紙ペンゲームとは、プレイヤーシートとダイスやカードのみを用いる軽めのボードゲームの総称
「ガンツ・シェーン・クレバー」や「ウェルカム・トゥ…」なんかがよく知られている
【A】総論
(1)基本情報
(2)定義
(1)ガンツ・シェーン・クレバー
(2)Welcome To...
(3)コリントス
(4)トロワダイス
【C】作り方
【A】総論
(1)基本情報
記事の目的
・紙ペンゲームの共通の特徴
・何が面白さを規定するのか
・紙ペンゲームが実装しやすいもの/不得意なもの
・設計方法
あたりの言語化/精緻化
想定する読者
「紙ペンゲーム、1,2個はやったことあるかも」くらいの方
参考作品
・Bloxx!・ヤッツィー/ヨット(1956)
・クリス・クロス(2017)
・ガンツ・シェーン・クレバー(2018)
・Welcome To...(2018)
・レイルロード・インク(2018)
・メトロックス(2018)
・コリントス(2019)
・葉っぱのざわめき(2020)
・トロワダイス(2020)
・ゴーネンコーネン(2020)
(2)定義
以下の条件を満たすものを本記事では紙ペンゲーム(Roll & Write,ロールンライト)と呼ぶ
コンポーネント:
・ダイス1-12個
・プレイヤーシート(100枚-200枚)
・ペン(必須ではない)
ダイスはシンプルな乱数発生装置であれば何でも良い
たとえばwelcome to...やメトロックスでは50-100枚程度のカードデッキを用いている
共有ボードやコマなどはないか、あっても最小限
サイズ:
説明 5-15分
プレイ 10-45分
人数 1-6人(ベスト2,3人)
言語依存 たいていない
(3)長所
なによりコンポーネントの少なさが多くのメリットを生んでいる
遊び手からすると、セットアップと片付けがラクなのが最高にありがたい
ガンツ・シェーン・クレバーのプレイ風景
セットアップ/片付けが1分もかからない
売り手の側にとっても利点が大きい
小箱なのも相まって、
・原価
・卸値/売価
・保管料
・送料
全コスト/リスクが安く抑えられる
メリットしかない
あとは、ゲームデザイン的な長所として、
・ダウンタイムの短さ
・対応人数の広さ
も挙げられる
「全プレイヤーが同時にシートに書きこむ」という挙動のおかげで待ち時間をがっつり削れる
普通、何人で遊んでも楽しいゲームを作るのは簡単ではない
「4人ベスト、3人はOK
2人か5人はやめた方がいい」
みたいな事態がヘヴィユーロでは頻発するが
紙ペンはインタラクションの持たせ方がユニークで限定的なので、ソロでも最大人数でも、きちんと楽しめるゲームが多い
(4)相性の悪いメカニクス
紙ペンは強みの多いジャンルだが短所もある
実装できないメカニクスがたくさんある
①リソースマネジメント
資源管理
ワカプレやドラフトによってリソースをゲットする
ゲットしたリソースを支払って、建物/エンジン/勝利点を手に入れる
紙ペンは「リソースを保持して、次のラウンドまで持ちこす」という表現に全く向かない
アグリコラの「今4飯と3木を持っている」みたいなのをやりたいなら、コマを使った方が手っ取り早い
紙ペンを作ろうとすると、資源コマの偉大さに逆説的に気づかされる
物質的なパワー、否定しようがない現前、動かしようのない即自存在がそこにある
コマは手元に置いていても消えてなくならない
支払いに使うまで、ラウンドをまたいでも動かずに存在し続ける
ただし、紙ペンでもシンプルなリソースなら実装はできる
たとえばトロワダイスとコリントス
それぞれリソースマネジメント要素の強い中量級、トロワ、イスファハンをそれぞれダイスゲームにした作品
それらではお金をトラック式の帳簿で管理している
お金を取るたびに〇をつけて、使うたびに〇を×で消させると、所持金が表現できる
実装自体は可能だが、資源コマのクリアな操作感にはどうしても劣る
ゲーム中に何度も行うには煩雑で、紙ペンの手軽さが損なわれてしまう
トロワダイスは悪いゲームではないのだが、3種の資源を得たり失ったりする処理が面倒すぎるのが欠点となっている
トロワダイスのプレイヤーシート
リソーストラックと建物エリアが物理的に近く、やや管理しづらい
トロワダイス
名作ゲームのダイス化/リアレンジはそうなりがちだが、
・制作コストは少なく
・そこそこ売れたらOK
・ユーザーからの信頼値/評価値は切り崩してOK
くらいの、ややイージーな意図で作られたゲームだと推測する
もしそうでないとしたら、作り手の技量の高さのわりに、ちょっと作りの甘さが目立つ
ガンツ・シェーン・クレバーは対比的に、めちゃくちゃUIが作り込まれている
・ダイスの振り直し権
・追加アクション権
を帳簿トラックで管理するのだが、ラウンドをまたいで持ちこせるリソースとして実装している
が、ゲーム中5~6個までしか取る機会がないおかげで、煩雑な印象は生じない
また、帳簿スペースはシート上部に、中央部の箱庭部分からわざと切り離して用意してある
ストレスフリーに設計されている
ダイス、ラウンドトラック、リソースなど、動的な要素を上1/3に固めている
さらにカラーもモノトーンで統一してある
②拡大再生産
リソースマネジメントと拡大再生産はコインの裏表、双子だ
プレイヤーにリソース管理をやらせるなら拡大させてあげるのが人情
反対に、ゲーム内に拡大要素を実装したいなら、リソースの概念抜きには構築できない
拡大再生産とは、ゲームが進むにつれて、やれることが増えたり、強化される形式
紙ペンはリソーストークンを持たないため、プレイヤーに定期収入を渡せない
収入を増やせばプレイヤーは雑に喜んでくれるので、それが禁じられるとなかなかやりづらい
ただ、やりようはあって、収入ではなくアクションの強化ならできる
たとえばコリントスではエンジンとなる建物が4系統あって、それらを建てると特定の出目のアクションが強化される
コリントスのプレイヤーシート
右下部の4個のアイコンが建物で、それぞれ永続能力を持つ
コリントスの建物はゲームのスパイスにはなってくれるが、あくまでサブ要素という感がある
「どんどんやれることが増える、加速する快感」的な体験は、紙ペンにはやや不向きだと思われる
③競り/オークション
古典的なレイズアップ、吊り上げ方式のオークションには向かない
一般的な競りゲームでは、
・お金を何十金も持たせる
・手持ち資金を隠す
上記を満たす必要があるが、どちらも紙ペンにはとても不向き
④ハードなインタラクション全般
紙ペンゲームでは、プレイヤーの思考容量の70%はシートが占める
「シートをきれいに埋め切りたい
その結果として高得点も取りたい」
上記がメインの欲求となる
「相手を殺したい、相手より上回りたい、ウラをかいてあっと言わせたい」
みたいな、薄汚れた対人欲求がそもそも生じにくい設計になっている
・マップをめぐっての陣取り
・競りのヒートアップ
・経済的な協力/相乗り
みたいな、重ゲーを彩る華やかなインタラクションは、よほど構造を歪ませないかぎり実装できない
⑤写真映え
メカニクスではないが、写真映えがしづらい
写真映えはSNSの拡散に直結するが、下記のような副次的効果もある
写真映えする
→終了時の盤面がいちばんキレイ
→ゲーム終盤に感情のピークを持ってこれている
→リプレイ欲求が高まる
という場合が多い
「写真映えさせる」という目的でディベロップすると、自然とリプレイされやすい方向でゲームが仕上がってくれる
(5)相性の良いメカニクス
紙ペンゲームの特性にマッチしたメカニクスやインタラクション要素も多く存在する
①チキンレース
(葉っぱのざわめき、ヤッツィー、ゴーネンコーネン)
何回かチャレンジができ、失敗するとリスクがある
葉っぱのざわめきが好例で、ほぼ多人数ソリティアなのだが、スコアが僅差だと、最終盤に若干の駆け引きが発生することがある
「もうゲームからオリて得点を確定させたい
でも、現状では明らかに相手より点数が低い
1位を目指すためなら、分が悪いギャンブルになるが、まだオリずに攻めるべきか?」
という
葉っぱのざわめき
ダイス目に応じてシートに長方形を書き込むが、書き込めない出目が出てしまうと減点となる
②ダイスドラフト
(ガンツ・シェーン・クレバー,コリントス)
コリントスでは、
・全部振る
・スタPから順に好きな出目のダイスを全部取ってアクション
をやる
いちばんシンプルなドラフトだ
ダウンタイムが短いし、過度な長考が入る余地がない
ただし、
・4人戦の最後手番などで、まともなダイスが残っていない
・なんならダイスが1つも残っていない
みたいな雑な展開が生じ得る
コリントスの共有ボード
ダイスドラフトの部分は原作のイスファハンとほぼ同じで、とてもシンプル
ガンツ・シェーン・クレバーのドラフトはコリントスより工数が多い
・手番プレイヤーが6個ダイスを振って1個ピック
・上を3回行う
・非手番プレイヤーは残ったダイス3個→1個を選んでアクション
親は3アクション、残り物のダイスで子は1アクション
・ダウンタイムがちょっと伸びる
・若干複雑
上記がガンシェンの欠点だが、
「強い出目のダイスだけ取りたい
でも自分の得点化を優先しすぎると、子にも強い出目のダイスを与えかねない」
という稀有なインタラクションが生じている
③早取り
(Welcome to...,メトロックス、コリントス)
いくつかのルートを用意して、条件を最速で達成したら勝利点を得る
ウェルカムトゥやメトロックスでは、2番手以降のプレイヤーは得られる勝利点が減る
コリントスでは1番手以外はまったく何も得られない
紙ペンはダイスドラフトを入れないと「他人とやってる感」が得られない場合が多い
早取りを入れるといい感じにバランスが取れる
Welcome to...の条件カード
④終了トリガー
(Welcome to...,)
規定ラウンド行うのではなく、特定の条件が達成されたら終了
ウェルカムトゥは3個の条件達成がトリガー
前項の早取りと合わせやすい
トリガーをめぐっての駆け引きは、電力会社やScytheなどのヘヴィユーロだと、
「走って引きに行くか、相手に引かせるか」
みたいな探り合いが楽しいが
ウェルカムトゥでは、「単に得点行動を重ねていくと自然とトリガーに達する」というシンプルな仕組み
⑤ポリオミノパズル
(Bloxx!,クリスクロス,葉っぱのざわめき,レイルロードインク)
プレイヤーシートが長方形のグリッドになっており、ダイス目やカードのお題通りに埋めていく
オーディンやパッチワークと同じだが、実物のタイルを、
・手で触る
・手元で回転させる
・裏返す
みたいな、物理的な挙動が実装できない
特殊な訓練を積まないかぎり、人は頭の中だけでテトリスはできない
だから、タイルの形をもっとシンプルにする必要がある
クリスクロスだとポリオミノでなくドミノ(1×2)
葉っぱのざわめきは1×1~4×4の長方形
クリスクロス
ダイス2個の出目をドミノ牌に見立てて個人ボードに書き込んでいく
⑥ビンゴゲーム
(ガンツ・シェーン・クレバー,Welcome to...,メトロックス,クリスクロス)
ダイスやカードに指定されたマスを塗りつぶして、シートを完成させていく
列やエリアを埋め切ると、即時ボーナスや終了時の加点が得られる
「いちど書き込むと消せない」という紙ペンの特徴が活かせるルールだ
個人ボードにタイルやトークンを置いてもビンゴができるが、紙ペンの方が物理的衝撃に強く、間違いが起こりづらい
【B】各論
代表的な作品を読み解く
(1)ガンツ・シェーン・クレバー(2018)
「クアックサルバー」「ザ・マインド」らを擁するW.ウォルーシュの代表作の1つ
BGGランク131位
紙ペンカテゴリのなかではWelcome to...(123位)についで高い
エンジンビルドゲームの加速の快感を、永続能力によってでなく、即時ボーナスの連鎖によって再現する
これがガンシェンにあって他の紙ペンにはない、最大の強みだと筆者は理解する
エンジンをブン回すのは楽しい
たとえばテラフォのサイエンスルート
・AIセントラル(2ドロー)で科学タグを溜めこんで
・反重力技術(全カードー2コスト)を展開して
・ついでに地球カタパルト(-2コスト)まで出して
延々カードを出し続ける
テラフォで最も快感度の高いルートだ
反重力技術,科学ルートの和了りカード
ガンシェンはテラフォのようなコスト軽減やカードドローなんかはない
永続能力による強化でなく、即時ボーナスの連鎖でその爽快感を再現している
ダイスを取って、そのカラーのゾーンに出目を書き込むゲームなのだが
ちょいちょい即時ボーナスがもらえる
たとえばイエローは4×4の正方形マップでビンゴをやらせて、横列が完成するたびに即時ボーナスがもらえる
イエローの横一列を埋め切ったボーナスで、パープルに6の出目を書き込む
→パープルの出目ボーナスでブルーに好きな出目を書き込む
→さらにブルーでもボーナスがもらえて
みたいな
各カラーで用意されている即時ボーナスが連鎖し合う
ボーナスが得られるタイミングも、またよく作られている
線形/リニア/直線的ではないのだ
序盤は取りづらく、終盤に向けて回数が増えるように調整されている
最後の1,2ラウンドは即時ボーナスはバンバンもらえるし、+1アクションでアクション数も増えるしで
野球のビッグイニング、パチンコの確変状態みたいな盛り上がり方をする
この加速感の演出が見事だ
ゲームの骨格としては、まったく拡大再生産要素はない
なのに、プレイ体験はエンジンビルドゲームさながら、終盤に向かって盛り上がる
プレイ後には、
「あと2アクションあれば30点伸びたのに」くらいの
大方楽しいことはやれたが、まだもうちょっとやりたかった
終わるタイミングが適切で、リプレイ欲求を高めている
(2)Welcome To...(2018)
紙ペンゲームのなかでは最もBGGランクが高い(123位)
ちゃんと面白い
ガンシェンのようなめくるめくコンボ、途切れない脳内麻薬、みたいな熱さはないが
30分きっちり楽しませてくれる佳作だ
ガンシェンと比較した際の優位性として、
・人数がめちゃくちゃ可変的
・ダウンタイムが全然ない
が挙げられる
ガンシェンは1-4人だが、4人プレイだとちょっとダウンタイムが気になる
それに対してウェルカムトゥは、8~10人くらいで遊んでもプレイ時間不変で、プレイ感も損なわれない
システム周りで何か書くとするなら、カードデッキの作り方がユニークだ
1~15の数字で、8が最も多く、1や15はとても少ない枚数
正規分布を少しゆがめたような構成比としている
正規分布的な曲線を作りたいなら、2個か3個のダイスの和でも再現できる
6面ダイス3個の和の分布
考察ではなく、もはや放談だが、
「ウェルカムトゥ、プロトタイプはカードデッキじゃなくてダイスだったんでは」と想像しなくはない
なお、デザイナーインタビューにはそういった記述はない
2021/9追記:
https://www.boardgamehalv.com/benoit-turpin-interview/
上記リンク先に、「試作段階だと、8面ダイス2個(出目2-16)で数字を指定し、6面ダイス1個で建物種を指定していた。パブリッシャーの意向でカード方式に変更した」と記述あり
ただ、ダイスよりもカードデッキの方が丸い、柔らかいメカニクスだ
運の荒々しさがなく、ゲーム展開のコントロールがしやすい
確率の低い1や15のカードもいつかめくれてくれる
ガンシェンはダイスゲームだから「いつまで経ってもパープルの6が出ない」みたいな危険な事態はわりと起こる
そういう事態でも、前述の即時ボーナスが機能してくれる
6のパープルが出ない場合は、ボーナス権を上手く使うと無理やり出た扱いにできる
(3)コリントス(2019)
イスタリの軽めの名作、イスファハン(2006)の紙ペン版
出来は良いしちゃんとバランスも良いが、
・ガンシェンの終盤のスピード感/疾走感
・ウェルカムトゥの個人シートの町がにぎやかになっていく楽しさ
みたいな、「このゲームでないと味わえない」という体験はちょっと思いつかない
何が筆者に刺さらないのか
ガンシェン、ウェルカムトゥと比較して目立っている欠点として、終盤の蛇足感が挙げられる
3人2-4人でBGG的には3人ベストとされているが、3人戦はちょっと長くて中だるみする
2人=12手
3人=18手
4人=16手
と、3人戦の手数が最も多いのだ
得点効率が良い出荷アクションが早取りなのもあって、だいたい10手目くらいですべての出荷先が閉じてしまう
ゲーム後半は弱い加点行動を重ねる以外やることがなく、やや単調なプレイ体験となってしまう
じゃあどうすれば自分好みに近づくかだが
本作のような出荷の早取りを採用するなら、ラウンド数を固定にするのでなく、ウェルカムトゥのようなトリガー制にしてもよかったのかもしれない
「出荷先がなくなったら、追加で1Rで1手番ずつ親をやって終了」的な
(4)トロワダイス(2020)
BGGランク81位の人気作、トロワ(2010)の紙ペン版
紙ペンには珍しく、他プレイヤーとのインタラクション要素が一切ない
完全なソリティアであり、BGG的にも1-2人ベストとされている
トロワダイス、ソロでやる分には悪くないゲームではあるが
要素がちょっと多く、若干テンポが悪い
トロワダイスのBGGのcomplexity(複雑性)は2.3
アイルオブキャッツ(2.32)やカタン(2.3)、普通のボードゲームなら中量級なのだが
紙ペンだと若干too muchな印象
ちなみにガンシェンは1.9、ウェルカムトゥは1.8
主語が大きい言明になるが、テンポの良い、紙ペンらしさが活かせるcompexity range(複雑さの範囲)は1.7-2.0あたりなのだと思われる
なお、トロワダイスよりもっと重たい紙ペンとして、
フリート・ザ・ダイスゲーム(2.7)
ハドリアヌスの壁(4.0)
が挙げられる
どちらも未プレイなので本記事では掘り下げない
トロワダイスの重だるさ/テンポの悪さの最大の要因は、リソース周りにあると思われる
3種ある資源を支払うことで、ダイスの出目やカラーを変えることができる
出目どころか色まで変えられてしまうため、なんでもやれすぎてしまうのだ
ガンシェンやコリントスは与えられたダイスを取るだけなのでサクサク遊べるが
トロワでは出目もカラーも変えられるため、検討可能な合法手がかなり多く、テンポを削いでいる
【C】作り方
紙ペンを作る場合、
・ダイス/カードをどのように選ばせるか (アクション/インタラクション)
・シートに何を書き込ませるか/何を作らせるか (テーマ/パズル)
・最終盤のピークをどう作るか (感情曲線)
ひとまずこの3セクションに分けて考えると効率が良いと思われる
筆者は並行して何個か作る人間だが、紙ペンもひまを見て手を付けてはいる
試しては壊すなかで、トライ&エラーの経験知が多少蓄積しつつある
現状特に書くべきことはないが、今後デザイナーノートなど、どこか節目のタイミングで記す可能性がある
「ガンツ・シェーン・クレバー」や「ウェルカム・トゥ…」なんかがよく知られている
【A】総論
(1)基本情報
(2)定義
(3)長所
(4)相性の悪いメカニクス
①リソースマネジメント
②拡大再生産
③競り/オークション
④ハードなインタラクション全般
⑤写真映え
(5)相性の良いメカニクス
①チキンレース
①チキンレース
②ダイスドラフト
③早取り
④終了トリガー
⑤ポリオミノパズル
⑥ビンゴゲーム
【B】各論⑥ビンゴゲーム
(1)ガンツ・シェーン・クレバー
(2)Welcome To...
(3)コリントス
(4)トロワダイス
【C】作り方
【A】総論
(1)基本情報
記事の目的
・紙ペンゲームの共通の特徴
・何が面白さを規定するのか
・紙ペンゲームが実装しやすいもの/不得意なもの
・設計方法
あたりの言語化/精緻化
想定する読者
「紙ペンゲーム、1,2個はやったことあるかも」くらいの方
参考作品
・Bloxx!・ヤッツィー/ヨット(1956)
・クリス・クロス(2017)
・ガンツ・シェーン・クレバー(2018)
・Welcome To...(2018)
・レイルロード・インク(2018)
・メトロックス(2018)
・コリントス(2019)
・葉っぱのざわめき(2020)
・トロワダイス(2020)
・ゴーネンコーネン(2020)
(2)定義
以下の条件を満たすものを本記事では紙ペンゲーム(Roll & Write,ロールンライト)と呼ぶ
コンポーネント:
・ダイス1-12個
・プレイヤーシート(100枚-200枚)
・ペン(必須ではない)
ダイスはシンプルな乱数発生装置であれば何でも良い
たとえばwelcome to...やメトロックスでは50-100枚程度のカードデッキを用いている
共有ボードやコマなどはないか、あっても最小限
サイズ:
説明 5-15分
プレイ 10-45分
人数 1-6人(ベスト2,3人)
言語依存 たいていない
(3)長所
なによりコンポーネントの少なさが多くのメリットを生んでいる
遊び手からすると、セットアップと片付けがラクなのが最高にありがたい
ガンツ・シェーン・クレバーのプレイ風景
セットアップ/片付けが1分もかからない
売り手の側にとっても利点が大きい
小箱なのも相まって、
・原価
・卸値/売価
・保管料
・送料
全コスト/リスクが安く抑えられる
メリットしかない
あとは、ゲームデザイン的な長所として、
・ダウンタイムの短さ
・対応人数の広さ
も挙げられる
「全プレイヤーが同時にシートに書きこむ」という挙動のおかげで待ち時間をがっつり削れる
普通、何人で遊んでも楽しいゲームを作るのは簡単ではない
「4人ベスト、3人はOK
2人か5人はやめた方がいい」
みたいな事態がヘヴィユーロでは頻発するが
紙ペンはインタラクションの持たせ方がユニークで限定的なので、ソロでも最大人数でも、きちんと楽しめるゲームが多い
(4)相性の悪いメカニクス
紙ペンは強みの多いジャンルだが短所もある
実装できないメカニクスがたくさんある
①リソースマネジメント
資源管理
ワカプレやドラフトによってリソースをゲットする
ゲットしたリソースを支払って、建物/エンジン/勝利点を手に入れる
紙ペンは「リソースを保持して、次のラウンドまで持ちこす」という表現に全く向かない
アグリコラの「今4飯と3木を持っている」みたいなのをやりたいなら、コマを使った方が手っ取り早い
紙ペンを作ろうとすると、資源コマの偉大さに逆説的に気づかされる
物質的なパワー、否定しようがない現前、動かしようのない即自存在がそこにある
コマは手元に置いていても消えてなくならない
支払いに使うまで、ラウンドをまたいでも動かずに存在し続ける
ただし、紙ペンでもシンプルなリソースなら実装はできる
たとえばトロワダイスとコリントス
それぞれリソースマネジメント要素の強い中量級、トロワ、イスファハンをそれぞれダイスゲームにした作品
それらではお金をトラック式の帳簿で管理している
お金を取るたびに〇をつけて、使うたびに〇を×で消させると、所持金が表現できる
実装自体は可能だが、資源コマのクリアな操作感にはどうしても劣る
ゲーム中に何度も行うには煩雑で、紙ペンの手軽さが損なわれてしまう
トロワダイスは悪いゲームではないのだが、3種の資源を得たり失ったりする処理が面倒すぎるのが欠点となっている
トロワダイスのプレイヤーシート
リソーストラックと建物エリアが物理的に近く、やや管理しづらい
トロワダイス
名作ゲームのダイス化/リアレンジはそうなりがちだが、
・制作コストは少なく
・そこそこ売れたらOK
・ユーザーからの信頼値/評価値は切り崩してOK
くらいの、ややイージーな意図で作られたゲームだと推測する
もしそうでないとしたら、作り手の技量の高さのわりに、ちょっと作りの甘さが目立つ
ガンツ・シェーン・クレバーは対比的に、めちゃくちゃUIが作り込まれている
・ダイスの振り直し権
・追加アクション権
を帳簿トラックで管理するのだが、ラウンドをまたいで持ちこせるリソースとして実装している
が、ゲーム中5~6個までしか取る機会がないおかげで、煩雑な印象は生じない
また、帳簿スペースはシート上部に、中央部の箱庭部分からわざと切り離して用意してある
ストレスフリーに設計されている
ダイス、ラウンドトラック、リソースなど、動的な要素を上1/3に固めている
さらにカラーもモノトーンで統一してある
②拡大再生産
リソースマネジメントと拡大再生産はコインの裏表、双子だ
プレイヤーにリソース管理をやらせるなら拡大させてあげるのが人情
反対に、ゲーム内に拡大要素を実装したいなら、リソースの概念抜きには構築できない
拡大再生産とは、ゲームが進むにつれて、やれることが増えたり、強化される形式
紙ペンはリソーストークンを持たないため、プレイヤーに定期収入を渡せない
収入を増やせばプレイヤーは雑に喜んでくれるので、それが禁じられるとなかなかやりづらい
ただ、やりようはあって、収入ではなくアクションの強化ならできる
たとえばコリントスではエンジンとなる建物が4系統あって、それらを建てると特定の出目のアクションが強化される
コリントスのプレイヤーシート
右下部の4個のアイコンが建物で、それぞれ永続能力を持つ
コリントスの建物はゲームのスパイスにはなってくれるが、あくまでサブ要素という感がある
「どんどんやれることが増える、加速する快感」的な体験は、紙ペンにはやや不向きだと思われる
③競り/オークション
古典的なレイズアップ、吊り上げ方式のオークションには向かない
一般的な競りゲームでは、
・お金を何十金も持たせる
・手持ち資金を隠す
上記を満たす必要があるが、どちらも紙ペンにはとても不向き
④ハードなインタラクション全般
紙ペンゲームでは、プレイヤーの思考容量の70%はシートが占める
「シートをきれいに埋め切りたい
その結果として高得点も取りたい」
上記がメインの欲求となる
「相手を殺したい、相手より上回りたい、ウラをかいてあっと言わせたい」
みたいな、薄汚れた対人欲求がそもそも生じにくい設計になっている
・マップをめぐっての陣取り
・競りのヒートアップ
・経済的な協力/相乗り
みたいな、重ゲーを彩る華やかなインタラクションは、よほど構造を歪ませないかぎり実装できない
⑤写真映え
メカニクスではないが、写真映えがしづらい
写真映えはSNSの拡散に直結するが、下記のような副次的効果もある
写真映えする
→終了時の盤面がいちばんキレイ
→ゲーム終盤に感情のピークを持ってこれている
→リプレイ欲求が高まる
という場合が多い
「写真映えさせる」という目的でディベロップすると、自然とリプレイされやすい方向でゲームが仕上がってくれる
(5)相性の良いメカニクス
紙ペンゲームの特性にマッチしたメカニクスやインタラクション要素も多く存在する
①チキンレース
(葉っぱのざわめき、ヤッツィー、ゴーネンコーネン)
何回かチャレンジができ、失敗するとリスクがある
葉っぱのざわめきが好例で、ほぼ多人数ソリティアなのだが、スコアが僅差だと、最終盤に若干の駆け引きが発生することがある
「もうゲームからオリて得点を確定させたい
でも、現状では明らかに相手より点数が低い
1位を目指すためなら、分が悪いギャンブルになるが、まだオリずに攻めるべきか?」
という
葉っぱのざわめき
ダイス目に応じてシートに長方形を書き込むが、書き込めない出目が出てしまうと減点となる
②ダイスドラフト
(ガンツ・シェーン・クレバー,コリントス)
コリントスでは、
・全部振る
・スタPから順に好きな出目のダイスを全部取ってアクション
をやる
いちばんシンプルなドラフトだ
ダウンタイムが短いし、過度な長考が入る余地がない
ただし、
・4人戦の最後手番などで、まともなダイスが残っていない
・なんならダイスが1つも残っていない
みたいな雑な展開が生じ得る
コリントスの共有ボード
ダイスドラフトの部分は原作のイスファハンとほぼ同じで、とてもシンプル
ガンツ・シェーン・クレバーのドラフトはコリントスより工数が多い
・手番プレイヤーが6個ダイスを振って1個ピック
・上を3回行う
・非手番プレイヤーは残ったダイス3個→1個を選んでアクション
親は3アクション、残り物のダイスで子は1アクション
・ダウンタイムがちょっと伸びる
・若干複雑
上記がガンシェンの欠点だが、
「強い出目のダイスだけ取りたい
でも自分の得点化を優先しすぎると、子にも強い出目のダイスを与えかねない」
という稀有なインタラクションが生じている
③早取り
(Welcome to...,メトロックス、コリントス)
いくつかのルートを用意して、条件を最速で達成したら勝利点を得る
ウェルカムトゥやメトロックスでは、2番手以降のプレイヤーは得られる勝利点が減る
コリントスでは1番手以外はまったく何も得られない
紙ペンはダイスドラフトを入れないと「他人とやってる感」が得られない場合が多い
早取りを入れるといい感じにバランスが取れる
Welcome to...の条件カード
④終了トリガー
(Welcome to...,)
規定ラウンド行うのではなく、特定の条件が達成されたら終了
ウェルカムトゥは3個の条件達成がトリガー
前項の早取りと合わせやすい
トリガーをめぐっての駆け引きは、電力会社やScytheなどのヘヴィユーロだと、
「走って引きに行くか、相手に引かせるか」
みたいな探り合いが楽しいが
ウェルカムトゥでは、「単に得点行動を重ねていくと自然とトリガーに達する」というシンプルな仕組み
⑤ポリオミノパズル
(Bloxx!,クリスクロス,葉っぱのざわめき,レイルロードインク)
プレイヤーシートが長方形のグリッドになっており、ダイス目やカードのお題通りに埋めていく
オーディンやパッチワークと同じだが、実物のタイルを、
・手で触る
・手元で回転させる
・裏返す
みたいな、物理的な挙動が実装できない
特殊な訓練を積まないかぎり、人は頭の中だけでテトリスはできない
だから、タイルの形をもっとシンプルにする必要がある
クリスクロスだとポリオミノでなくドミノ(1×2)
葉っぱのざわめきは1×1~4×4の長方形
クリスクロス
ダイス2個の出目をドミノ牌に見立てて個人ボードに書き込んでいく
⑥ビンゴゲーム
(ガンツ・シェーン・クレバー,Welcome to...,メトロックス,クリスクロス)
ダイスやカードに指定されたマスを塗りつぶして、シートを完成させていく
列やエリアを埋め切ると、即時ボーナスや終了時の加点が得られる
「いちど書き込むと消せない」という紙ペンの特徴が活かせるルールだ
個人ボードにタイルやトークンを置いてもビンゴができるが、紙ペンの方が物理的衝撃に強く、間違いが起こりづらい
【B】各論
代表的な作品を読み解く
(1)ガンツ・シェーン・クレバー(2018)
「クアックサルバー」「ザ・マインド」らを擁するW.ウォルーシュの代表作の1つ
BGGランク131位
紙ペンカテゴリのなかではWelcome to...(123位)についで高い
エンジンビルドゲームの加速の快感を、永続能力によってでなく、即時ボーナスの連鎖によって再現する
これがガンシェンにあって他の紙ペンにはない、最大の強みだと筆者は理解する
エンジンをブン回すのは楽しい
たとえばテラフォのサイエンスルート
・AIセントラル(2ドロー)で科学タグを溜めこんで
・反重力技術(全カードー2コスト)を展開して
・ついでに地球カタパルト(-2コスト)まで出して
延々カードを出し続ける
テラフォで最も快感度の高いルートだ
反重力技術,科学ルートの和了りカード
ガンシェンはテラフォのようなコスト軽減やカードドローなんかはない
永続能力による強化でなく、即時ボーナスの連鎖でその爽快感を再現している
ダイスを取って、そのカラーのゾーンに出目を書き込むゲームなのだが
ちょいちょい即時ボーナスがもらえる
たとえばイエローは4×4の正方形マップでビンゴをやらせて、横列が完成するたびに即時ボーナスがもらえる
イエローの横一列を埋め切ったボーナスで、パープルに6の出目を書き込む
→パープルの出目ボーナスでブルーに好きな出目を書き込む
→さらにブルーでもボーナスがもらえて
みたいな
各カラーで用意されている即時ボーナスが連鎖し合う
ボーナスが得られるタイミングも、またよく作られている
線形/リニア/直線的ではないのだ
序盤は取りづらく、終盤に向けて回数が増えるように調整されている
最後の1,2ラウンドは即時ボーナスはバンバンもらえるし、+1アクションでアクション数も増えるしで
野球のビッグイニング、パチンコの確変状態みたいな盛り上がり方をする
この加速感の演出が見事だ
ゲームの骨格としては、まったく拡大再生産要素はない
なのに、プレイ体験はエンジンビルドゲームさながら、終盤に向かって盛り上がる
プレイ後には、
「あと2アクションあれば30点伸びたのに」くらいの
大方楽しいことはやれたが、まだもうちょっとやりたかった
終わるタイミングが適切で、リプレイ欲求を高めている
(2)Welcome To...(2018)
紙ペンゲームのなかでは最もBGGランクが高い(123位)
ちゃんと面白い
ガンシェンのようなめくるめくコンボ、途切れない脳内麻薬、みたいな熱さはないが
30分きっちり楽しませてくれる佳作だ
ガンシェンと比較した際の優位性として、
・人数がめちゃくちゃ可変的
・ダウンタイムが全然ない
が挙げられる
ガンシェンは1-4人だが、4人プレイだとちょっとダウンタイムが気になる
それに対してウェルカムトゥは、8~10人くらいで遊んでもプレイ時間不変で、プレイ感も損なわれない
システム周りで何か書くとするなら、カードデッキの作り方がユニークだ
1~15の数字で、8が最も多く、1や15はとても少ない枚数
正規分布を少しゆがめたような構成比としている
正規分布的な曲線を作りたいなら、2個か3個のダイスの和でも再現できる
6面ダイス3個の和の分布
考察ではなく、もはや放談だが、
「ウェルカムトゥ、プロトタイプはカードデッキじゃなくてダイスだったんでは」と想像しなくはない
なお、デザイナーインタビューにはそういった記述はない
2021/9追記:
https://www.boardgamehalv.com/benoit-turpin-interview/
上記リンク先に、「試作段階だと、8面ダイス2個(出目2-16)で数字を指定し、6面ダイス1個で建物種を指定していた。パブリッシャーの意向でカード方式に変更した」と記述あり
ただ、ダイスよりもカードデッキの方が丸い、柔らかいメカニクスだ
運の荒々しさがなく、ゲーム展開のコントロールがしやすい
確率の低い1や15のカードもいつかめくれてくれる
ガンシェンはダイスゲームだから「いつまで経ってもパープルの6が出ない」みたいな危険な事態はわりと起こる
そういう事態でも、前述の即時ボーナスが機能してくれる
6のパープルが出ない場合は、ボーナス権を上手く使うと無理やり出た扱いにできる
(3)コリントス(2019)
イスタリの軽めの名作、イスファハン(2006)の紙ペン版
出来は良いしちゃんとバランスも良いが、
・ガンシェンの終盤のスピード感/疾走感
・ウェルカムトゥの個人シートの町がにぎやかになっていく楽しさ
みたいな、「このゲームでないと味わえない」という体験はちょっと思いつかない
何が筆者に刺さらないのか
ガンシェン、ウェルカムトゥと比較して目立っている欠点として、終盤の蛇足感が挙げられる
3人2-4人でBGG的には3人ベストとされているが、3人戦はちょっと長くて中だるみする
2人=12手
3人=18手
4人=16手
と、3人戦の手数が最も多いのだ
得点効率が良い出荷アクションが早取りなのもあって、だいたい10手目くらいですべての出荷先が閉じてしまう
ゲーム後半は弱い加点行動を重ねる以外やることがなく、やや単調なプレイ体験となってしまう
じゃあどうすれば自分好みに近づくかだが
本作のような出荷の早取りを採用するなら、ラウンド数を固定にするのでなく、ウェルカムトゥのようなトリガー制にしてもよかったのかもしれない
「出荷先がなくなったら、追加で1Rで1手番ずつ親をやって終了」的な
(4)トロワダイス(2020)
BGGランク81位の人気作、トロワ(2010)の紙ペン版
紙ペンには珍しく、他プレイヤーとのインタラクション要素が一切ない
完全なソリティアであり、BGG的にも1-2人ベストとされている
トロワダイス、ソロでやる分には悪くないゲームではあるが
要素がちょっと多く、若干テンポが悪い
トロワダイスのBGGのcomplexity(複雑性)は2.3
アイルオブキャッツ(2.32)やカタン(2.3)、普通のボードゲームなら中量級なのだが
紙ペンだと若干too muchな印象
ちなみにガンシェンは1.9、ウェルカムトゥは1.8
主語が大きい言明になるが、テンポの良い、紙ペンらしさが活かせるcompexity range(複雑さの範囲)は1.7-2.0あたりなのだと思われる
なお、トロワダイスよりもっと重たい紙ペンとして、
フリート・ザ・ダイスゲーム(2.7)
ハドリアヌスの壁(4.0)
が挙げられる
どちらも未プレイなので本記事では掘り下げない
トロワダイスの重だるさ/テンポの悪さの最大の要因は、リソース周りにあると思われる
3種ある資源を支払うことで、ダイスの出目やカラーを変えることができる
出目どころか色まで変えられてしまうため、なんでもやれすぎてしまうのだ
ガンシェンやコリントスは与えられたダイスを取るだけなのでサクサク遊べるが
トロワでは出目もカラーも変えられるため、検討可能な合法手がかなり多く、テンポを削いでいる
【C】作り方
紙ペンを作る場合、
・ダイス/カードをどのように選ばせるか (アクション/インタラクション)
・シートに何を書き込ませるか/何を作らせるか (テーマ/パズル)
・最終盤のピークをどう作るか (感情曲線)
ひとまずこの3セクションに分けて考えると効率が良いと思われる
筆者は並行して何個か作る人間だが、紙ペンもひまを見て手を付けてはいる
試しては壊すなかで、トライ&エラーの経験知が多少蓄積しつつある
現状特に書くべきことはないが、今後デザイナーノートなど、どこか節目のタイミングで記す可能性がある
コメント