箸休め的な、やや薄味の記事です。
有我悟さんの100の質問への回答を、そのまま載せています。
質問はこちらから借用しています。
https://tantramachine.hatenablog.com/entry/20190904/1567599483

この場を借りて、感謝を申し上げます。
また、本ブログの他記事と異なり、筆者の主観や感情面についての記述が多めです。

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Q1 ボドゲ歴は何年ですか?
3~4年です。

Q2 初めて遊んだボードゲームは何ですか?
カルカソンヌですね。
とても衝撃的でした。
遊んだのは友人のあまみちくんとおやすみくん。おやすみくんはイントリーゲを一緒にプレイした友人です。
あまりに面白くて夜通しやっていました。

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Carcassonne(2000) by K.Wrede

少し余談ですが、卓上ゲームという広い範疇でいうなら、小学校中学年に始めた将棋が最初でもあります。
当時の担任の先生が、ある日中古の将棋盤を10面くらい持ってきました。
「これ教室に置いとくわ。
雨の日はこれで遊んでええよ、ルールはわかる子が教えたってな。
あと、晴れてたら外で遊ぶこと」
と。
筆者は、今も昔も屋外球技は得意としておらず、同級生の足を引っ張ることが多かったです。
さらに今思うと、チームでの競技もやや肌に合わなかったのかもしれません。
将棋はそれとは逆で個人戦ですね。また、何より同級生よりも若干速く上達したのも大きかったのでしょう。強くなるのが嬉しくて、とても楽しくプレイしていました。雨の日が嬉しかった。
親に将棋盤が欲しいというと、すぐにダイエーまで車を走らせて与えてくれました。
「いつもテレビゲームや漫画を所望するときはまったく良い顔をしないのに
なんで優遇されるんだろう」

と当時は不思議に感じていました。ただ、実力は早い段階で頭打ちとなり、クラスで2位くらいの実力になるのがやっとでした。

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Q3 誰とボードゲームを遊ぶ事が多いですか?
知り合いや友人ですね。ボードゲーム以外では会わない方が多いです。

Q4 どこでボードゲームを遊ぶことが多いですか?
ボードゲームカフェですね。たまに友人のお宅にお邪魔することもあります。

Q5 どれくらいの頻度でボードゲームで遊びますか?
デジタルのものや、記事作成、自作ゲームの作業などを合わせると、ほぼ毎日何かしらのかたちで触っています。
実際に卓を囲む頻度は、仕事の忙しさによってまちまちです。

Q6 ボードゲームはいくつくらい持っていますか?
20個くらいですね。

Q7 あなたのベストボードゲームは?
M.ゲルツのインペリアルですね。
素晴らしいんですよ、本当に。すごい。
初回プレイ時には、「なんなんだろう、このゲームは。どうなっているんだろう」というような、脳を直接ハックされたような衝撃がありました。
テーマ、メカニクス、アートワーク、すべてを好いています。
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Imperial(2006) by M.Gertds

Q8 好きなゲームデザイナーは誰?
最近はS.ルチアーニがすごく好きです。ルチアーニの代表作に、グランドオーストリアホテルとバラージがあるんですが、いずれも面白すぎるんですよね。なんであんなの作れるんでしょうね。
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Barrage by S.Luciani


Q9 嫌いな(苦手な)ゲームデザイナーは?
「自分が気持ち良いバランスとちょっとずれてるなあ」と感じるゲームはけっこう多いです。
ここ最近、一定以上ゲームを触るようになってきてから「残念ながら、自分の好みはあまり幅広いわけではない」ことに気づきました。

たとえば、同一デザイナーの複数の作品が合わないと感じるときがあります。
いくつか挙げるとすれば、ルディガー・ドーンの「イスタンブール」や「ゴア」、Stedingの「ハンザテウトニカ」、「故宮」。
これらはまぎれもない名作です。
ただ、筆者の好みよりもちょっと終了が早いんですよ。
しっかりエンジンを組みたいと思っていると、あっという間にゲームが終わってしまう。
もうちょっと長く箱庭でエンジンを組みたいのに、せわしなく勝利点行動をやっていかないとならない。急がないと、何もなせないまま負けてしまうんですよね。
ちょっとそわそわ感、ハラハラ感が強くて、あまりしっくりきません。
ただ、これは本当に些細な、味付けの好みのようなものだと感じます。

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Hansa Teutonica(2009) by A.Steding

Q10 好きなメカニクスは?
アクション数が不定のゲームが好きです。
工夫次第で手数が多くできるゲームですね。
ガイアやテラフォみたいに、アクションポイント制(お金)でもいいです。
インペリアルや18XXのように、株式でアクションの支配権を奪い合うのも最高です。
イタリア系ゲームによくみられる、工夫次第でボーナスアクションが増えるのもたまらない。
そして、なんといっても増員があるワカプレ。これ以上の喜びはありません。


Q11 苦手/嫌いなメカニクスは?
ゲームの集中が途切れてしまうと良くないよなあ、と最近感じます。
少し表現が難しいんですが、ボードゲームって向かい合ってやる以上、セッション的というか、一回性の楽しさをみんなで作っていくような部分があると思うんです。
たとえば、はじめて箱を開けて、プレイヤー全員が初プレイの第1ゲーム目ってすごく特別なものだったりしますし。
良いセッションを安定して作れるといいのですが、ゲームによっては安定感が低いものもあります。
安定度が低い場合、プレイヤー全体を仲立ちするもの、ゲームをゲームたらしめている紐帯のようなものが、揺らぐような感覚を覚えます。
そういうゲームはいくらか評価が落ちます。
具体体には、
・公開情報が多すぎる=見通しが良すぎる。
・不確定要素が多すぎる=予測が意味をなさない。

どちらに行き過ぎても良いセッションは成立させづらい。この中間くらいが良いです。
見えている情報が多すぎると、巧拙の差がもろに出ます。誰かが大勝する一方的なゲームになりやすく、終盤の集中が損なわれます。
かといって、運要素やランダム性が強すぎるとプレイヤーの集中が維持できません。「運ゲーだから何やっても同じでは」と投げやりな手が増えてしまいます。

Q12 好きなボードゲームのテーマ/モチーフ/世界観は?
歴史は総じて好きですね。
「ググると豊富な裏設定が見つかるのに、ゲームのなかではさらっとしか説明していない」というのはとても粋だと感じます。裏地の美学ですね。

Q13 嫌いな/避けてしまうボードゲームのテーマ/モチーフ/世界観は?
萌え絵はあまり選ばない傾向にあるかもしれません。一緒に遊ぶ人の趣味も影響しています。アニメは頻繁に見るし、総じて好きなのですが、「別にボードゲームのアートワークにしなくてもいいのでは」と思ってしまう部分があります。

Q14 人気あるけど好きじゃないゲームはありますか?
グレートウエスタントレイルなんかでしょうか。
あれ、筆者の理解を超えているんですよ。脳が受け付けない。
まったく勝てる気配がなく、つらいですね。開始時に「こうやろう」っていう方針もほぼ立てられず、手なりになってしまう。上手く回せず、「これは負けるべくして打ってるなあ」と感じながら、当然のように敗戦を迎える。玉音。
安定して高得点を取る人がどう考えているのか、知りたいと強く感じます。指導碁みたいなものも見てみたい

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Q15 お世辞にも面白いとは言えない/あからさまな欠点がある/万人受けするとは言えないけど、好きなゲームありますか?
思いつかないですね。
ただ、
・イントリーゲ
・フェレータ
・さまよえるオランダ人
なんかは、まあかなりの欠陥を持ったゲームだと感じます。
インタラクションがとても強いので、
・信頼関係のある友人
・長いプレイ時間

の両方を必要とします。コストの重い、とても贅沢なゲームです。
立卓の条件が厳しいのに、しかも同じ面子で何回も遊べるような強度や安定感がない
ただそれだけに独特の魅力を持っていて、たまに無性にやりたくなります。
このゲームでしか味わえない独特の感覚というものが間違いなくあるんですよ。現われては消えていく、印象の薄い新作群とは一線を画すような、そういう魅力があります。
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Intrigue(1994) by S.Dorra

Q16 好きだけど持ってないゲームありますか?
オーディンの祝祭ですね。限界を超えた重さなので、購入をためらっています。
よく卓を作る友人のリミットが2時間半程度なので、3人3時間級のオーディンはちょっと回るか微妙なラインです。
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A Feast for Odin(2016) by U.Rosenberg

Q17 好きじゃないけど持っているゲームありますか?
不要と判断した時点で売るので、あまりないです。
強いて挙げるなら、スクエア・オン・セールクアックサルバーがそうかもしれません。
買ったはいいものの自分ではほぼやらないので、よく遊ばせていただいているカフェに半分寄贈して、遊んでもらっています。どちらも手軽な中量級なので、それなりに頻繁に回っているようです。

Q18 好きなアートワークのボードゲームは?
ヨーロッパの地図ですね。
地政学、たまらないです。
ディプロマシーっぽい地図があるだけで評価1.5倍になってしまいます。
クルセイダーズとかコンコルディアとかも、地図に偏執的な愛着を感じます。
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Crusaders:Thy Will Be Done(2018) by S.Jaffee

Q19 ボードゲームのアートワークやコンポーネントをどの程度重視していますか?
ふだん意識していませんが、コンポーネントは重要視しているかもしれません。
たとえばローゼンベルクの重ゲーだとル・アーブルカヴェルナがありますね。どっちもとても好きなのですが、筆者はカヴェルナばかりやります。
両作品はシステムがまるっきり異なりますが、コンポーネントも真逆です。ル・アーブルはリソースが紙タイルですが、カヴェルナは木ゴマです。やっぱり木ゴマの良さは特別です。こうしたコンポーネントの部分が、リプレイ性にいくらか影響している可能性はあります。
あとはホームステッダーズなんかは、タイルの厚みがたまらないんですよね。遊びたいバイアスがかかるのか、重さのわりに頻繁に選んでいる印象を持ちます。

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Homesteaders(2009) by A.Rockwell

Q20 オサレな見た目のボードゲームは好きですか?
おそらくは。ダサいよりはいいんじゃないかしら

Q21 お気に入りのボドゲグッズ、教えてください。
こだわるときりがないので、ずっと敬遠していたのですが、最近メタルコインカード立てを買いました。革命的に素晴らしいですね。とても心地よく使っています。

Q22 TRPGゲーマーですか? もしくは経験者ですか?
CoCはPLだけ数回やりました。暗い世界観がとても好きです。

Q23 TCGゲーマーですか? もしくは経験者ですか? 
遊戯王カード、ポケモンカード、デジモンカードは直撃世代だったこともあり、子どものころに一通り触りました。
遊戯王は今思えば、番外編のカプセルモンスターズの方が好きでした。カプモン、あまりメジャーじゃないかもしれませんが、遊戯王のモンスターで遊ぶチェスみたいなゲームがあったんです。また、とてもマイナーですが、同じく遊戯王派生の、ダイスでダンジョンを作って遊ぶDDM(ダンジョン・ダイス・モンスターズ)もとても好きでした。スピンオフとは思えないくらいちゃんとしたゲームなんですよ。

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Q24 ソシャゲをプレイしますか?
デジタルカードゲームの、ドラゴンクエストライバルズをやっています。
プレイはあまりせず、課金もほぼしないですが、季節ごとに行われる日本大会(勇者杯)を見るのを楽しみにしています。

Q25 アニメやマンガ、コンシューマーゲームなどを好みますか?
アニメはよく見ますね。

Q26 ぶっちゃけオタクですか?
定義によりますね。
好きなものは満足するまで掘り下げたいです。反対に、どうでもいいと感じるものに使うリソースは極力減らしたいと感じています。

Q27 同人ゲーム買いますか?
・試遊する
・詳細なインストを受ける
どちらかをやって、買いたいと思えば買っています。ゲームマーケットのお客さんとしては、時間単価が低く金払いが悪い、なかなか質の低い客だと感じます。

Q28 国産ゲーム買いますか?
上記と同じです。ただ、改めて考えると、海外ゲームの買う基準も同じで、プレイせずに買うことはほぼないです。
ただいくらか例外はあり、横濱紳商伝なんかは、遊ばずに前評判だけで買いました。

Q29 KickStarterでKickします/しましたか?
本を一度けりましたが、相当ずさんな内容で、悲しい思いをしました。
キックや同人はデザイナー以外に複数のチェック機構を持たないので、質が担保されないのは構造的に仕方ないのだと感じます。
商業出版であればパブリッシャー、ディベロッパーの手が入るので、ハズレを掴むリスクは少ないですね。

Q30 米アマゾン、独アマゾンを使ってボードゲームを輸入したことがありますか?
ないです。たまにカートに入れては、送料の高さから思いとどまる、というのを繰り返しています。

Q31 ゲームマーケットに行ったことはありますか?
あります。ここ4,5回は欠かさず行っているような気がします。

Q32 ボドゲカフェに行きますか? 行く人はお気に入りのお店ありますか?
頻繁にいきます。よく行かせてもらっている店は何店かあります。

Q33 ゲーム会に参加するならオープン派、クローズ派?
オープン会にはあまり参加しないです。
・2時間級のゲームを
・自分と同程度の思考速度の方たちと
・できるだけたくさん遊ぶ

のが筆者にとって最大の幸福なのですが、そういった自分本位な願いはオープン会にあまり持ち込めません。
幸い現状、セミクローズでの会で、上記の筆者のニーズを満たすことができています。

Q34 実は本名を知らないけどよく遊ぶボドゲ友達がいますか?
一緒にプレイする友人のほとんどはHNしか知らないですね。個人的な心情として、戸籍上の名前に大して興味がなかったりもします。

Q35 ボドゲのジャケ買いします/したことありますか?
ないと思います。

Q36 初心者相手のツカミに絶対ウケる! キラーコンテンツ的なボドゲはこれ、というものはありますか?
ビブリオスをとてもよく用います。
ビブリオスはすごい。外さない名作ですね。
重すぎず、軽すぎず。本当に良いゲームなんですよ。
「この人どういう人かな、今後重いのやれそうかな」と試金石のように出すことが多いです。
もしビブリオスを無理なく楽しめる方であれば、中量級以上を誘っても大丈夫だろう、と判断しています。
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Biblios(2007) by S.Finn

Q37 ボドゲ未経験の初心者(ゲームを普段遊ばない人)にボドゲを遊んで貰うなら、どういうラインナップで攻めますか?
難しいですね。アプリのワードウルフボブジテンあたりなどでしょうか
ただ「ゲームを普段遊ばない人とボードゲームをして遊ぼう」という発想にあまりならないかもしれません。ほかのことをするかも

Q38 ボドゲ未経験の初心者(ボドゲ以外のゲームは遊ぶ人)にボドゲを遊んで貰うなら、どういうラインナップで攻めますか?
ゲームをそれなりに遊ぶ方になら、スプレンダーあたりを出してみるかもしれません。
シンプルな拡大再生産がイージーな快感を与えてくれます。常習性が高いです。また、適当に手加減しても発覚しづらいのも長所だと感じます。

Q39 どういうルートでボードゲームを購入する事が多いですか?
遊びたいときに定価で買うことが多いです。

Q40 中古ゲームの購入に抵抗はありますか?
中身を見ずに買うのはやや抵抗があります。

Q41 遊ばないゲームを手放したことがありますか?
20個以上持ちたくないので、しょっちゅう手放します。

Q42 スリーブ入れる派? 入れない派?
入れることが多いです。

Q43 アメ(リカン)トラ(ッシュ)派? ユーロ派?
テーマ先行か、メカニクス先行か、ということかしら。アメトラもいいですが、ユーロの文脈を引き継いだゲームを好む傾向にあります。
戦争ゲームでいうと、アメゲー俺つえーゲーのエクリプスよりも、ワレスによる、胃が痛くなるようなストラグルオブエンパイアの方がやや好みです。
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Struggle of Empires(2004) by M.Wallace

Q44 日本以外のアジアのボードゲームに関心ありますか? 買ったり遊んだりしていますか?
中国のものだと、最近は平遥が話題だし面白そうですよね。未プレイです。
国ごとの特徴というものがもしあるなら、特徴や、そうした特徴が生じる要因を言語化したい欲求が強くあります。
その他でいうと、ポンジスキームはとても良かったです。あとは、Moideasの東印度公司、第九番交響曲、箱庭鉄道をプレイしましたが、どれもあまりしっくりこなかったです。1,2回遊ぶ分にはとても良い佳作ですが、スマッシュヒットではない。5回以上遊ぶのはちょっときついかな、というような

Q45 レガシー系ゲームで遊んだことはありますか? また、レガシー系ゲームは好きですか?
サイズ:フェンリス襲来フルーツジュースは遊びました。面白いですね。
しかし、よく考えると、コンポーネントを破り捨てたりするゲームじゃないので、これらはキャンペーン系に入るのかもしれませんね。

Q46 人狼やごいたなど(あくまでも例です)の、チーム戦のゲームは好きですか?
卓によります。知り合いとふざけながらやるのはとても好きですが、真剣に勝ちを追求するのはちょっときついと感じます。

Q47 一対多、一対一の陣営非対称ゲームは好きですか?
一対一なら、ワレスの数エーカーの雪とかですかね。たまらなく好きですね。
一対多はというと、凶星のデストラップとかハコオンナとかでしょうか。あまり遊ばないので、評価が難しいです。
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A Few Acers of Snow(2011) by M.Wallace

Q48 マーダーミステリーを遊んだことはありますか?
ないです。ぜひ遊びたいですね。

Q49 謎解きや脱出ゲームを遊びますか?
多少は遊びますし、わりと好きです。
ただ「好みのどストライクではない、どうしてだろう」とぼんやりと感じていました。
これに掘り下げて考えたことを、少し長くなるが以下に記載しますね。

どのタイプの脱出ゲームも、基本的に他プレイヤーときちんと情報共有するのがゲームの肝となります。

・時間の縛りがあるなかで
・大きく声を出して
・他人と情報を共有する

これができれば、驚異的に頭がキレるわけでなくても、脱出成功率は高まります。
上記3要素がこのゲームの難しいところでもあり、最大の魅力でもあります。日常でこんな風に切迫した状況で他人と協力することはまずないため、非日常的な喜びを与えてくれます。

ただ、この3つの特徴は、正直言って自分にとってしっくりきません。得意としないですし、どちらかというと好かない。
・時間制限のなかで他者と混在し合う
・自分の手番が明白に可視化されていて、行動が保障されている

の二択なら、後者を強く好みます。
抽象的な言い方をするなら、ルールやゲームの枠組みに守られている感覚を好む、と換言できるのかもしれません。

また、こうやって特徴を抽出するなかで気づきましたが、脱出ゲームのデザイナーが作ろうとしている状況は、救急の現場の再現なのだと感じます。
リアルタイムで、声を出して、全員で情報共有する。
救急や救命の場面で強く求められる適性です。
心療内科でも救急対応はなくはないですが、全体的に時間がゆっくり流れます。
そのあたりが肌に合っているのも科を選ぶ理由だったのかもなあ、とぼんやりと考えました。

あとは、少し抽象的な話になってしまうのですが、もう少しだけ記述します。
「作者が用意した謎を、プレイヤーが解く」という構造を謎解きゲームは持っています。
謎を解くんだから、それはそうなんですが。
「解かれるであろうと想定された謎」というのが、ちょっとしっくりきません。
どこか「既定路線、予定調和では」と感じてしまう部分があります。
ゲームだとわかりにくいので、漫画や映画だとするなら、1周目の視聴では見つからないようなものが何周も触れると見つかるような感じ。細部まで作り込まれた作品に強い敬意と愛着を持ちます。

最後に、医療職の人間は「謎は二重構造を持っているもの」と想定するように訓練を受けているかもしれません。

・最初から患者が自覚している謎=主訴=その人が困っているみかけの症状
・受診時には患者も想定していない謎=専門家が診たり、検査したりするなかで発見されるもの

精神科の場合は、後者の想定されていない謎がなかなか多様で、飽きにくいです。そこに面白さややりがいを感じることがしばしばあります。


Q50 萌え絵のボードゲームは持ってますか? 萌えっぽい絵のボードゲームを購入するのに抵抗はありますか?
持っていないです。抵抗はないですが、自分は売り手が想定した購買層ではないという感覚をたびたび持ちます。
萌え絵をアートワークにする場合、筆者が作り手であれば以下のような購買層を想定します。
「ゲーム全般、アニメ、漫画に親しんでいる10~30代層に
30分級で、ルールは複雑すぎず
1500~3000円で」

商品として売るのであれば、どの層にリーチしたいかを普通考えます。アニメ絵である、という最大の長所が活かせるのは、おそらく上記のような購買層です。
上とは異なり、自分は顧客として以下のニーズを持っています。
「4000円以上してもいいから、2時間級で、10回以上遊べるゲームが欲しい」
というような。ここのズレを強く感じますね。
ゆえに、余談ですが、「アニメ絵の2時間クラスのガチ経済ゲーム」とかが万一出たら、たぶん興味半分で買ってしまうと思います。

Q51 海外のボードゲームによくある「エセジャパン」的な世界観のゲームをどう思いますか?
いいと思います。

Q52 BGGのアカウントを持っていますか? 普段からBGGを見て/利用していますか?
持っており、頻繁に見ます。
好きなゲームについては、深いレビューがないか探しますが、自分の需要に合致した記事はそこまで多くない印象を持ちます。当たり障りのなく、穏当に褒める記事が大半で、目を惹くようなものは多くない。筆者の主観ですが、プライベートサイトの方が関心に合うレビューやインタビューが多く見つかります。

Q53 ボドゲーマのアカウントを持っていますか? 普段からボドゲーマを見て/利用していますか?
持っていません。レビューを買う際の参考にさせてもらうことがあります。

Q54 ゲムマ以外のボドゲフリマなどの即売会イベントに参加した事がありますか?
関西のボードゲームフリーマーケットは、ここ2年ほど参加しています。

Q55 プレイヤーのマイ担当カラーを決めていますか? 決めている人は何色ですか?
選べるならを取ります。

Q56 トリックテイキングは好きですか? 好きな人はメイフォローとマストフォローどちらが好きですか?
スカルキングインフェルノはとても好きです。選択肢の多さを好むので、たぶんメイフォローの方が好きです。

Q57 トランプゲームで遊びますか?
ポーカーは遊びでやります。

Q58 ワードゲームは好きですか? また、得意ですか?
ボブジテンインサイダーはとても好きです。
ワードバスケットワードスナイパーなどのしりとり系はあまり好まないです。

Q59 大喜利ゲームは好きですか?
卓によります。ドロッセルマイヤーさんのなぞなぞ気分がとても好きです。
キャット&チョコレートは好きではないですが、私の世界の見方は好きです。後者は、もしスベってもさらし者になり得ないのが、とても素敵だと感じます。

Q60 協力ゲームは好きですか?
情報が完全に共有できないタイプなら楽しめます。

時間をかければ情報を共有できてしまうゲーム、たとえばパンデミックやスコットランドヤードについては、以下のような所感を持ちます。

・やるからには勝ちを追求したい
・勝ちを目指すためには、情報を統合していちばん上手な1人が意思決定を行うのがベスト
・でも奉行になりたくない
・かと言って奉行をやられて思考停止になるのもつまらない
・誰も奉行をやらずになあなあで手を抜くのもつらい
こういう気持ちを抱きます。
まったくの余談ですが、奉行問題は英語でアルファプレイヤープロブレムと言い、国外でも避けるべき事態だと捉えられています。

奉行問題が起きない協力ゲームだと、まず思いつくのは秘匿性のあるものですね。
ごいたや人狼はわりと好きです。

あるいは、リアルタイムという縛りで奉行問題を解決している作品も、良いものだと感じます。
・パンデミック:迅速対応
・VOLT
・マジックメイズ
なんかですね。
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Pandemic:Rapid Response(2019) by K.Klenko

Q61 バランスゲームは好きですか?
誘われればやります。

Q62 紙ペンゲームは好きですか?
誘われればやります。
設計的にどうしてもインタラクションが少なくなってしまうので、やや物足りなく感じることが多いです。

Q63 ダイスゲームは好きですか?
定義によりますね。
ここでは、中量級以上でダイスを導入した作品だと想定します。
ダイスをうまく使った作品、たとえば
・ブルゴーニュの城
・マルコポーロの旅路
・グランドオーストリアホテル
なんかはただただ見事だと感じます。雑な物言いですが、イタリア人はダイスの扱いがとても見事だと感じます。
反対に、
・ブラックアウト香港
・ダイナソーアイランド
・アナクロニー
あたりのダイスの導入のされ方は、なんというか、少しまとまりが悪く感じます。
丁寧でない感じというか。
「その部分をダイスにする必然性、ほんまにあったんか」みたいな。
特にアナクロニーに関しては、ダイスを使うアクションがアクションスペースのひとつにあるので、行くかどうかプレイヤーは選べます。
ダイス要素がある資源を取りに行ってもいいし、そこを無視してもOK。
ダイスのバラつきについて、プレイヤーはさまざまに評価します
たいてい、衝動的なプレイヤーは過度に期待します
反対に、まったく信用せず、執拗にリスクを取ろうとしないプレイヤーもいます
プレイヤー間で価値観が統一されることは少ない。
そういったメカニクスを、使うかどうか選べるようにしてしまうのは、イマイチです。
それよりは、選択の余地を与えない方がおそらく収まりが良い。

とはいえ、筆者はダイスについては確たる考えを現状持てていません。
ダイスは荒馬であり、カードとは異なり、プレイヤーの思考スペースをかなり食います
ダイス要素を少しでも入れるか入れないかで、ゲームのプレイ感がまるっきり変わってしまうようなパワーを持っています。
そうした激しいものをゲームに導入した上で、プレイヤー間のインタラクションもしっかり残す、というのは、かなりの芸当です。
たとえば、筆者の知る限りローゼンベルクもフリーゼもダイスを使った代表作を持ちません。
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アナクロニー、ダイスコンポーネント

Q64 ゲームにおける運要素の比率はどれくらいがベストだと思いますか?
自分が遊ぶなら、麻雀くらいの運要素を好みます。
数値化が可能なのかは不明ですが、実力:運=6:4とかでしょうか。
たとえばグランドオーストリアホテルなんかは最高のバランスだと感じます。

重めの戦略ゲームなんですが、
・ダイスのかたより
・ゲストカードのめくれ
といったけっこうな運要素があります。
かと言って単なる運ゲーではなく、リスクをコントロールする様々な手段があります。上達すればするほど、様々な対策を取って、運に振り回されないように工夫できるようになります。
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グランドオーストリアホテル ダイスコンポーネント

Q65 アプリ連動型のボードゲームは遊びますか? また、これらをアナログゲームだと言えると思いますか?
アンロックなどであれば、遊びします。アナログゲームの定義については、論争を呼びがちなわりに、筆者にとって有益な議論とならないので、発言しません。

Q66 軽ゲー派? 重ゲー派? 中量級?
2~4時間級が好きです。

Q67 2時間以上の重量級ゲームでよく遊びますか?
もしすべて自分の思い通りになるのなら、休日は朝10時くらいから終電まで、2時間級以上だけを遊び続けたいです。

Q68 あなたのスマホ/タブレット/PCにはボドゲアプリがインストールされていますか?
AI戦で、Steamのテラフォーミングマーズと、iOSのアグリコラをよくプレイします。

Q69 有名/定番タイトルなのに、遊んだことがないゲームはありますか?
ディプロマシーアクワイア。いつかやっておきたいですね。

Q70 日本語版を是非出して欲しいと思うゲームはありますか?
思いつかないです。

Q71 海外ゲームのゲームメーカーによる邦訳の誤訳が気になる/許せない方ですか? また、メーカーのエラッタページはチェックしますか?

難しいところですね。
センシティブな話題となりますが、アークライト社について本節では触れます。
ここでは同社の経営をボードゲームにたとえます。
同社は短期的には以下のアクションをやっています。

・とにかく多く日本語化の翻訳権を取る(契約タイルを多く取る)
・需要がホットなうちに訳して売る(需要ゲージが高いうちに、多く売る)

短期的なものよりも、もっと中長期的にみると、同社はゲームマーケットを継続して開催しています。出典があいまいですが、ゲムマの開催自体では、たしかあまり大きな収益が得られない。
収益が出ない活動を行うのには、収益以外の理由が普通はあります。

・ボードゲームの市場そのものを拡大したい
・拡大した市場でリーディングカンパニーとなりたい

この2つの意図が背景にあると筆者は推測します。
本節では、上の2つの目的を果たすことが、ゲームで例えたときの同社の勝利条件だと仮定して、議論を進めます。

上記のように考えた根拠として、以下に、同社の会社概要から引用します。
――――
当社ではカードゲームやボードゲームなどの商品を「人と人が出会い良好なコミュニケーションを形成するツールとしてのゲーム」として捉え、単なる商品の売上・利益を追求するのではなく、あくまで「ヒューマンコミュニケーションの拡大」による業績の拡大を目指し、それによって自社のみならず社会への利益貢献を果たしたいと考えております。
――――

かなり議論の下準備が長引きましたが、上のようにとらえると、エラッタの多さの理解はしやすくなります。
単に、

・出版数が多く
・出版までの期間が早い

からエラッタが出ます。
自社ワーカーの許容レベルを超えて、契約タイルを多く取り、早く達成させようとしています。
キャパを超えれば質が落ちる。
質が落ちれば、少なくないコアユーザーからの批判は高まる。
批判を無視し続ければ、信用度トラックが下がっていく。

自然な流れです。

かなり伝わりにくいうえに雑なたとえですが、ワレスのオートモービルでいうと「質が低くてもいいから、大衆向けのTフォードを大量生産して、営業攻勢をしかけて売り切る」みたいな、フォード社のような運営だと感じます。
「エラッタが多少増えても、とにかく多く早く出す」
というのは、理にかなっています。同社の中長期的な2つの目標を満たすためには、ある程度的確な企業行動です。ユーザー視点でどう感じるかは別にして、合理性はあります。


ただ、同社は最近いくつか上の方針と異なるアクションも行っています。
・よりユーザーの声を聞くようにするというアナウンス
・新規採用の募集


これらについては不明瞭なものの、

・自社ワーカーのキャパの底上げに使えるリソースが用意できた(内部留保が作れた?)
・信用度トラックの低下が無視できないレベルにあると判断しテコ入れを行った

というような背景がある可能性があります。ここから先は根拠となる情報があまりに乏しく、憶測の域を出ません。
何にせよ、ゲーム方針をいくらか転換したことを感じさせられます。



最後に、筆者の心情として、エラッタは好きではありません。
ただし「ボードゲームの市場全体が、健全な速度で拡大する」というのはとても喜ばしいと感じます。バブルはNGですが、堅調な市場の拡大は正義です。
市場がでかくなれば、やれることも増えます。
専業デザイナーも増えてくるかもしれない。
ゲムマのサークルの販売個数が増えれば、原価率を下げられて、同人活動がより易しくなるかもしれない。
業界全体の利益につながります。


Q72 海外と日本版でアートワークなどが変わるのは気になる/許せませんか?
売りたい層を想定してアートワークを変更するのは、適切な判断だと感じます。
また、SNEなどの企業の場合は「自社デザイナーに仕事を与え続けねばならない」という内向きのニーズもあるのだと感じます。それも、そういうものだからしょうがないと感じます。
心情としては、海外版のままのアートワークを好ましく感じることが多いです。

Q73 同じ内容のゲームでも、アートワークが変わっ(て、それが好みの絵だっ)たら買いますか?
黒ブラスなんかは最高ですね。
旧版も良かったけれど、新版の最高にイカしたアートワークになったからこそ購買欲がわいちゃいます。
かっこよすぎます。
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Q74 リメイク前のゲームを持っていても、リメイクされたらリメイク版も買いますか?
好みで、かつ頻繁にプレイできる見込みがあるならば、買う可能性があります。
たとえば電力会社は買いませんでした。
レーベンヘルツは新旧買っていますね。


Q75 海外の未翻訳ゲームを自力で翻訳して遊んだことがありますか?
ないです。

Q76 レビューや意見、ゲームの考察などで参考にしているボードゲーム関係の個人はいますか?
N2さん、北条投了さんには、制作をはじめ、さまざまなことについてたくさん教わっています。とても尊敬しています。
「最新の重ゲーどれ買うべき」的な話題だと、友人の神宮寺さんとミキさんの考えを参考にすることが多いです。
その他、挙げるとキリがないですが、参考にさせてもらっている方や、リスペクトしている方はとても多いです。


Q77 ここで(この)ゲームをやってみたいという場所、ありますか?(実現可能性はおいとく)
クニツィアの家でポーカーやってみたいですね。

Q78 この人にボードゲームのマンガを描いて欲しいというマンガ家がいますか?
福本信行さんですかね。

Q79 ボードゲーム関連の動画を見ますか? お気に入りの動画があったら教えてください
Shut up and Shit downシリーズは、英語の勉強がてらたまに観ます。


Q80 ボドゲのポッドキャストを聞きますか? お気に入りがあれば教えてください
jun1sさんのものは何度も聴いていました。
男性のゆっくりした低い声で、とても好きですね。意味内容も素晴らしいです。

Q81 この人とボードゲームを遊んでみたい、この人にボードゲームを遊んで欲しいという人は?(故人、非実在人物、ゲーム業界の人でなくても可)
ヒトラー、スターリンとTriumph & Tragedyしたいですね。枢軸、列強、共産に分かれて戦うウォーゲームです。ヒトラーがイタリアをあっさり切り捨てるさまが見たいです。
あとアカギや福本作品の登場人物と、ライアーゲームの登場人物らでディプロマシーしてるのを横で見たいですね。

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Q82 「おじさんがパッケージのボドゲは面白い」という法則を知っていますか? また、真実だと思いますか?
おっさんといえばクレメンス・フランツとかでしょうか。
彼はある程度重く、込み入ったメカニクスのゲームのアートワークをよく担当していると感じます。受注している仕事の量がおかしいですよね、どうなってるんでしょう。
彼が描いているゲームはよく購入する傾向にあります。ただ、クレメンス・フランツが描いていることが購入の決め手になることはあまりないです。結果であって原因ではない

Q83 好きな(これくらいの規模で遊びたい、という)プレイ人数は
3人でしょうか。

Q84 お泊まりボドゲ会を開催したり、参加したことはありますか?
夜は寝ないとなので、あまりないです。

Q85 ぶっちゃけ、クニツィアディレンマって言う? 言わない?
色と数字があるカードゲームをやると、クニツィアっぽい、ないしはシャハトっぽいと感じるときはあります。抽象的だから反論が難しく、マウントめいた言明なので、友人以外に対して口に出して言うことはないですが。

Q86 リボーク、ミゼール、ディール、ラフ、ディスカード、全部分かる? 普段から使う?
わからないです。トリテの用語なのかしら

Q87 上家、下家、対面、先ヅモ、ベタオリ、全部分かる? 普段から使う?
これは麻雀の用語ですね。友人とのプレイでは使います。

Q88 ゲーム中に交渉要素のないゲームで、口プロレス(はったりを仕掛けたり相手を誘導するような発言)はする方ですか?
難しい質問ですね。
実力が拮抗している相手と戦っていて、本当に勝ちたい場合は、やはりあらゆる最善を尽くします。
自分の内政がうまくいっていないようにウソをつくこともあります。自分が有利になるように、他者のアクションを誘導しようと試みることはあります。


Q89 同席相手がプレイングに悩んでいる際に、求められていなくてもアドバイスしてしまう方ですか?
相手によりますね。
初対面の場合、少し水を向けてみて、要らなさそうなら黙るようにはしています。
・ことばでの聴覚情報
・ボード上の視覚情報

これらをいっしょくたに受信すると、混乱してしまうプレイヤーはけっこう多いと感じます。
アドバイスがノイズとなって、余計混乱してしまうパターンもあると思います。

Q90 ボードゲームを遊ぶ時、ハウスルールを導入したことがありますか?
合意が取れれば頻繁に導入します。
ルールを変えた際にゲームがどのように機能するのか、あるいは機能しなくなるのか。
また、なぜ機能する/しないのか
こういった事象に強い興味があるので、親しい友人には無理を言って、完成されているゲームでも、ルールをいじることがあります。

Q91 ゲームの拡張は買う方ですか? 買った拡張を入れて遊ぶ頻度はどれくらいですか?
拡張は、
①バランスを整える
②リプレイ回数を増やす
③選択肢を増やして、キツさを緩和する
の3方面に大別できますね。

①バランスを整える

GWTの北方拡張、ワイナリーの四季のラインガウ拡張
どちらも基本のみだといくらか瑕疵があります。カウボーイが強すぎる、カード効果が強すぎる。それが拡張によって良いバランスになります。

②リプレイ性を上げる
(A)部族拡張
カヴェルナ、マルコポーロの旅路

スタート時に選ぶ氏族を増やす。
これはたまらないですね。氏族を数個増やすだけで、氏族同士の組み合わせのヴァリエーションが一気に増えるので、リプレイ性が格段に上がります。

(B)マップ拡張

コンコルディア、電力会社

マップ拡張が出るゲームは、基本版の時点である程度完結しているのが特徴的です。
基本骨格が完全にバランスが取れている分、その部分はいじったり足したりできないので、外部的なマップをいじってリプレイ性を上げています。
con corcica
コンコルディア、コルシカ島拡張

③キツさの緩和

マルコポーロの旅路、ロレンツォ・イル・マニーフィコ

ワーカープレイスメントですね。
ワカプレは拡張が入るとアクションスペースが増えて、ゲームが柔らかくなります。どちらも基本のみだとかなりキツく、正直筆者の好みに合いませんが、拡張を入れると好みに近づきます。


Q92 赤ポーン(ドイツゲーム大賞受賞作)のゲームは何作くらい遊んでいますか? あなたにとって赤ポーンは意味があるモノですか?
遊ぶ機会があれば積極的に遊びます。
最新のSdJは流行とこれからの潮流を見るうえでとても大事だと思うので、軽視してはいけないと考えています。ただ、自分の好みよりもとても軽いのがなんとも言えないところです。
KdJも自分の好みより若干軽いことが多いので「買う際の参考になるわけではないなあ」とよく感じます。

Q93 ゲームマーケット大賞の受賞作を何作くらい遊んでいますか? あなたにとってゲームマーケット大賞は意味があるモノですか?
遊ぶ機会があれば積極的に遊びます。天下鳴動、先日遊びましたがめちゃくちゃ良かったです。

Q94 どれくらい積みゲーしてますか?
遊びたくなったら買い、遊ばなくなったら売るので、積まないことが多いです。

Q95 仲の良い知り合いに頼まれても絶対やらないレベルのNfMゲームありますか?
今のところはないですね。
・おばけキャッチ
・ウボンゴ
・ワードバスケット

なんかの反射神経、早押しものはあまり好かないです。どうしても気分が乗らないときは、抜けて外で見ることもあります。

Q96 同じゲームを何度も遊ぶ方?
気に入ったゲームは買って何回も遊びますね。

Q97 入手が難しいが欲しいゲームありますか?
・国富論
・Captains of Industry
・コンテナ
・1830

あたりですね。
強く購買欲をそそられます。
ゲルツのインペリアルに脳を打たれた初期衝動から、同じような重めの経済ゲームに対して、過度な憧れと期待を持ちやすい傾向にあります。
値段が高く、何回も回すのは現実的でなさそうというのが理由で、購入に至っていません。
coi
Captains of Industry(2015) by M.Keller

Q98 長考する方ですか? 他人の長考は気になりますか?

定義によります。

Q99 ボードゲーム以外の趣味は何ですか?
読書会を主宰して、かれこれ5年経ちます。
精神医学や哲学についての本を、半年に1冊くらいのペースで、レジュメを切っています。あとは、ノンフィクションの本を読むのがとても好きですね。

Q100 最後に、あなたにとってのボードゲームは、何ですか?
人生をボードゲームに近似できるようになり、思い悩むことが減りましたね。
ボードゲームは人生ではありませんが、人生はそれぞれのプレイヤーが別々のルールで遊ぶボードゲームと想定してOKだと感じます。

自分のゲームは、リソース管理を中心にしています。
ゲームは80年程度のラウンドを繰り返します。
勝利点=幸福と感じることをたくさん集めるのが自分のゲームの目的です。
リソースは
・時間
・体力
・お金
・他者からの信用

といった、いくつかのパラメータがあります。
適宜労働してお金と信用を稼ぎ、休息をとって体力を維持し、生活を継続させ、お金や体力といったリソースをこつこつ貯めて、余らせます。
余ったリソースは勝利点行動(楽しみのための余暇)に使ってもいいですし、リソース収入を増やすための投資(自己研鑽、収入を増やすためのバイト、株式投資)をしてもいい。
あとは、たまにバッドイベントのカードがめくられて、理不尽にリソースを奪われます。
そういうときのために、ある程度マージンを多めに持ちたい。健康度を高めに維持したり、他者との関係を良好に保つと、そういった際のダメージを軽減できます。

筆者はおおむねそういうゲームをやっています。
すごく重要なのが、ゲームのルールはいちようではない、という点です。
個々人によってまったく千差万別です。

個々人の利益を追求するのではなく、協力ゲームをやっているプレイヤーもいます。
もしくは、親のやっていたゲームをコンティニュー=引き継いで、自分の思うような内政ができないプレイヤーもいます。
個人の生活の幸福度ではなく、仕事の出世トラックに高い勝利点に設定しているプレイヤーもいるでしょう。
そもそも、自分のゲームのルールを明晰に自覚していないプレイヤーも一定数いるかもしれません。


子どもは、なかなか狭い世界にいるので、「だいたいの人間が同じようなルールのなかで生きているのだろう」と錯覚してしまいがちです。
筆者の場合は
・進学校に行く
・できるだけ良い大学に行く
・良い就職をする
・お金を稼いで出世する
という太い一本道がある。言い換えると、その一本道しかないと、非言語的に教えこまれていたように感じます。
そうとも限らない、と気づいたのは、成人して以降でした。


仕事においても、人生のありようをボードゲームに近似するようになってから、見立てと対応がいくらか早く、精確になったように感じます。
もしルールの理解が不明瞭なのであれば、まずどういうルールで生きているのかをまず明らかにする。
そのあとで、そのゲームに起きている問題を取り除き、より高い勝利点を取るために有効なアクション、切り捨ててもいい無駄なアクションを検討する。




―――
後記:
いつもこういうインタビュー記事の和訳をしているので、自分が回答する立場になるのは新鮮で、ちょっと楽しかったです。なんだか偉くなった気分になれますね。

付記:
同じく回答しているブログが以下にあります。(適宜追加する可能性あり)
ご興味あれば読まれることを勧めます。

https://hirobodo.hatenablog.com/entry/question100-2019
ケニーのマンガのヒロさんによるもの。
テンポが良く、構成力も高く、読み手へのサービスもしっかりあり、文才を感じさせられます。

https://www.unibodo.com/entry/2019/09/12/223507

ゆにさん(なかとーさん)によるもの。
これも書き手の価値観が簡明に描かれていて、読みやすく、興味深かったです。高い行動力とエネルギーが記事からにじみ出ています。