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2019/3/10に行われたゲームマーケット大阪に行ってきたので、見聞きしたことや感じたこと、考えたことについて記載を行う

また、以下のゲームをプレイ/購入した

・箱庭鉄道
・Hands in the Sea
・富士山地下九十九階
・ストック・ザ・ギャザリング
・ヤバいかヤバイカ
・ロジタク

これらについて記事後半でおおまかに触れる

【会場の様子など】
筆者は関西の人間であるため、朝早めに起きて電車で開催地のインテックス大阪に向かった
ゲムマ冬でも同行した赤おに氏と一緒に行くこととした
10時開場で、同会場には8時半ごろに到着した
特に開幕ダッシュで購いたいものは特段なかったため、11時ごろに行ってもよかったが、「朝並んでみたい」という同氏の要望があり、また筆者もひまであったため並ぶこととした

今回は総動員6900人だったとのことだが、8時半ごろには2~400人くらいの列が形成されていた
特に滞りなく列はコントロールされ、10時開場の数分後には筆者らも会場入りした

混み方:
ブースによってまちまち
歩くのに苦労する、というほどではないが、それなりに混んでいる
東京ゲムマの2日目よりほんのちょっと混んでるか、という感じ
冬場ということもあり異臭などはしない

広さ:
全部をおおざっぱに見て回るのに2~30分くらい
1日で見るのにはちょうどいいくらい、もうちょっと広くても大丈夫かな、と感じた

それぞれ希望のブースを回り、多少試遊もし、12時前には目的を終えて帰ることとした

その日のうちに茨木のボードゲームカフェAsobebaに行き、購った品をいくらかプレイした

以下におおざっぱな記載を行っていく
検索性の向上のためにゲーム名、サークル名、価格を併記するよう試みたが、誤りなどある可能性がある
なお、以下の全ゲームの作者と個人的な知り合いではなく、筆者に利益相反はない


①ロジタク/S2L/1000円
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2~4人用、10分
卓球を行うボードゲーム
タバコの箱くらい小さいサイズで、カードを用いて卓球をする
卓球の台として、写真の箱を用いる
赤おに氏が試遊のお姉さんに捕まり購入した
「またこの人は予定にない買い物をして…」とにやにやし、あまり期待せずプレイしてみたが、これがかなり面白かった
シングルス(1-1の対戦)とダブルス(2-2の協力戦)ができるが、どちらもちゃんと卓球になっている
ほどよく考える部分があり、運要素もある
そしてプレイ時間が早く、セットアップも早い
「終わったか~ んじゃもう1回やるか」
と重ゲーで疲れたときに思考停止でやれる感じのゲーム
すずめ雀に似て、ある程度手なりでやれるのが楽しい
カードには技名が書いているので、テニスの王子様的に必殺技を叫んでも楽しい



②富士山地下九十九階/Sangenya/3500円
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『クアックサルバー』を軽くして、テンポを良くしたようなゲーム
バッグからキューブを引いて、チキンレースを行う

2~4人、説明10分、プレイ15~30分

これもルールを読んで、「クアックサルバーはNFMだったし、自分はパスかな」と敬遠してしまったが、赤おに氏が買われたので、それならぜひと遊ばせてもらった

結論から言ってかなり面白かった
2人戦を行ったが、おそらく2~3人ベスト
4人はちょっと冗長かも
クアックサルバーに似た部分はあるが、筆者としてはこちらのプレイ感の方が好ましく感じる

以下にやや詳しめに記述を行う

【ルールなど】
ドミニオン的に、各プレイヤーの手番が時計回りで回ってくる
手番では、袋からキューブを一度に引く
引いたキューブ数だけ富士山の地下を進んでいく
先に99マス進んだプレイヤーが勝利
キューブには、
・ハズレの赤キューブ
・大アタリの黄キューブ
・ちょいアタリの木地キューブ

とがある
手番のなかで赤キューブを3個引いてしまうとバーストで、その手番がなかったことにされてしまう
引いてきた黄キューブをコストとして支払うとボーナスカードがゲットできる
ボーナスカードの効果で白キューブをバッグの中に新しく加えることができて、自分のバッグの強化ができる
もし自分の手番で全然赤キューブが出なかった場合は、連続手番の挑戦/チャレンジができる
出した赤キューブ、使用した黄キューブを場に出したまま、木地キューブは袋に戻して、もう一度袋から引きなおす
チャレンジに成功すると、大量にリードできる可能性がある
自分のバッグの強化をしながら、バーストの恐怖に怯えながら地下を潜っていく
終了時には勝者のみシナリオカードを見ることができる


【プレイ感】
かなり良い
クアックサルバーととにかく比較してしまうが、クアックサルバーの短所だと感じた部分に、ことごとく改善が入っている
非常に面白く、気楽で、ダウンタイムがあまり辛くない

クアックサルバー同様、運ゲー感とソリティア感は強いのだが、あまり苦にならない

これについて少し詰めて考えたが、富士地下は、クアックサルバーからデッキ構築の要素をほぼ削っている
これは英断だと思っている

【クアックサルバーにおける『デッキ構築』のマズさ】
もはや何の記事かわからなくなるが、筆者の個人的な興味のために論を掘り下げる
クアックサルバーはデッキ構築ゲームなので、チップを追加して自分のバッグを造っていく
強力なものや、シナジーを持っているチップなど、プレイヤーは思い思いのチップを投入していく
ただ、狙ったとおりに引いてこれるかどうかは運次第だ
そしてこの運要素がプレイヤーにとって不快感を与えやすい、と筆者は感じている
ドミニオンにも運要素はあるのだが、
・デッキのなかにカードが眠っていて、数ターン以内に100%引ける(ドミニオン)
・バッグのなかにあって、ゲーム中一度も引けない可能性もある(クアックサルバー)

この2者はかなり性質が異なる

プレイヤーとしては、強力なカードやチップは
「せっかく高いコスト払って買ったんだから、それ相応のはたらきをしてほしい」
と思うのが人情
ドミニオンの高コストカードは、ある程度手堅くその期待に応えてくれる
「どういう組み合わせで引けるか」の運要素はかなりあるものの、ドローとリシャッフルの多さでそれも緩和できている
もし相当運が悪い場合でも、2人戦なら30分程度でゲームが終わるし、途中で投了しても良い

逆に、クアックサルバーの運要素は、筆者にとってやや安定感を欠く
「相手プレイヤーは青4の強力なチップを毎ラウンド引いてきてるのに、こっちはまったく引けない
引けないから点が伸びない
点が伸びないと高いカードも買えない
差が広がる
どうすればいいのか
悪いムーブをしていないはずなのに勝てない
つらい」
となってしまう
序盤のちょっとした運の差で拡大再生産の差がついてしまい、中盤からの挽回が難しい
インタラクションも弱い
そのわりにプレイ時間は60分程度とやや長く、筆者にとってはちょっと冗長なゲームだと感じる

余談だが、デザイナーのウォルーシュとしては、「もしデッキ構築のルールでバッグビルドをやったらどうなるのか」という臨床疑問からクアックサルバーのデザインを始めたとインタビューで答えている
筆者的にはドミニオン的なコンボ要素とバッグビルドの食い合わせはやや悪いと感じたが、作り手にとっては譲れない部分なのだと思われる

話を戻すが、富士地下
バッグに入るのは白、黄色、赤キューブしかない
クアックサルバーのような「特定の色のキューブを引きたい」という欲望や期待をあまり持たずに済む
希望も持たないから裏切られなくて済む
コンボ感はやや少ないが、

・いくつかある富士山カードでどのカードから使っていくか
・連続手番をチャレンジするのか/オリるのか

という選択の要素は一応ある
基本は運のゲームだが、ほどよい戦略性がある 
このバランスが丁寧でちょうど良いと感じた

運要素が強めのチキンレース、重すぎず軽すぎず、ちょうど良く楽しい

【ダウンタイムについて】
クアックサルバーよりダウンタイム自体は若干長いはずなのだが、そこまで気にならない
キューブを1個ずつちまちま引くのではなく、一気にガっと引くからかもしれない
関西人は短気な人間が多いというが、自分もその類型なのかもしれない
筆者はあまり性格が良い方ではなく気も短いので、他人が延々コンボを伸ばしているのを見せられると多少思うところがある

ただ、袋から一気に引かなきゃなので、狙った個数引くためには、手先が多少器用でないと難しいかも
小学校低学年とかの子はまだ難しいか

【忘れやすいルール】
・富士山カードを使用すると記載されている白キューブをバッグに入れられる
・99階に黒コマがたどりついた瞬間にゲームが終わる

【違和感を感じた部分】
なくはないので、一応記載しておく
赤キューブ3個でのバースト以外にも、富士山カードの数値累積によるバーストもある
これはけっこう理不尽で、プレイヤー側がコントロールする手段があまりない
「こんなん絶対次ターンバーストするじゃん、どうしたらいいのか」
と笑うしかない場面がけっこうある
全プレイヤーがほぼ均等に蓄積するので、とくに不平等感はなく、いらいらもしないのだが、テンポ感を損なうわりに、重要な機能を持っているのかやや疑問に感じた
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プレイ風景
デザインはきれいで、視認性も高い
ルールブックも読みやすく、素読みで問題なくプレイできる



③ヤバいか≒ヤバイカ/ZeZOgames/1500円
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これも友人の購入物
3人~ 10分 

互いの性癖を推測しながらプレゼンし合うゲーム
ルールブックに強い誤植がある
説明通りにプレイしたが、勝敗の決定の際のルールがわかりづらく、あまり直感的でなかった
性癖カード自体の作りは良く、さまざまな想像を惹起させるので、合意さえ取れればある程度卓に合うハウスルールを作って適当に遊んでも良いのではないか、と感じた
筆者らの卓では以下のようにルール改変を行ってプレイしたが、それなりに楽しかった

※以下のルールは筆者らのハウスルールなので、誤ってプレイしないでください

(1)親がヤバい/エロい のどちらかのテーマカードを公開して出す
(2)子らが数枚の性癖カードを引いて、制限時間内に組み合わせる(『たったいま考えたプロポーズを~』式に並べかえる)
(3)子らは時計まわりに、性癖カードに言葉を補いながら、できるだけヤバい/エロいと感じる発言を行う(性癖を吐露する)

(4)親は面白かった/自分の性癖と合うと感じたプレイヤーを指名して、その人に勝利点を与える


④箱庭鉄道/Mini rails/迷你鐵道 4500円
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3~5人、人数×10分
台湾のMoideas(モアイディアス)社から出た新作
同社が商業販売している『チューリップバブル』が大変好みなので、今回もブースに行ってみたが、面白そうなので購入した
同社のブースはいつもそこまで混んでおらず、台湾から来たやや暇そうな青年がいつも丁寧に説明し、試遊をさせてくれて、大変好感を持っている
日本語があまり得意でない場合もあるようなので、もし行かれて説明を受けたい際は「英語だったら、ゆっくりだったら聞き取れます」と伝えると互いの苦労が減るかもしれない

売り場の青年は、以下のような説明を行った

「3~5人用、1時間級
軽めな鉄道ゲームです
アクションはシンプルで、
・鉄道の敷設
・株券の購入
のどちらかだけ
2アクションを6ラウンド、合計12アクションでゲームが終わります
『各プレイヤーがそれぞれの鉄道会社を持つ』というわけではなく、6個ある鉄道会社はプレイヤーから独立しています
各々が好きな株券を買って出資を行います
出資を多く行った会社のスコアが伸びると、ゲーム終了時大きな勝利点がもらえます
雰囲気としては、『18XXシリーズ』やワレスの『Age of Steam』とタイプは似ています
ただ、複雑な競りがないし、借金の計算もありません
極力ルールをシンプルにすることに成功しています」

筆者はこの手の株券共同購入運営モノのゲーム(ゲルツの『インペリアル』とか)に目がないので、やや悩んだが買ってしまった

詳細についてだが、すごく楽しかったのでおそらく別記事を挙げる
とにかく面白かった
買った当日に5回も遊んでしまった
無駄な要素がないから長考が起きない
かといって『インペリアル』的な相乗りや間接攻撃の要素もきちんとある
鉄道ゲームの魅力だけを抽出して煮詰めて濃くした
シンプルで、美しく、早い
中だるみはない
切れ味が良い

ただ、秘匿情報や複雑な盤面がないぶん、キングメーカー問題が大きく立ち現れてしまっている
5戦ともで、終盤にはかならず1人は「俺、今回のゲームは1位はムリだわ」と気づくプレイヤーが出てくる
そして、決まってそのプレイヤーの1手によって、上位2~3人の誰が勝つのかが決してしまう
このあたりの欠点と魅力については、別記事で掘り下げる
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『箱庭鉄道/Mini rails』のプレイ風景
スペースはスプレンダーやセンチュリーくらい
ルールの理解は易しいが、ゲームの勝手が見えてくるのが中盤以降なので、時間が許すならば同じメンバーで続けて2戦以上やることをおすすめする 1時間で終わるし

⑤ストック・ザ・ギャザリング/TEN/\3700
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これも赤おに氏の購入物
おそらく1時間程度のゲーム
市場操作をして、持ち株の価値をコントロールして売買し利ざやを稼ぎ、私服を肥やす
ルールブックの解読が筆者らにとってやや難しかった
フェイズの進行がやや明瞭でなく、理解しづらい
ゲームの進行をまとめた1枚もののサマリなどがあるとわかりやすいが、と感じた
ルール確認のために2人戦を2ターンくらい回し、フルゲームはまた今度とした



⑥Hands in the Sea/トリックプレイ/7800円                       
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2人用、120分
ワレスの『数エーカーの雪/A Few Acres of Snow』をリスペクトして作られたゲーム
数エーカーは米仏の戦争だが、ローマとカルタゴの第1次ポエニ戦にリテーマしている 筆者は『数エーカー』にはひどくハマって、Handsのレビューも悪くなさそうだったので、迷ったが購入した

以下では、購入検討者のために数エーカーの雪との違いやおおまかな特徴、魅力について列記する
違いをたくさん記しているが、数エーカーの雪とルールは8割同じ
デッキを構築し、2陣営にわかれて戦争し、陣取りを行うゲーム
プレイ済みであれば、素読みでインスト30分程度である
ルール上の違いと、それがもたらすプレイ感について手短に記す
このゲームについてはおそらく別記事としてあげ直すと思われる

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①ダイス要素の追加
海上戦闘とイベントカードが追加され、それらはダイスで解決される
数エーカーの雪よりもウォーゲームっぽさは増している
海戦でのダイス処理は良いが、イベントカードでのダイス解決はちょっと微妙では、と感じた
後述するリシャッフルがかかるタイミングでダイスイベントが起こるのだが、まあまあ悪いことが両軍のどちらか一方だけに起こる
好み次第だが、もし両プレイヤーが望めばイベントカードは抜いてしまっても、十分面白いゲームになると思われる
ただ、イベントではポエニ戦役当時の地中海世界のあるあるを表現しているわけなので、除外してしまうと風情がなくなってしまうおそれはある
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数エーカーの雪

②リシャッフルごとのミニ決算の追加
カルタゴ側でリシャッフルが起こるたびに前述のイベントカードの処理と、勝利点と収入が得られる
ここの勝利点の処理で25点差つくか、12回リシャッフルがかかるとゲームが強制終了する
この改変の影響は大きく、これによって数エーカーの雪のルールを借りた別ゲーとなっているとさえ感じる
ざっくりいうと、持久型のプレイが大幅にナーフ(弱体化)されている
数エーカーは、良くも悪くもじりじりとしたゲームであった
お互いデッキを圧縮しながら、徐々に前線を上げていく
もし両プレイヤーが持久戦を選択した場合、ゲームがかなり間延びすることもあった
『数エーカー』はゲームの収束性については、やや問題があるゲームだったと言える
 Hands in the Seaではそのようなことは起こらない
もし『数エーカー』と同じような持久型の打ち方をして、都市化とデッキの圧縮をちんたらやっていると、決算ごとの勝利点でじわじわ差がついていく
毎リシャッフルごとに勝利点が蓄積し、25点差なんてあっという間についてしまう
決算は収束性を上げることには大きく寄与しており、悪いプレイ感ではないが、Handsと数エーカーは別ゲーと言って差し支えないと感じる
筆者にとってHandsの決算ルールでは、急かされていると感じてしまうことが多く、あまりしっくりきていない

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③デッキ圧縮の弱体化
筆者にとっての『数エーカー』の魅力はデッキ圧縮のジレンマにあった
領地を増やさないと勝利点が取れないが、領地を増やすと不要な地域カードが入ってきてデッキがかさばる
軍備を増強したいが、軍事カードは金を食うしデッキもかさばる
きれいなデッキを維持したいが、盤面の制圧を狙うとデッキがかさばる
いうドミニオンに似たジレンマに面白さがあった
数エーカーと異なり、Handsにおいては圧縮をのんびりする余裕があまりない
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④海戦と補給線
紙幅がかなりきついので詳細ははぶくが、ルールが追加されている
この改変は面白く、実際のポエニ戦役の状況のシミュレートに寄与している

⑤戦略カード
『マルコポーロの旅路』的な激強な特殊能力が追加されている
楽しい