
研究所のレベルだけ科学力+
技術カード出すたびに1資源得る
イマイチだ
錬金術や図書館を序盤から出せるとは限らない
もし中盤以降に出てきたとしたら、「それなら同タイプでより強力な時代IIのアイザック・ニュートンを待ちますわ」となる

・序盤に錬金術を良い感じに出せた
・時代Aの良いリーダーが取れなかった
こういうときはピックしてもいいと思う


ミケランジェロ ★☆☆☆☆
1内政アクション少なく偉業を出せる
寺院、劇場、偉業の幸福度につき文化力
ミケランジェロ強いじゃん、っていう人も多いと思う。
でもね、弱いよ、彼は
彼を活かすためには、幸福度と文化点を上げに行くプレイングをしなきゃならない。
ミケランジェロがいるうちは、それは文化力のブーストがあるから強いよ、それなりには
でも死んでからは悲惨だ
時代IIIでは徹底的に文化点の貯金箱にされる
いちおう、
ミケランジェロ+空中庭園+サンクトペテルブルク
のコンボに、寺院×2が加われば
13文化力の出力を得る。
それを時代IのはじまりからIIの終わり得られれば、時代IIIでいくらか叩かれても逃げ切れる、のかもしれない。理論上は。僕は機会がなくて試したことがないけど。
ただまあ、空中庭園かサンクトペテルブルクのどっちかが取れているなら、取る価値がないわけではない、くらいのリーダーだと思う
(軍事的優勢を取れているなら、ミケランジェロでじりじり文化点の差をつけていくのは有用だと思う
そういう場合は、騎兵やナポレオン、立憲君主制などのカードを積極的にカッティングすると良い)

チンギスハン☆☆☆☆☆
戦略カードを使用不可
馬ユニット1体が文化力1をもたらす
取ったらダメです
これはダメ
チンギスは麻薬だ
手っ取り早く軍事力を増やせるし、おまけに文化点までついてくる
騎兵や騎士を増やせばいいだけだから、簡単

でもそれではダメなんです!時代II,IIIでは通用しない!
歩兵、騎兵、砲兵のバランスの良いアップグレードこそがTTAの勝利の秘訣
終盤の軍事力は、戦略カードを活かさないと絶対高められない
ここで狙った戦略カードを引けるとはかぎらないから、できるだけ受けの広い形を取ることが大事なんだ
騎兵だけ増やしてても、時代IIIで戦術カードを活かせる陣形が組めない
ピックする価値があるのは、チンギス+騎兵の形で、時代Iの最序盤で流れてきたとき
この時は一定取る価値がある
僕はそういう機会はまだないけど

訳注:ここ感銘を受けましたね~
数回しかプレイしてないときは「チンギス強いな~」と思っていたが、戦略カードをきっちり生かすプレイをできるプレイヤーから見ると評価できないと

ジャンヌダルク ☆☆☆☆☆
寺院の幸福度が軍事力に
襲撃を打たれるたび5点文化点を得る
ダメだ
寺院の幸福度が軍事力になる
寺院は弱い技術
なぜか?
時代IIIで、寺院のアップグレード版が出ないからだ。(時代IIまでしか出ない)
寺院に人なんて送るな、その余力があるなら軍事ユニットを増やそう
侵略されたら5点入る?
そんなしょうもない保険はいらない
侵略されないロードマップ作りの方が100倍大事だ!
ゲーム終了時に5点差の僅差になることはまれだ
終盤の1~2回の戦争で勝負が決まる
そこにいたるまでに、自分が襲撃を打つ立場を取るのが大事だ
軍事力レースで降りたらダメなんだ
受けに回ってはこのゲームは勝てない

「ジャンヌがいれば、侵略側も攻めにくくなるのでは?」という意見があるかも

ただ、侵略カードをけっこうな回数打ってきた経験からすると、「ジャンヌがいて相手に5点入ろうが全然おかまいなしですわ」

襲撃側からすれば「侵略がきっちり成功して資源が得られるのか」の方がずっと大事
中盤で殴られるような盤面になってしまったら、ジャンヌを取っていようがいまいが、そこで脱落することになる



【時代IIのリーダー】
ニュートン★★★★★
技術カードを出すときに0アクションで出せる
研究所のレベル分科学力追加で得る
技術カードを内政アクションなしで出せる
アクションを増やすのは非常に汎用性が高い能力だ
明らかに強い
科学力も2~3点ついてくる
申し分ない
ここで浮いた内政アクションを使って、時代IIIまでに技術カードの基盤を整えてしまおう
ただ、時代IIの終盤にめくられる場合は、いささか弱いとは思う
それでもピックする価値はあるが、時代IIIのリーダーとすぐ入れ替えになるだろう

ナポレオン ★★★★☆
戦術カードの効果×2
+1軍事アクション
自分以外にピックされたら一番イヤなリーダーだ
ニュートンやクックを取られてもあまり気にしないが、ナポレオンはみんな嫌がる
イコノクラスム(その時代でないリーダーを破棄)で真っ先に殺そうとしてくる。
しかも1軍事アクション追加でもたらすっていうのも、非常に強い
空軍を取ったら、空軍のボーナスも2倍してくれる
ただ、まともな戦術カードがないと、ナポレオンもただの木偶の棒になってしまう
ナポレオンは奪い合いになるんだけど、自分がまだ良い戦術カードをドローできてないときに場に出てくると、非常に困る
そういうときは流してしまうこともある
ただ、この戦術との相性は抜群なので、基本は取りに行きたい

訳注:
自分はピックしますね
2人プレイで相手が欲しそうなら3アクション使って取ります
「ニュートンやロベスピエールが欲しい」っていう状況があるんですが、2人プレイだと「待てよ、今これらを取っちゃうと、相手がノーリスクでナポレオンを取ってしまう。1内政アクションで悠々取られるのはマズい」という駆け引きが生じる
相手にアドを与えない目的で取る感じですね

ロベスピエール ★★★☆☆
革命の際、内政アクションでなくて軍事アクションを使う
+1軍事アクション
かなり強い。
1軍事アクションがつくのがまず偉い
能力によって革命をばんばん起こせるようになる
時代IIの政体カードだと、立憲君主制(内政6、軍事4)が大人気で、共和制(内政7、軍事2)は無視されがちだ
でも、ロベスピエールをピックできているときは共和制でも狙いに行く
ロベスピエールで共和制がとれると、以降毎ラウンド3内政アクションが得られることになるし、10科学力節約になる(革命で4科学点、通常で14科学点のコスト)
僕のイチオシのニュートンの場合、毎ラウンド1~2内政アクションの、1~2科学点のブーストだ。
さらに、時代IIIの強力な政体カードが見えているときは、ロベスピエールのピック価値はぐっと高まる。
コロンブスの「植民地さえ取れたらあとは用済み」と同じで、「革命さえ起こしたらあとは用済み」っていう感じの働きになる

訳注:
2人プレイの場合:
序盤に出た場合→基本スルー(ナポレオンの取り合いがあるので)
ナポレオンを相手に取られたあとに出た場合→取るのはアリ
という印象


クック ★★★☆☆
植民地数×2文化力
ディフェンスカードを競りで使うと、数値+1
軍事力を上げ、植民地を狙っていくプレイングが今回の戦術なので、戦術単位での相性は良い
ピックした後の植民地戦争でも優位に立てるのが偉い
植民地3個取れているならノータイムでピック
植民地1個だと、どうだろう、という感じ
時代IIIのイベントで「植民地の影響」をドローできたら、まあ勝ちがかなり近づく
植民地を誰もデッキに差し込まない場でない限り、誰かしらがピックしますね、クックは

訳注:2人プレイの場合
非常に評価が難しいですね
クックを立てられるプレイングは、以下のような感じだと思います
・引いた植民地カードは全部差す
・カエサルORモーゼ(ドロー数ORユニット確保)
・空中庭園(人口確保)
・航海図(ボーナス)
これらでいわゆるクックの染め手をやると、なかなか勝率が高まりました
ただ、植民地をドローしてこれるかという不確定要素が大きいので、あまり安定しないとは思います

バッハ ★☆☆☆☆
劇場とコンボするリーダー
劇場のために資源と手数を費やす必要があるが、潜在力は高い
ただ、僕の今回紹介している戦略だと、ニュートンやナポレオンの方が相性が良い
・ニュートンで科学力を高めて、インフラを一気に整備する
・ナポレオンで序盤に文化点を取っているプレイヤーを叩きに行く
っていう感じ
バッハと取りうる状況は、3~4人戦で

・ニュートンもナポレオンも取られてしまった
・クックを取ろうにも植民地取れてない

というとき
これならナシではない
僕の戦術が時代Iの劇場を建てるものでない以上、基本的にはバッハは取らずでいこう

シェイクスピア☆☆☆☆☆
これは取ったらダメなレベル
時代IIのリーダーのなかで、文化点の生産力はもっとも高い
潜在的なパワーはかなりある
ただ、図書館と劇場の両方を揃えるというのはまったく現実的ではない
そのためにはかなりの手数とリソースがかかる
完成したころには、軍事寄りのプレイヤーの良いサンドバッグになってしまう



【時代IIIのリーダー】
アインシュタイン ★★★★★
時代IIIではいちばん使いやすい
アインシュタイン、テスラ、シドのコンピュータ御三家は、どれも強い
宇宙飛行の偉業とイベントカードの科学の影響、技術の影響、進歩の影響いずれとも相性が良い
終盤に大きく点を伸ばせる

ゲームデザイナー/シド・マイヤー&アレックス・ランドルフ
★★★★☆
時代IIIに文化点を稼ぐのが典型的な勝ち筋だ
その点で、コンピュータがあればもっとも高い文化力を叩き出せるのが、このシドだ
4科学力+3文化点をそれぞれのユニットが稼いでくれる
同時代の図書館よりも効率が高いうえに、錬金術からのアップグレードで済むので、ユニットや資源の節約にもなる
シドがいるからこそ、錬金術を取るべきともいえる
コンピュータが取れているなら、アインシュタインより優先してピックしてよいと思う。
1枚目のコンピュータがピックできなかったすぐあとにシドが流れてきたら、取るのは慎重にしよう
終盤まで2枚目のコンピュータが流れてこなくて、真価を発揮できない、ということはけっこうあるからだ

ニコラ・テスラ ★★★☆☆
コンピュータが取れたがシドが取れなかった、という際はテスラがいいだろう
ただ、いまさら資源の増産ができても、あまり役に立たないことは多い。その資源を使って、時代IIIの偉業を2つ作れると、アドが大きい
宇宙飛行+インターネットが取れれば理想的
文化戦争を仕掛ける際の資源としても使える
イベントカードの産業の影響と相性が良い

訳注:
アインシュタイン/ゲームデザイナー/テスラのどれを取るべきか?
2人戦の場合、最初に流れてきたのを取ってしまって基本はOK
複数から選べるときは、
文化点が負けていて資源ブーストをかけて相手プレイヤーを叩きたい→テスラ
文化点が勝っていて逃げ切りたい→ゲームデザイナー
イベントカードを多く引けそうな状況→アインシュタイン

ロックンロールの神様/エルヴィス・プレスリー ★☆☆☆☆
僕の戦術とシナジーは薄いが、上3人がピック出来ない際は取る価値はある
効果を発動するまでの手数があまりかからないからだ
また、幸福度は終盤ではけっこう大事になってくるので、+2つくのは偉い

ガンジー ★☆☆☆☆
僕の戦術とはまったく合わない
侵略したいがための場づくりなわけだから

ただ、
・時代IIで戦術カードがまったくドローできなかった
・さらに、時代IIIのかなり早い段階でガンジーがみえた

これらが重なったときは、ピックする価値は一応あると思う

それと、2人戦に限るが
・時代IIでナポレオンを取って、散々侵略の限りを尽くした
・最後は点差を守って逃げ切りたい

というときも、一応アリだ
これをやられると大層むかつくけどね

あと、
・相手にガンジーを取られると、軍事アクションの関係できつい
・手元のナポレオンをしばらく使って侵略/戦争したい
っていうときは、相手に取らせない目的でガンジーをピックして、手札で殺すのはアリだ

※ガンジーと戦争について
終盤の戦争のためには3アクション必要
ガンジーは倍加するので、6アクション必要
軍事レースで勝てそうにない場合、
 ・相手が軍事アクション5以下→ガンジーでガン守り
 ・相手が軍事アクション6以上→チャーチルなりを取って頑張って守る
とすると勝てる可能性が高まる

チャーチル ☆☆☆☆☆
合わない
僕の戦術よりも、僕が侵略する相手方が取るべきカードだ
時代IIIのリーダーのなかで、文化点を1点ももたらさないのも、大変弱いと考える


どのリーダーをピックするのかは、時代の流れやゲームの展開、どのタイミングで場に出てくるかによる
大事なのは、時代IIと時代IIIのリーダーもきっちりピックして、場に出すこと

次回記事は偉業カードの個別レビュー
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ